明神ヶ岳    1594.6m                                                                                                  
   2018.10.20(土)



 くもり     単独     林道工事封鎖により、水の郷より往復      行動時間:5H41M


@水の郷6:41→(58M)→A滝倉橋登山口7:39→(75M)→B1361高点8:54→(52M)→C明神ヶ岳9:46〜55→(37M)→D1361高点帰り10:32→(51M)→E滝倉橋11:23→(59M)→F水の郷に戻る12:22


   
@水の郷から出発 @前沢稲ヶ沢線としては、こちら入口が終点。 工事中につきバリケードがされている。日中は開門していた。 今回の工事は2018年11月12日まで。頻繁に工事がある林道の印象を持つ。
       
工事個所の様子。歩道幅は350mmくらいしかない。 稲ヶ沢側でも工事がされているようで、抜け出れなくなったバイクが2台ある。 最初が明神橋 二本目が滝倉橋
     
滝倉橋から見えるのは、おそらく1574高点峰だろう。 A登山口の様子。3台分のスペースあり。 A唯一の登山口を示す表示。 最初の急登
       
1050mで急登が終わりなだらかになる。 先行者。6時に水の郷を出発したと言う。 1190mの岩の目立つ場所。 1200m峰。小さなピークが連続する。
       
B1361高点峰 B最高所を外し、山部さんの標識が見られる。 1400m峰から望む明神ヶ岳。 1400m峰の熊の糞。新しいのは無いが、古い糞はかなり見られる。
     
中間峰 最低鞍部から望む明神ヶ岳。 道形は笹の中に埋もれている。道形が薄い場所が多くなっている。 C明神ヶ岳
     
C三角点の上にお地蔵さんが見られる。 C綺麗な状態の二等点。 C栃木らしく短冊状態。 C4日前には山口さんが登っている。
   
C明神ヶ岳deヤキソバパン D1361高点帰り D小さな洞の中に標高板が入れてあった。これも山部さん作。 E滝倉橋に戻る。
       
E滝倉橋から見下ろす、前沢と滝倉沢の出合。  工事個所帰り 工事中(日中)はバリケードは開いていた。 F水の郷に戻る。




 明神ヶ岳は何度も計画してみたものの、その都度林道封鎖がされており先延ばしになっていた。抱き合わせに前山も登りたいと思っていたので、前沢稲ヶ沢線に入れないと思うようなコースが描けないのだった。調べると、前月に登山口となる滝倉橋まで車で入っている方が見られるので、林道通過は問題ないだろうと思い計画してみる。

 

 1:15家を出る。前橋市内通過時の信号を煩わしく思い、ササっと北関東道に乗って伊勢崎で降りて122経由で現地に向かう。日光のハイシーズンであり日中は渋滞だろう。深夜帯は嘘のようにスイスイ流れ、今市からの鬼怒川沿いも有料道路を無料で通過し、林道入口の水の郷には4時少し前に到着した。

 

 しかし・・・林道にはバリケードがされていた。バリケードがあっても通れる時があり、突っ込んゆく人も見知っているのでバリケードの先に入ってゆく。途中には通行止めの看板が出ておりユンボも置かれている。何とか通過できるかと思ったが、工事現場は林道幅が全て抜け落ちていた。これでは通れず通行止めは納得となった。

 

 さてどうしよう。一度水の郷に戻り計画を練り直す。持丸山や高瀬山に転進しようかと試みるが、地図もないし情報ゼロから計画するにはややリスキーに思えた。予定通りに遂行するには林道を歩けばいいのは判っているが、夜間の雨がまだ止まない状況であり、明神ヶ岳自体を狙うのにササでびしょ濡れになる想像が大きくなり延期しようかとも思えていた。雨具を着てびしょ濡れの後に、はしごして前山とした場合、モチベーションが保てるかどうか・・・。

 

 悩んでいても時間ばかり過ぎてしまうので、まず最初に前山に登ってしまうことにした。その後のことはその時に考えることにする。林道を入れないとすると、前山は湯西川スキー場側から狙うのが順当で、湯西川温泉街を通過しスキー場跡地に向かってゆく。登山口となる現地には、しっかりと案内看板があり、ここで初めて縦走路も出来ていることを知る。駐車余地がないのが利用し辛い部分だが、林道北側に見える建物(廃小屋)への通路跡らしき場所に突っ込み夜明けを待つ。

 前山への山旅


 前山の後、前沢稲ヶ沢線を使って明神ヶ岳を狙う。先に前山を終えたので、2座目に濡れてドロドロになっても、ここは下山したらすぐに温泉なので願ったり叶ったりであった。すっかり雨は上がっていた。

 

 水の郷の第三駐車場は閑散としていたが、夜間に到着したときには無かった四駆が1台置かれていた。先に入山している人が居るようだ。もしくは釣りなのだが・・・。この付近は新築の家が多い。2015年9月の水害と結び付けるのが正しいのだろう。皆同じ時期での新築に見える。林道入口にも平屋があり、おばあちゃんが居たので挨拶してから林道に入ってゆく。

 

 バリケードの先に進む。1度目は車で入ったが、歩きでの前沢沿いも沢音が耳心地よく、紅葉も始まり景色もいい。今回の工事は11月12日までだが、頻繁に修繕しているようである。このタイミングで林道を歩く覚悟で入らないと、先送りしてもあまり状況は変わらないだろうと思えた。その工事現場は大きく林道が抜け、歩ける幅はごくわずかで、辛うじて通れるようになっていた。この作業現場から5分ほど先に進むと、違和感のある雨避けがされているオフロードバイクが2台見える。林道に入っている間に工事が進み出られなくなってしまったのだろう。これにより、稲ヶ沢側でも工事がされていることが想像できる。

 

 林道途中には簡易水道施設も見られ、この辺りは前山を林道側から狙おうと思った場所で、一帯は植林帯なので、あまり下草がなく登り易そうであった。見上げると主尾根も見えるようで樹林の間にすぐ空が見えていた。一度前沢の流れの高さに近づくが、再び見下ろすようになる。急こう配の場所はなく若干のアップダウンが伴う緩い登り勾配で進んで行く。

 

 最初に渡る橋が明神橋で、その先3分ほどで取付き点のある滝倉橋となる。滝倉沢に対しての左岸、前沢の右岸に3台分の駐車スペースがあり、その真ん前の尾根末端が入山口であった。道標はないが、結ばれたリボンに登山口表記されていた。ここにはゲートがあった時もあるのか、単管パイプでの策が出来ていた。

 

 尾根を伝いだしての最初は、かなり勾配が強く道幅も細い。まだ先行者の有無は判らないが、触れる野草の夜露が払われているので、既に露払いしてくれているよう。踏み跡がつかない場所で、地面からは有無の判断ができなかった。1050mまで登ると、それまでの勾配は緩やかになる。

 

 鳥なのかイノシシなのか、シカでないことは判るのだが高音で鳴く生き物が周囲からこちらを把握しているよう。そんな中、人工的な音が耳に入ってきた。鈴の音と「きこえタマゴ」がラジオで流されていた。この後放送の「山カフェ」を楽しみにしているのだろう。背中から追う形なので驚かさないようタイミングを見計り「おはようございます」と声をかける。自称71歳、この尾根を2.5時間かけて登る予定だと言う。そして水の郷は6時に出たよう。露払いをしてもらった礼を言って前に出る。この先の夜露は自分で濡れながら払わねばならない。

 

 小ピークが連続する感じで尾根上のアップダウンをこなしてゆく。前方左側に明神ヶ岳本峰があるのが見える。1361高点峰には、山頂を外した山部さんらしい場所に標識が掛けられていた。この先で少し馬酔木が繁茂し撫でられながら進んで行く。これまでの登山道の様子に対し、少しグレードが落ちた印象を受けた。

 

 1400m峰に上がると、もう目の前が明神ヶ岳であった。ここの最高所にクマの糞が見られ、これまでの経路にもいくつも目に入った。どれも古いものではあった。北東側の1400m峰を越えたら急下降し、その先の鞍部からは笹斜面を登って行く。どんどんグレードが落ちる感じで道形が薄くなる。あると思うと探してしまうのだが、無いと思ってまっすぐ進む方が楽であった。ただし濡れる。道形を追う方が幾分かでも空間があるので、濡れる度合いは弱いのだった。雨具を履こうか迷ったが、もうわずか先が山頂なので濡れるのを我慢する。下の方は膝丈のササだったが、山頂直下は腰丈のササになっていた。

 

 明神ヶ岳山頂。三角点の上には小さな人の形を模したような焼き物が置かれていた。地蔵のようには見えなかったのでこのような表記にさせていただく。最高所の南西側に栃木らしく短冊のような山名板が見られる。既に割れ落ちたものもあるようで括りつけた針金などが総数を示していた。そんな中に、MLQかと思わせる赤い絶縁テープがあり、書かれた字を読むと4日前の登頂であった。久しぶりにヤキソバパンが用意できたので、掲げ記念撮影。少し風もありやや寒く温度計は9℃を示していた。

 

 ササ斜面を西に降りてゆくと、鞍部手前から再びラジオの音が聞こえだし先ほどの男性が登ってきていた。この道の状態にさして何も言わないので、御仁は複数回登っているようではあった。すると鞍部を挟んだ先から大きな会話の声が聞こえてきた。さらに後続もいるよう。男性と別れ鞍部まで降りると、男女二人づつのパーティーが居た。「どこから」と聞いてきたので、「いやいや今日は水の郷の一択でしょう」と言うと、「バリケードを退かして途中まで車を入れました」と言う。工事のない日曜ならその選択もあるが、工事があると予想できる土曜日では、なかなかそのような判断はできない。クマよけを兼ねているのか、皆かなり大声で会話していた。もしかしたら耳が悪いのかもしれない。

 

 1400m峰に戻り、もう一つ1400m峰を越えてゆく。コース唯一の痩せた場所を経て1361高点に戻ると、最高所の朽ちた木の小さな洞の中に標高のみ書かれた山部さんの標識が見られた。1300m以北の尾根ではワイヤーなどが残置されており、ここで伐木が行われた様子が伺える。一升瓶なども見られた。このエリアは、携帯がほとんど繋がらず、繋がるのが1200m付近から以北の950m付近までであった。この間のみラジコを楽しむことが出来た。

 

 急こう配を、足を横に置きながら下ってゆく。勾配が強く負荷に感じられ長い登りと思った場所が、下りは速かった。滝倉橋に降り立ち、橋の上から前沢を見下ろすと、双方優しい流れで滝倉沢が合流していた。夏場なら川面に降りて遊びたいような清らかさであった。ただしこのエリアにはヒルが居る。暑い時期が終わり居なくなるのを待っての今回の計画でもあった。

 

 林道を戻って行き、974高点の東辺りで軽トラが登ってきた。工事がされているので車は来れないはずだが、工事個所の南に置かれている車で、往路にどう使うのだろうと思った一台であった。女性が乗っており、工事個所の通過を気を付けるようにと伝えてきた。「キノコ採りですか?」と聞くと、「この先で工事をやっているのでそこへ向かっている」とのことであった。工事は2か所でやっているのだった。だからバイクが・・・。

 

 工事個所まで戻ると、ちょうど12時で、既に食事が終わったのか車で寝ている作業員もいた。前山は植林斜面が登るには楽そうに見えたが、しじゅう曲めコースの登り上げた場所(930m)に向けての南側の谷もかなり伝いやすそうに見えていた。930mから西側にも尾根筋に踏み跡が見えたので、高倉山への尾根通しの道もあったのかもしれない。途中の広くなった路肩に4人パーティーの車があり、「3時頃下山します」と達筆の走り書きがノートにされていた。

 

 バリケードは作業中は開けておくのか、コーンは避けてあった。水の郷に戻ると、鬼怒川沿いのその施設から白く湯気が上がっていた。いつもこのようだといいのだが、車を動かすことなくザックから風呂道具にスイッチする。







 
                      戻る