虫倉山      1659.2m     小日向山(高松山)    1670m      大出山      1594.2m                                                                                                                                              
     2019.8.31(土)


  晴れ    単独    松沢林道ゲートより時計回りに周回    行動時間:5H18M


@松沢林道ゲート5:04→(29M)→A1170m破線路入口5:33→(41M)→B1450m鉄塔6:14→(38M)→C虫倉山6:52→(33M)→D星糞峠7:25→(49M)→E小日向山三角点8:14→(6M)→F小日向山最高所8:20〜25→(24M)→G1524高点鉄塔8:49→(22M)→H1560m林道終点鉄塔9:11→(5M)→I大出山9:16〜20→(38M)→J1200m林道に乗る9:58→(24M)→Kゲートに戻る10:22


   
@1040m付近。ゲートあり。駐車余地は泥濘だが、5台分ほどある。 @車輛に関しての注意書きがある。 ゲートの先すぐに大きな山の神がある。 送電線下に貯木場がある。現在進行形でさぎょうがされている。
       
状態のいいカーブミラーが続き、その新しさにやや違和感を抱く。 A1170m付近。破線路の入口。林道を1.5kmポストまで進むと行き過ぎ。 1210m付近。本道はカーブするように見えるが、まっすぐの道を選ぶ。沢を跨ぐ橋あり。 流れを跨ぎながら進む。
     
破線路の場所だが、道形は見えない。 西側の斜面を這い上がると道形が走っていた。 左の写真の場所から、さらに上に進み尾根に上がると明瞭な道形が通っていた。 道形が尾根の西へ進むので取付く。
       
林道が横切り切通になっていた。 この尾根はフシグロセンノウのみが咲いており点々と見られた。 B1450mの鉄塔。 少し巡視路を伝ったが、ゴーロ帯で不明瞭。
       
1470mで林道に乗り上げる。西に進んで尾根に取り付く。 1550mでまた林道が横切っていた。また西に進む。 林道がカーブになった場所から南東に進む。1570m付近。 1590mで道形は南に進んでいたので、ここで南東に虫倉山を目指す。
     
C虫倉山山頂。三角点の場所にテープのみ。 C笹の中に三角点。 C虫倉山三等点。 虫倉山の南側
     
虫倉山の西側は安山岩の露岩が点在する。これらが茅の中に隠れているので躓き易い。 尾根筋には獣道がある。 林班のマーキングが賑やかなピーク。 黒曜石の遺構を発掘している現場。
   
採掘現場に熊が居た。 D星糞峠。 D大きな東屋とトイレがある。 実線路がカーブする手前、沢が横切るところから南に進む。
     
1570m付近。西側から道形が上がってきていた。 1590m付近。また別の道形が横切る。 1620m付近。カヤトの原を進む。やや深い。 獣道を伝うと頭まで没する場所もある。
     
E小日向山三角点の場所には白い標柱が立つ。 E標柱が無かったら見つけ辛かった。 E小日向山二等点。凄く彫り込みが浅い。 トリカブトの群落。
   
こちらにも露岩が多い。左の岩で休憩した。 F小日向山(高松山)最高所。 F小日向山最高所から見る三角点側。 F小日向山でヤキソバパン。
        
小日向山三角点再び。 小日向山三角点から見る大出山。 1620m付近。カヤの植生が終わり歩き易くなる。 1550m付近で林道終点に出合い、この先は林道を進む。ここは水が湧きだしており得られる。
       
G1524高点南の鉄塔。 松沢林道に出合う。 中部電力の立派な巡視路道標。 H1560m林道終点と紅白の鉄塔。
       
1570m山頂直下。樹林帯下の方が植生が薄い。 I大出山  I大出山三等点 I標識はこれのみ。
       
I立派な東屋。マイナーピークなので、やや不釣り合いな設備。 I西から見る東側。 Iこれが下がっていた。 北東尾根1550m付近からはゴーロ帯で歩き辛い。
       
1430m付近。快適な尾根になる。ナミナタ沢を挟んでの対岸で砕石工事がされている。 J林道に降り立つ。  J尾根最後の崖。何とか降りたがザイルがあれば楽。 寄倉沢の流れは美しい。 
       
ナミナタ沢から東に進む林道は廃道となっていた。  橋も無くなっていた。渡渉。 Kゲート前に戻る。撮影側全体に駐車可能。行き過ぎると橋が無い沢となるので注意。 K到着時に閉まっていたゲートは開門していた。




 長和町では最後になるが、大出山が未踏になっていた。調べると東屋が山頂に設置され、整備された山のよう。しかし登山道が見えてこない。主尾根となるのが北尾根であるが、以前は快く受け入れてくれたキャンプ場も、ハイカーの多さからか最近は対応が違ってきているよう。違う形でアプローチしよう。

 
 長和町に合併する以前は、和田村と長門町が存在した。エアリアマップを見ると、その町村界上に虫倉山と小日向山が存在する。小日向山の方は、最近の地図では高松山と表記されているようではあるが・・・。大出山とこの二座を抱き合わせにしようと考えた。最楽は、星糞峠まで車を上げてしまう事だが、これだと軌跡が淫らできれいな一筆書きにならない。登頂にも拘るが軌跡にも拘る方なので、三座を結んだ中央部の、松沢川沿い林道からアプローチすることにした。

 
 地形図を見ると、松沢川沿いを実線路で詰めてゆくと1170mから破線路が始まり1400mまで続いている。そのまま突き上げれば虫倉山であり、これを使ってみたいと思った。いつものように衛星画像を確認すると、驚くかなドレッドヘア(縞模様)かと思うほどに幾重にも道が見える。杣道で間違いないようで、道の多さは林業が盛んだと裏付けられる。同じ盛んな場所に木曽地域があるが、その比でないほどに作道した道が見える。百聞は一見に如かずで、一度ご覧あれ。迷路のようである。

 
 1時家を出る。20分ほど走ると、ハイブリッド異常のインジケーターランプが点灯した。もう20万キロになるのでそろそろかと思っていたが、とうとうその日が来たようだ。バッテリーの劣化であろう。そのままガソリン車として走れるだろうけど、折角インジケーターがアナウンスしてくれたのだからと、一度家に戻り車を替えて再出発する。出だしがこんな感じだと、今日は踏めないのでは、事故でもあるのではとマイナス側に考えてしまう。でも、守りに入らないのが私。

 
 1時40分、荷を積み替えて再出発。雨に打たれながら254号を諏訪に向け進んで行く。大和橋のY字路を右手に入り中山道を進む。遊湯パークを左に見たら、次に出てくる信号のある交差点を左折する。この先は「かどや自然園」へと導く道標に従う。この道標が無かったら、各分岐点をすべて間違えて進んだだろうと思う。本道と思える逆側へと進む分岐が多かった。そしてそのかどや自然園への最後の分岐を左に見たら、その先でダートになり分岐となる。本道は松沢川を跨いで左岸側へと進むように見える。しかし、地形図に見える二重線路は、枝道に見える側で、太い方の道を右に見送り狭い側へと進んで行く。ダートと舗装路が入り混ざった道で、あまり状態がいいとは言えない。普通車だと入らない方がいいだろう。そこを四駆にしてトラクションを確認するように上がって行く。何処まで入れるのかと気にしていたら、1040mの分岐点で南側への道はゲートされていた。西へ向かう道に入ってみるも、泥濘地形でスタックしそうでバックで引き返す。この時はゲート前に1台分の余地と判断し、通過に邪魔にならないよう停めた。

 
 夜が白みだしたので準備をしだす。ゲートに掲示されている注意看板を読むと、車両に対してのみの通行制限が書かれていた。西側の足元には、「松沢林道起点」と書かれた紅白の標柱が見られた。5:04行動開始。ゲートの東側は通過が困難で、西側をすり抜ける。するとすぐに大きな山の神が西側に在った。お参りをしてから先に進んで行く。林道の両側には最近の伐採痕が続く。土曜日なので作業があるだろう。停めた位置で作業車の邪魔をしないか心配であった。

 
 1090mの送電線下平坦地が貯木場になっていた。大型の重機が見え、作業看板からは2020年の2月いっぱいまで作業がされると書いてあった。飯場を左に見て先に進むのだが、林道に設置された各カーブミラーがいやに新しく違和感を抱く。そんなに状態のいい道ではなく、ソフトボールくらいの石がごろごろしており、セカンドギヤで走るのが適当な路面状態であった。

 
 1170m(1180m)からの破線路入り口は、“ここなんだろう”と現地で判断できるような場所だったが、流れのある南の地形周辺が水線の入る地形図通りとは思えず、さらに先に林道を進んだ。1200m付近まで進み松沢の左俣が林道に近接してきたので、やっぱり先ほどの場所と判断できた。何年も車が入っていないような印象の林道幅で、破線路の場所は奥に続いていた。

 
 1210m付近では小橋で右岸に行くように分岐している。その分岐している方が太く見えるが、左岸の薮化した道を選ぶ。まだ林道幅の道形が確認できるが、左岸にあった道形は沢の中に降り流れを跨ぐようになってくる。3つほど跨いだら、その先はもう道形が有耶無耶になるほどに荒れていた。なんとか歩けるほどの場所までと進んだが、倒木が多くなった場所で西側斜面に這い上がる。獣道があり、獣に従ったとも言える。すると、何のことは無い川面から10mほど上に林道幅の道が走っていた。この道も植生が濃くなったのでさらに西の尾根に這い上がると、見事な林道幅が尾根上を走っていた。途中では気が付かなかったので、尾根の西側から上がって来れたようであった。

 
 道形が尾根の西側に逸れる場所から、道形を離れ尾根に取り付く。しかし20mほど先で切通のようになっており道形が西から東へ入り、見える位置で行き止まりになっていた。尾根上をさらに進む。この尾根には、フジクロセンノウのオレンジ色が目立っていた。これしか咲いているものは無かった。この上には鉄塔があり、この尾根には巡視路があると思ってきたが、尾根上にはなかった。先ほど西に逸れて行ったのがそれだったか。ただ、巡視路道標は一切目にしなかった。

 
 1450mの鉄塔下に出る。北に進むと道標があり12番鉄塔だと判る。13番を示す東側への道を伝ってみるが、一帯はゴーロ帯で、その中に道があるのでよく判らなかった。上を目指して九十九を切りながら適当に上がって行く。すると、1470m付近で林道が横切っていた。東側は行き止まり(終点)、少し西へ進んで小尾根に取り付く。4分ほど斜面と格闘すると、またもや林道があり、先ほどと同じように東は行き止まりで西に伝ってゆく。すると1570m付近で尾根を巻き込むように切られており、そのカーブの場所から林道幅を離れる。もう出てこないと思ったら大間違いで、歩いてゆくとまたまた出くわした。これが衛星画像で見た場所の現地であった。間違いなく網の目のように道形があるようであった。

 
 1590mで虫倉山の西側に道形は向かっていたので、ここで南東へと笹原を登って行く。前夜の雨が笹に残り、それが纏わりつき負荷になっていた。色々想定してワークマンの雨具を地下に履いていた。新しいので撥水性は最高だが、ゴアではない。でもこれが意外と蒸れずに役目を果たしているのだった。秋の気配が出てきたから使えていたのかもしれない。真夏であったら蒸れてダメだろうとは思う。

 
 虫倉山登頂。標識があるものと思い込んできたが、三角点の場所には古いマーキングテープしかなかった。三等点は探そうとしないと見えないような感じに笹の下になっていた。南の方が明るいので寄って行く。南はカヤトの植生があり、展望があるのかと思ったが、それらに遮られていた。ひたすら南進してきたここまでだが、90度曲げて西進に変わる。これまでが分けるようなものが無かったのでそう思うのだが、ここからのカヤトの原は鬱陶しかった。場所を選ばないと頭まで没するような場所もあり、常に泳ぐようにして進まねばならなかった。そんな中に安山岩の露岩があり、大きく遠くから目視できるものはいいとして、サッカーボール大のものがカヤの中に隠れており、足場を見定めて進まないと予期せぬ段差となり躓くこともあった。展望としては、樹林帯から出ると南側の車山側が開け草原を歩いている雰囲気になる。

 
 カヤの場所が終わり尾根が細くなると、一筋の道形が続いていた。メインの利用者は獣だろう。途中の高みには林班の境なのだろう、マーキングがたくさん縛られ、南側の斜面にも降りて行っていた。この場所の北側には山ぶどうが在るようで、あちこちに蔓延っているのが見られた。道形は途中で南側へ降りて行っていた。そのまま西に尾根を進むが、ここには道形は見られなかった。降りて行く先に何か見えてきた。最初、ここが星糞峠だと思っていた。

 
 ”星糞峠は工事しているんだ”と降りたって思った。土嚢がたくさん詰まれ鉄板がたくさん敷かれていた。そんな中に深く掘れた場所があり、通常の土木作業じゃないことが判った。付近にあった解説表示から、ここが黒曜石の採掘遺構だと判り、それを発掘していることと理解できた。重機のようなものは見られないが、飯場が設けられていた。ここには白熊が居て、人造なオブジェと判っていても大きさがリアルでドキッとした。黒かったらもっと驚いたかもしれない。散策路を西に下って行くと、そこが星糞峠であった。立派な東屋とトイレ施設があり、ここにも工事の関係だろうプレハブ小屋が置かれていた。ここから、北西へ延びる林道に入って行く。ここもほとんど利用されないのか野草でぼうぼうになっていた。

 
 北に進んで行くと1551高点の南を巻き込んで行くような道形も分岐していた。林道幅は地形図通りに続き、1560mで屈曲するのだが、その東側に小沢があり、その脇に獣道があり南に入っていた。一帯は大きなシダ類があり、それらを避けながら進んで行くと、1570m付近でまたもや林道に出会う。北側から入ってきていた。跨ぐように進むと、1590mでさらにもう一本入っていた。この先で一度樹林帯の中に入り、抜け出るとまたカヤトの原が待っていた。密な植生の中にはシカだろうか獣道があるのだが、やはりここもそれを伝うと没してしまい反って歩き辛くなった。足場を選ぶように土地が高くなった場所を進み、植生の弱い背丈の低いカヤの場所を選んだ。

 
 小日向山の三角点の南東には、2mほど離れて白い杭が立っていた。それが10mほど離れた位置からも見えたので三角点の場所が判った。無かったらどこも同じようなカヤの原で探すのにもう少し時間がかかっただろう。三角点は彫りこみが極めて浅く、ここまで浅いのは初めて見るかもしれない。西に高みが見える。地形図にもそう書いてあるように西端に最高所がある。西に進むが、三角点近辺が深く最高所との三分の二くらいの距離に獣道が走っていて、このおかげでここは伝いやすかった。後半の三分の一はカヤは薄れて負荷は無かった。

 
 小日向山最高所到着。こちらにも標識類は無かった。少し西側に行くと、こちらは勾配のある斜面のなのでその分展望が開ける。142号の車の流れを確認できる位置でもあった。東側に戻り直下にある大きな安山岩の上で休憩とした。暑くもなく寒くもなく涼やか。周囲にガスが降りており展望が優れなかったこと以外は満足できることばかりであった。残すは大出山。小日向山三角点からは尾根を取り違えるとゲジゲジマークの場所に突っ込んでしまうので注意が必要であった。

 
 最高所からの復路は、少し南に振ってみた。途中までは良かったが、深くなるので尾根側に戻り獣道を伝った。三角点の場所から北東に降りてゆく。カヤトの植生が終わるとなんと歩き易い事か・・・。ただし西に寄り過ぎないようにと意識していたら、東に寄りすぎてしまい、実線路の林道幅の場所に降り立つつもりが、もっと東の1540m付近の破線路に出合った。ただしこのおかげて林道終点地の様子が判った。湧水地で冷たい水が出ていたのだった。この付近も道形が追加されたのか、九十九を切って林道が降りていた。途中右からの道が合流したので、それが書かれている道のようであった。

 
 1524高点南で送電線を潜り、野草の茂る林道幅を進んで行くと、1510mの分岐で広い林道幅に出合う。鋭角に曲がるようにして上を目指す。1564高点峰も何か名前があるのか、向かうマーキングが見られたが、横目に通過してゆく。そして1560m地点で林道の終点となり、その先にデンと紅白の鉄塔がありこちらを見下ろすように立っていた。林道の延長線上に駆け上がり笹原を進んで行く。ここからは高木のある中の方が植生が薄く楽であった。

 
 大出山登頂。ここにはオレンジ色の標識が打たれていた。三等点の西側に、似つかわしくない東屋がある。登山道があり、ハイキングの休憩場所としてであればいいのだが、マイナーなこの場所になぜにあるのだろう。そう思わせるものであった。そして陽の入らない場所で、東屋はそもそも・・・必要ないような・・・。その東屋だが、よくよく蜂が巣を作っていることがあり、耳と目で察知するようにしつつその中に入った。東屋の先の西側の尾根に薄っすら踏み跡が見える。年に数えるほどの人が北尾根を登るのだろう。3kmほどの尾根筋なので作道すればいい登山道として利用できるはずである。そうしようと思っての東屋だったかも。

 
 大出山からの下山は、いろいろ悩んだが北東尾根を降りることにした。ここは北北東にもう一本あり、誘い込まれないよう注意が必要であった。南の林道を戻る選択もあったが、それはとっても味気ない進路と思えた。北東に降りてゆくと。山頂からのその斜面は一帯が角の立ったゴーロ帯で、動くものや隙間も多く、けっこうに神経を使った。1510m付近からの進路はうまく北東尾根を選べた。北のナミナタ沢を挟んだ対岸では大きな掘削工事の音がし続けていた。できることなら東寄りで林道に降りたいとは思っていた。ゴーロ帯が終われば後は楽なのだが、何か所かは急峻地形が待ち構えており、横ばいのようにして降りてゆく。そして・・・。

 
 尾根の末端は崖になっていた。すんなり降りられるような地形図表記ではあるが、最後が切れ落ちていた。ザイルを持っていたので困ることは無かったが、持っていなかったらここでドキドキするだろう。ザイルを使わず降りられないかと場所を探すと、尾根末端の崖の上から南に細い獣道のようなバンドが在った。伝うにもかなり注意が必要で、ちょっとでも足を滑らせようものなら、だいぶ痛い思いをする場所であった。灌木があるので掴みながら降りられるが、安心して掴み進めるスパンでは生えていなかった。降り立ってから見上げるも、登りたいとは思えない岩肌であった。

 
 林道を東に進んで行くと、掘削現場からのワゴン車が追い越し、ブレーキランプが点灯した。なにか注意が入るのかと構えたが、運転手は柔和な顔の方で、「このあとダイナマイトを使った掘削があるので注意してください」と告げられた。時間が決まっているだろうから「何時からですか?」と聞くと、「1時間後くらいです」と言う。「30分以内には車に着いて山を降りますから大丈夫です」と返す。水線が書いていないが寄倉沢は見栄えのする沢であった。水を得るならその西の沢の方が林道から近かった。

 
 北進になりナミナタ沢付近の複雑に交差する実線路の場所となる。T字路があり東に進めばと思って歩いていたが、付近の様子は大きく違っていた。寄倉沢からの林道は書かれているより西側を現在通っていた。そしてナミナタ沢に沿う道は見えてこなかった。T字に出合うものと思って歩いていたが、出合うことなく東に向かいだした。おかしいので1070mのカーブまで戻り東の藪の中に入ると、そこに道形が在った。北に伝うと地図通りのT字路となり、東に向かう。しかしここも少し違っていて、沢を二本跨ぐように書かれているが、道は北にオフセットしていて一本跨ぐように切られていた。でもしかしそこに橋は無かった。両岸に基礎となる石垣は見られるが、橋脚の丸太が二本架かるだけで、それで渡れるものではなかった。その為か、たまたまか、15mほど下流に大きな丸太が対岸へと渡っていた。上流側をジャブジャブと渡る。右岸に這い上がると、その先がゲートの場所でスタート地点に戻った。廃道となっていることから、ゲート前の分岐から沢までの間には大分広い余地が出来ていた。閉まっていたゲートは開門していた。

 
 振り返る。今回は植生の濃い茂っている季節で歩いたが、秋以降や春先であれば、もっと楽に歩けただろうと思う。北の赤倉の森オートキャンプ場がある尾根末端から入山で反時計回りでも面白いだろう。プラス3時間ほどみればいいだろうか。一日使うならちょうどいいコース設定となる。おっと、「藪好きな人には」と付け加えないとならないか(笑)。

 










 
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