神ノ主山 842m 鳴虫山 1103.6m 合峰 1084m
2016.2.13(土)
くもり 単独 神ノ主山側より周回し合峰から銭澤不動へと下る 行動時間:4H56M
@日光総合支所6:32→(9M)→A登山口6:41→(43M)→B神ノ主山7:24→(69M)→C鳴虫山8:33〜41→(19M)→D合峰9:00→(53M)→E銭澤不動9:53→(14M)→F日光第二ダム駐車場10:07→(21M)→G日光総合支所10:28
@日光総合支所からスタート | @総合支所の標高は586m | A神ノ主山登山口 | A登山口道標 |
途中の社 | 神ノ主山下分岐 | B神ノ主山 | B道標 |
B神ノ主山から女峰山側。 | 1080m | C鳴虫山 | C鳴虫山標識 |
C二等点 | C登ってきた神ノ主山側 | Cヤキソバパンと日光の主峰群 | 北西尾根を降りて行く |
D合峰 | D合峰標識 | D祠。ご浄銭が沢山。 | D合峰から銭澤不動への尾根を降りる。 |
最初の急峻。下から撮影。 | 二つ目のロープ場。雪が流れる場所だった。 | 940m付近の祠 | 880m付近の祠。撮影側に石碑あり。 |
尾根上に見られるマーク。 | 810m付近からの下降点道標。 | 810m付近より840m峰を見上げる。 | 下降点から降りて行く谷を見下ろす。タイガーロープが長く続く。 |
細い沢の中に入る。 | 降りてきたのは右俣側。下から撮影。 | 太い谷に合流 | 伝って来たのは右俣側。左俣側に間違えて進んだトレースが残っていた。 |
E銭澤不動まで下りる。 | 日光第二発電所の用水路。ここも知らないと進路が判り辛い。 | F芝生の駐車場に出る。周囲は一般住宅で私有地に出てしまったのかと思った。 | F日光第二発電所の標識 |
神橋 | G日光総合支所に戻る |
2月初旬でありながら20℃付近になる予報となった。金沢市の某販売店ではおからを使った溶けないソフトクリームを作り上げたが、自然界の雪は温度上昇に伴い溶け緩む。ここで高い場所に逃げようかという思考も出てくるが、その麓側での融雪は結局避けられない。距離が長くなるほどに苦労も多くなると判断した。こうなればもう、緩い雪と向かい合うと割り切ってしまうことにした。
鳴虫山は日光の2000m級の山々に対し、里山感覚で登り易い場所として登路が切られている。無積雪期では淡々とした山旅になりそうであったので、登るなら負荷を増した積雪期と思っていた場所。緩い雪でのツボ足行脚を想像して現地に行く事にした。どんな行動にするかは、現地で臨機応変に判断する事にした。
3:00家を出る。相変わらず国道122号には鹿が多く、ヘッドライトに照らされ相手以上にこちらがドキッとする。路肩には雪が残るも走行を邪魔するものは無く、時折ある濡れた路面に注意するくらいで日光総合支所に到着した。急ぐことはなく、逆に時間が余るほどではしご登山をも考えていた。夜明けまでしばし仮眠。総合支社のスペースは駐車専用場所と思っていたが、意外と車通りがあるのを知らされる。
時計回りか反時計回りか、総合支所からスタートして取付き場所が近い神ノ巣山側からの時計回りと決めた。東に向け集落内の道を適当に選んで進んで行く。途中、ラジオ体操を聞きながら歩いてきたオバちゃんに、「神ノ主山の登山口は何処ですか?」と声をかけてみる。「その山は知らないけど、鳴虫山の登山口ならこの先にあるよ」と教えてくれた。橋を渡った先を右折する。この付近は路上の雪が凍り、怖いくらいの場所もあった。進む先の取付き尾根の末端には小さな道標があり、その小ささから、先ほどのオバちゃんはもう一方の登山口の事を言っていたのだろうと思えた。
ハッキリとした峠道のような道幅の登路を伝って行く。左からの道と合流した場所に鳥居を擁した社があり、挨拶をしてから進んで行く。ここが事典には載っていないが天王山と言うようだ。合流した道側からはしっかりトレースが出来ており上へと続いて行っていた。気温は既に8℃ほどと読めた。雪が緩く踏まれている場所でさえ踏み抜きつつ進むような状態であった。
神ノ巣山を前にしてトラバース道が右に分岐している。その道を右に見送りながらやや急登斜面を登り山頂を目指す。一か所あるタイガーロープをむんずと掴み体を持ち上げる。緩い積雪斜面では、在ってありがたいタイガーロープであった。雪面には数日前のトレースが下ってきていた。それに足を合わせるように山頂を目指す。
神ノ巣山到着。木々の間に女峰山が見える。鳴虫山まで2kmの表示が見える。里山風味な山塊を西進してゆく。次第に積雪量が増えて行き、そこに残る単独行者のツボ足跡が助けとなっていた。それにしても雪が緩い。単独行者のトレースには軽アイゼンの痕が伴っており、ツボ足をしながらもグリップ力を出して下っていたようであった。ポコポコと各ピークを越えて進む。登山道は南側に切られているような場所も見られたが、当然のように冬季のトレースは頂部を伝って進んでいた。市街が近い為か、下からの放送が頻繁に尾根へと上がってきていた。
鳴虫山到着。二等点が待っていた。ここからは日光の盟主である男体山と、そこから並ぶ山々が綺麗に見えていた。誰かに見られたら怒られそうだが、三角点に腰掛けて白湯を飲みながら休憩とした。この時は、あとは下るだけであり含満淵でも最後に楽しんでのんびり戻ろうなんて思っていた。そう見つつも、どこか面白いコース取りは出来ないかと天邪鬼な思いも抱いていた。
北西尾根を急下降してゆく。登りのトレースを壊してしまうようで申し訳ないのだが、この日の緩い雪では致し方ない。鋸歯のようにポコポコと踏み越えて進む尾根で、階段の場所は雪が凍っておりい足先に力が入る通過点でもあった。この尾根より、右に見える谷に入ってしまった方が楽に降りられるのではないか・・・。降雪時だからこその思考にもなる。
合峰到着。大ぶりな祠があり、そこにたくさんの御浄銭が見えた。こんなに大量の御浄銭がそのまま残っているのは日本ならではだろう。良心の文化・・・。さてここで、予想外にも北に降りる尾根に「この先の登山道はわかりづらくなっています」と注意書きがされタイガーロープで塞がれていた。ここで初めて北側に道が在ることを知る。そこに単独行者のトレースが残り背中を押してくれる。キジ行動の跡かとも思ったが、間違いなく尾根を降りて行っていた。
北に下降開始。道標もあり「銭沢不動」を示している。初めて聞く場所であり、何処に降ろされるのかも判らない。明瞭な尾根筋だが、降り始めは意外と急下降してゆく。その斜度のためにタイガーロープを施してある場所が2ヶ所続く。しっかり掴まらないと雪が流れて大変な場所で、無かったら通過に時間を要した場所となったろう。このロープ場から下る事5分ほどで祠が現れる。仕様が合峰に在ったものと類似しており、昔からの信仰の場だった尾根と解釈した。
くねくねと連なる尾根で何もなかったらコース取りが難しい場所であるが、マーキングのリボンや紅白のプレートも時折見られる。ただし注意書きにあった通り判りづらいのはたしかで、てっきり897高点を経て869高点側に進むのかと思ったら、素麺滝側の尾根へと進んで行くので意外であった。その屈曲する手前の880m付近にも小さな祠が鎮座し、判読不能な石碑も残っていた。雪の下にはハッキリとした登山道があるのだろうか、伝っているのは相変わらず単独行の登りトレースだけであった。
840mの顕著な岩峰を前にしての810m付近で進路が判らなくなる。素麺滝の方へ行き来している鹿の踏み跡が増え、それが人間様のトレースに見えてしまい迷ってしまった。現に北西に下る尾根に入ってしまい迷う始末。続いていたトレースの主は何処から登ってきたのか・・・。素麺滝側へ降りても大丈夫そうだが、道標に書かれた銭沢不動の存在も見たい。
もう一度東側の尾根へと戻ると、840m岩峰の基部に、その銭沢不動への道標が在った。そこからの谷はかなりの急峻で九十九折にタイガーロープが流してある。それに掴まりながら雪崩れるようにしてずり落ちてゆく。狭い沢の中に入り込んだところが出合いの場所で、右俣から降りてきた格好になるが、登りの場合のこのルート取りは知っていないと冬季には判別できないだろうと思えた。トレースの主は、知ってか知らぬか、この出合の場所から左俣の東側斜面を上がっていた。沢沿いに下ってゆくと太い谷に出て、そこにも道標があった。ここも出合の場所で右俣から降りてきた格好。左俣を見るとトレースが登って引き返してきていた。確かに間違いやすい。登り用の分岐道標は見当たらなかった。地形図を見ると、そのまま登ってもいいようだが、付近は夏道を知らないとすんなりは辿れないように感じた。
太い谷に入って僅かに下ると、先に方に赤い社が見えてくる。銭澤不動のよう。流れを跨いで無事の下山を挨拶してゆく。トレースが無かったら参道が判らないような中を、ありがたく参照させてもらいながら伝って行く。高架下を潜りフェンスで囲われた用水が前方を横切る。何処に進めばいいのか・・・。ここでもトレースは正解を導き、用水を渡る小さな橋へと教えてくれた。分岐道標もあるが、夏道を知らない人には進路を探すのは少し時間を要す場所に思えた。用水の左岸側からは適当に広見に向かって降りてゆく。
周囲は住宅地の中で、そこだけ広く拓けている芝生の場所に出る。完全に私有地だと思いドキドキしながら進んで行くのだが、道標を見てびっくり、公的な駐車場であった。それにしては広く、不動尊の催事の大きさも想像できた。そして東側にある民家の部屋が良く見える(笑)。まあ見させるようにオブジェがディスプレイしてあった。
住宅地内の舗装路を辿って東に戻ってゆく。何度も日光を訪れてはいるが、散策したことはなくここを歩くのは初体験。細い道の左右には、意外と面白い魅せるお宅も存在した。大谷川を渡り左岸沿いを進んで行く。だんだんと賑やかなエリアに入ってゆき、国道に出た場所からは観光客に紛れながら進む。こうなると寒いからとて鼻水を垂らしながら歩けなくなる。神橋を巻き込むようにして進み、ウインドウショッピングしつつ、周囲の観光客に塗れる自分の登山姿をガラス戸に見ながら歩いていた。控えめな欧米系の観光客。強引なアジア系の観光客。人間観察しながら歩いていた。
日光総合支所に戻る。史跡的場所で建物が見学できるのかと思ったが中に入ることは出来なかった。