北立岩    1200m                                    
                                                                       
                                      

   2019.9.28(土)


  くもり    単独    毛無岩沢コース経由   行動時間:3H26M


@登山口6:28→(24M)→A790m二俣6:52→(33M)→B980m二俣(滝)7:25→(47M)→C北1180m峰8:12→(9M)→D北立岩8:21〜27→(15M)→E南1180m峰8:42〜43→(4M)→F1179高点峰8:47→(53M)→G760m登山道(沢ルート)に乗る9:40→(14M)→H登山口9:54


   
@前週同様にこの沢コースの登山口から入山。 @登山口 左岸の堰堤越え下は、杉の抜倒木がゴロゴロしている。 ヘツリ
       
小滝 A790m二俣を、今回は左俣に進む。 A左俣には右岸に薄く道形がある。 炭焼き窯跡で右岸の道は途絶える。
     
炭焼き窯の上流の様子。 少し遡ると左岸にタイガーロープが現れ、道形が見えてくる。 左岸の道は水面より10mほど高い位置に切られている。 昭和61年にここの植樹がされたよう。
       
920m付近で左岸に大岩壁が現れ、沢の中は大岩がゴロゴロしだす。ここで完全に道形は消滅。 930m付近。明るい場所で夏季以外は休憩適地。 右岸に大ぶりな岩穴がある。 B980m地点。二股になっており、左俣には小滝が見える。登るのは無理。
       
B右俣にもナメ滝が見える。こちらの方が登り易いが、向かう方向と違う。 B左俣の右岸を登る。脆い岩が多くザレでとても危険。 高巻き途中から滝の全容が見える。落ち口から下までの落差は20m程あるように見える滝であった。 登って行く山肌。掴める木々も朽ちているモノがあり注意が必要。
   
滝の上流側へ進む獣道があったので伝ってみる。けっこう危険。 先ほどの滝の上流にもナメ滝が存在した。 1120m付近からのガラ場斜面。 1160m付近で地面が安定する。
     
C1180m峰(北の)に乗り上げる。 D北立岩登頂 Dテプラ標が唯一。 D北立岩から立岩
   
D北立岩から1320m峰。 D北側から見る山頂。多くの人はこちらからっ登頂しているよう。 D北立岩でヤキソバパン。 手前鞍部から北1180m峰を見上げる。ここは西側を通過してゆく。
     
南1180m峰へは、西側から巻き上げる。 西側直下は足場が緩く最後はガレ。 E南1180m峰。 E北立岩を見るのに最適な展望場がある。
       
E南1180m峰から立岩。 E南1180m峰から北1180m峰。 F1179高点も高みになっている。 F1179高点から見る立岩。近くに見える。
       
F1179高点には古いリボンが残っていた。 1179高点からの東尾根はガラ場で、動く石ばかりで最大限の注意が必要。振り返る。 1040m付近で露岩地帯が終わる。振り返る。 ワイヤーが残置されていた。南側は植林帯。
       
1040m付近の大岩。 990mの突峰。 途中からイデミ1294m峰。 960m峰。ここから先へは尾根上は進まず、南の岩壁下を伝う。
       
910m付近。大岩壁の下。 岩壁にタイガーロープが垂れていた。引いてみたが効いている。  岩壁下も小谷の場所で行き止まり。ここからの進路が傾斜地が多く難しい。 800m付近にあった岩穴。
       
G760m地点で沢ルートに乗る。  へつりはロープに伝ってみるが、けっこう危険。水に濡れて通過した方が楽。  H登山口に戻る。 H駐車余地は3台分。 
       
前週同様に山神宮に挨拶をしてゆく。      




 南牧村の立岩は、東立岩から西立岩までで山塊が構成されている。山と高原地図、もっと遡りエアリアマップにも北立岩がプロットされている。もう一つの方角が埋まればコンプリートとなるが、残念ながら南立岩は無いよう。

 
 記録があるのかと検索すると、ほぼすべての人が南麓からアプローチしている。道場地区からの林道を使い、665高点経由で谷伝いに進み北側の主尾根に乗り上げ登頂している。このタイミングで北立岩としたのには理由があり、前週に毛無岩の沢コースを伝った時の二股が印象に残っており、そこからの左股を詰めてアプローチしてもいいんじゃないかと思い、すぐに実行に移したいと思っていた。地形図を見る限り危険個所は見えてこない。衛星画像を見るが、こちらは樹林帯でほとんど地形が見えてこなかった。

 
 酷いことに前週の日曜日から喉が腫れ、火曜日には狭窄して水も飲めなくなってしまった。日月と風邪だと思い我慢していたが、熱は無く違うよう。口からエネルギーが得られないので、医者に行き点滴をしてもらう。水曜日まで扁桃腺が垂れさがり息が詰まり寝られないようなほどで、治癒するか心配だったが、不完全だが歩けるほどには回復し土曜日を迎えた。

 
 日が上がってから出発する。セブンでコーヒーを調達し、飲み飲み片手ハンドルで南牧へと入って行く。道場地区は前週同様に静かな山村であった。山神宮を右に見て林道を進み登山口に到着する。朝露を纏った野草に足元を濡らされながら準備しいざ出発。ザックには20mザイルをお守りに入れた。

 
 6:28出発。2週続けてなので無駄のない足運びで最適な場所を進んで行く。渡渉して左岸で堰堤を越えて行く場所は杉の伐倒木が多いが、この先もなにもされずこのままなんだろう。5本ほど跨いで進んで行く。堰堤の先で右岸へ行きへつりの場所となる。ここも迷わず靴を濡らしてジャブジャブと進む。小滝を右に見ながら高巻きのルートを辿り、再び明るい沢の中に降りると、その先が二股で、ここで毛無岩の沢ルートを離れる。

 
 左俣に入ると、薄い道形が右岸に続いていた。進んで行くと石積みが現れ、それは炭焼き窯であった。ここで右岸の道が終わる。先を見てもそれらしい道形は無く、沢の中を適当に進む。すると、窯の場所から15mほど上流で、今度は左岸側にタイガーロープが現れた。そう危ない場所ではないのでどんな意味なのかと掴んで進むと、その先でハッキリとした道形に乗れた。そこからは沢の水面よりやや高い位置に切られた道形で、伝ってゆくと植林の記録標が立っていた。昭和61年の植林と読め、幹の太さからも30年ほどの年月を感じるのだった。

 
 地形図からは付近は広葉樹林のマークになっているので、30年以上地形図の改訂がされていないことが見えてきたりする。道形が続いている場所は障害物もなくズンズンと進んで行けた。しかしそれも920m付近で終わり、進んできた左岸側地形は大岩壁の様相となり、次は右岸側かと見るも、進めそうな地形は無い。大岩の中を踏み越えてゆく。ここは樹林帯の中のような感じで暗いのだが、930mまで進むと明るい沢の中となる。この時季には休憩適地であった。

 
 まだこの時は楽な気持ちで沢を詰めていた。途中右岸側に大ぶりな岩穴がある。明るい場所を進んできたので目が慣れず奥が深いようにも見えたが、浅い岩屋風でもあった。そしてここから5分ほど進むと、これまでなだらかだった沢地形がその先で立ち上がっていた。立ちはだかっていたと書いた方がいいか。ここでのこの高低差は地形図からは予想できていなかった。二股になっている左俣には小滝があり、右俣にもナメ滝が見える。登るなら右俣であるが、こちらの方角は、前週の1320m峰側へと行ってしまう。伝うなら左俣で、そこが伝えなそうなのでさて困った。西に突き上げれば北立岩のピークであるが、そこに見える谷地形には細かなザレ地形があり、そこと滝の間の地形で高巻きをしてゆくのが適当と思えた。

 
 簡単ではないのは見るからに判り、緊張しながら最大限の注意を払いながら三点確保で登って行く。登りながら当然のように滝を見る。下から見た感じでは7mくらいの滝なのかと見えたが、右俣側からせり出した岩の裏がブラインドとなり見えていないだけであった。全容が見えてくると、上から下までは20mほどの落差のある滝と判った。線が細いので無名滝なのだろうけど、水量があれば見栄えのするだろう高低差であった。それより・・・。

 
 滝の右岸の地形は休まるような場所が乏しく、常にずり落ちる可能性ある場所が続き、掴める岩も脆かった。もう少し左右を詮索したらいい場所があったかもしれない。その途中、獣道が東側に水平に通っていた。これを伝えば滝の上へ行けると思い進む。この獣道も細くやばい場所ではあった。難所は先ほどの滝一つかと思ったら、上流にもナメ滝が控え、角の立った岩の中を水が流れていた。ここで沢伝いは諦め、南西に直登し北立岩を目指すことにした。

 
 小谷を右に置き小尾根を登る。1120mからは角の立った礫の場所で、踏むとカラカラ鳴るような中を落石しないように足を出して行く。1150m付近まで上がると地形が安定し登りやすくなる。進路右前方に高みが見える。北立岩より南のピークへ登っているのが判った。大きくミスはしておらず、いずれにせよ目標点はもうすぐ。

 
 1180m峰に登頂。この1180m峰は南北に近接して二か所あり、こちらは北1180m峰となる。一度下り鞍部から駆け上がる。やや斜度があるが下草は無く進みやすい場所であった。獣か人か、少し踏み跡になっている場所も見られた。マーキング類は無く自然味の強い場所であった。

 
 北立岩登頂。岩と言う割には露岩のピークではなかったが、南西側にゲジゲジマークがあることから、道場地区の人から見て間違いなく北の立岩となるのだろう。テプラ標があるが、木が育ったためにネジを支点にしてプレートが押され割れだしてきていた。展望はあまりよくなく木々越しに南を除く各方面が見えていた。それでもここからは立岩の本峰は見ておかないとと、背伸びして眺めていた。ヤキソバパンを掲げた後は帰路なのだが、机上での予定した通り、1179高点からの東尾根を伝って降りることにした。

 
 南に進み、往路に乗り上げた1180m峰は西側斜面を伝ってゆく。鞍部まで進み、次は南1180峰への登りになる。ここもゲジゲジっぽいマークはあるが西側を巻き上げてゆく。足場が緩く山頂直下はガラ場で、石が動き転倒したりした。でも、ここは登るべき場所で、登って大満足のピークであった。

 
 南1180峰は北側に植生がなく展望場になっていた。先ほどまで居た北立岩専用の展望台のようでもあった。立岩本峰側もよく見える。北立岩がここまで展望があったら、もっと流行るのだろう。向こうの方が高いのでどうしようもないが、展望優先では、ここを北立岩としたいような場所だった。ここからの1179高点の場所までの尾根は伝いやすい細尾根で獣道は尾根の北側に見られた。

 
 1179高点は、顕著な高みになっていて、朽ちた先人のマーキングが残っていた。ここららの進路は東尾根一択だろう。その東に降りてゆくのだが、最初はなだらかなのかと地図を読んでいる中で、予想以上に急峻地形が待っており、覗き込まないと進路が見えてこないような場所が続いた。ザイルを出したいような場所もあり、地形を見定めながら降りてゆく。次第に角の立った露岩が増え、それらでブレーキをかけながら降りようかと足を乗せたら、重量60kgほどの石が踵の先から動き出し、尾根右側へと降りて行き、その音は20秒ほど続いていた。下で林業作業をしている人が居たら危険に曝してしまっただろう。以後かなり注意しながら足を出して行く。

 
 1040m付近で露岩帯が終わり、そこにはワイヤーの残置品が錆びて見られた。そしてクマの糞も古いのが落ちていた。尾根を東側に進むと、屏風のような大岩があり、ここは北側を通過してゆく。990mの肩にも突峰があり展望のいい場所となっていた。登るのは端折り南を巻いてゆく。さらに先の960m地点にも高みがあり、この山塊は尾根上の肩にいくつも高みが出来ている場所であった。これ以東からは尾根上は痩せて行き、伝えなくなると予想して尾根の南側を伝ってゆく。

 
 進んで行くと大岩壁が現れ、それに沿うように高度を下げてゆく。900m付近で北側の壁に人工物があるのを見つけた。ハーケンやボルトなら理解するが、見えるのは一本のタイガーロープだった。何の目的か、貴重なシダ類が岩壁に生えていたのだろうか。こんな場所に不思議な人工物であった。岩壁下に踏み跡なども無いのだった。ロープの垂れた場所から2分ほどで、小谷が入りコップ状地形が急峻過ぎて進めなくなった。東尾根を辿るのもここまでとし、南に下降開始。そうするしか進路が無かったのでそうしたのだが、斜度の強いザレ斜面で、常に緊張しながら降りねばならなかった。細かな小谷もあり、落ち葉の下が一枚岩の場所もあり、雪面を歩くように二回ほど蹴りこんで確かめてから体重をかけるように下っていた。

 
 降りるには小谷の中が一番適当で、落ち葉の堆積する中を降りてゆく。800m付近には大きな岩穴があり、熊でも居たかもと覗き込む。そこの上側はゴルジュのような地形があり、岩壁の中段に岩穴が見えていた。何処に下ろされるのかと思ったら、760m付近で山腹を走る右岸の登山道に出合った。なぜかその場所にはピンクのリボンが縛ってあった。たぶん、今降りてきた谷を意識してではなく、登山道が一部崩落しているので道の場所を示すマークだったのだろうと想像した。

 
 へつりの場所は、タイガーロープに掴まって横這いしてみる。途中のハーケンは抜けてしまっており、かなり振られ掴まって進むには酷。足元の岩壁も苔むしており、やはりここは濡れて通過した方がいい。左岸で堰堤を越えて右岸に進み登山口に戻る。

 
 振り返る。スリルを求めたい人以外には、今回の往路も復路もお勧めコースではない感じ。980mの二股は、右俣に入り途中から西の尾根側に進み左俣の谷に入ると、安全通過できるかもしれない。そして1179高点からの東尾根は、1010m付近で東尾根は見切りをつけて南東尾根へと入って行く方が安全になるだろうと思う。でも、今回のコースは、西上州らしさを体験できる場所ではあった。結果として楽しかった。








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