オウミ山 818m 雨宮山 823m
2019.11.16(土)
晴れ 単独 漆萱地区を基点にCCWで周回 行動時間:3H32M
@440m付近余地6:33→(2M)→Aリンゴ畑上の分岐6:35→(6M)→B砂防堰堤6:41→(23M)→C680m峰7:04〜06→(7M)→D699高点峰7:13→(9M)→E800m峰(東)7:32〜33→(10M)→F800m峰(西)7:43→(11M)→Gオウミ山7:54〜8:03→(67M)→H雨宮山9:10〜16→(5M)→I高石峠9:21→(40M)→J林道起点分岐10:01→(4M)→K戻る10:05
@漆萱地区北側、小坂川右俣右岸の駐車余地からスタート。440m付近。 | 実線路を北に進むと民家で行き止まり。その手前に分岐がある。二つの道に挟まれた土地はリンゴ畑。 | Aリンゴ畑上の分岐。左の道を選ぶ。 | A分岐点は開けていて妙義側がよく見える。モルゲンロート。 |
B谷を伝う道形の終点は砂防堰堤の場所。 | 西側の尾根に乗る。 | 共同アンテナが立っているが使われていない。 | 670m付近。直下。 |
C680m峰 | C680m峰から見る妙義山塊。 | C中之嶽神社の駐車場と同標高に見える。 | C星穴岳 |
680m峰の北側は、急峻のガレ。 | 680m峰の西にも地図に載らない岩峰がある。 | 左の岩峰の北も急峻のガレ。 | 鞍部まで進むと植林帯尾根でたおやか。 |
D699高点峰。展望は乏しい。 | 800m峰(東側)の東尾根は急峻で南に逃げる。 | E800m峰(東側)は大展望の場所。 | E境界標柱がある。 |
E800m峰から北西 | E北東 | E東 | F800m峰(西側) |
西側の800m峰の北側鞍部から先はヤセ尾根。 | ゴジラの背のような尾根。 | そしてしだいにステゴザウルスの背板のような露岩が・・・。 | 伝ってきた場所を振り返る。壁の下は垂直に切れ落ちている。 |
笹枯れが見えてくると、この先は山頂まで安全地帯。 | Gオウミ山登頂 | G人工物はこの絶縁テープのみ。 | Gオウミ山でヤキソバパン。 |
Gオウミ山から星穴岳 | 720mの岩壁 | 740m峰は東に巻き道あり。植林帯。 | 740m峰には角錐形の境界標柱が埋まる。 |
740m峰から見るオウミ山側。 | 670m付近。急峻。 | 710m付近。急峻。 | 810m付近で雨宮山の西側の肩に乗る。 |
H雨宮山到着 | H元禄六年製の石祠 | Hイデミ標識の作者がここにも。 | HフジオカTK氏の標識。 |
雨宮山の東尾根 | I高石峠。実際はもう少し北側。 | I峠から西北西に降りてゆく道形。 | 740m付近で谷を跨ぎ、左岸側歩きになると、その先で道形が明瞭になる。 |
峠道らしい道幅となる。 | しかし進んで行くと道形が分かれており迷う。上の道を選ぶが違うようで、下側の道を伝。 | 林道幅の道形に乗る。 | 作業小屋の中には時計型ストーブがある。この付近はコンクリート舗装してある。 |
舗装林道に出合う。 | 出合った場所を麓側から見る。左の看板の方から出てきた。右の道。真中への道。左への道。変則四差路。 | 林道幅が全て落ちていた。 | 石組みの堰堤は見栄えがする。この時は周辺の工事中だった。 |
J集落内に戻り林道入口の分岐。 | 東尾根に見られる取付き歩道。林業作業の道のよう。ここから入山してもいいだろう。 | K駐車余地に戻る。 |
「おうみ」と聞くと滋賀県の近江を連想する。西上州にもなぜかオウミの名がつく山があり、妙義山系の南南西に存在する。この単独座のみだったら、北麓を使って周回路を考えるのだが、御堂山の西にある雨宮山が未踏になっており、2座を抱き合わせにすると、漆萱地区を基点にするといい感じに周回路が出来ることになった。699高点のある東尾根を登って、2座を踏んで高石峠に達すれば、綺麗ににイチョウ型の軌跡が描けるのだった。ただし峠からは谷沿いの林道で、ここでも19号の影響が予想できた。
ここ何週も西上州ばかりであるが、避けられない制約があるので致し方ない。でも西上州連投でも全く飽きない面白さがある。近くにこんな場所があるのは恵まれているとしか言いようがない。そして灯台下暗しにならないよう、近場をよく歩いておきたい。エアリアマップの西上州を担当した打田さんは、東毛から足繁くよく通ったとも言える。
下仁田側から妙義山へと登って行く道を進む。小坂川に沿って進むと、漆萱地区で西進路が南進に変り勾配が変わる。そのわずか手前から西に進む枝道がある。左俣の方へ進む道で、すれ違いが一切できない狭い道を経て、橋を渡った先で分岐となる。左に見える道が高石峠に至る道で、ここは右折して北の実線路側に進む。駐車余地が乏しく、その場所を探していたのだった。北進してゆくと440m付近に2台停められるほどの余地があった。その先に進むと民家となり行き止まりだった。偵察に来て良かったのは、民家への道から分岐する西へ上がって行く道が見えた。これで取付こう。440m付近の余地に停める。
6:33行動開始。東尾根の末端付近にも取付き路が見られた。檜の植林帯の中に切られているようで、本当はこちらを伝ってもよかった。それよりも明瞭な道が北に存在し、この方が楽なじゃないかと判断したのだった。分岐から登ると、その北側には既に葉を落としたリンゴの木が並んでいた。そのリンゴ畑の上まで行くと、枝分かれする西南西に進む道があった。これに入って行く。この分岐からの妙義側の景色は美しく。ちょうどモルゲンロートとなりどこが紅葉か判らないほどに赤く焼けだしていた。
谷部に切られた道形を進んで行く。途中で道形は有耶無耶になり、探すように上を見ると人工物があるのが見えてきた。近づくと、こんな場所に砂防堰堤が造られていた。道はその作業道だったのだろう。堰堤の上側は道形は無くなり適当にザレ斜面を上がって行く。西か東の尾根に乗った方が得策で地形を探っていると、獣道が西側に走っていたので、それに乗って西の尾根に乗る。乗った場所は560m付近であった。
乗った尾根は699高点峰の南東の高みに突き上げる尾根で、この尾根には道形らしきものは無かった。しかし570m付近から同軸ケーブルが流してあるのが見られ、上に共同アンテナがあることが予想できた。尾根は次第に勾配が増し、時折見え隠れする同軸ケーブルを掴みながら登りたいほどでもあった。麓集落のライフラインの一部と理解し当たらす触らず登って行く。そしてアンテナはピークではなく尾根の途中に立っていた。そして何のことは無いケーブルのコネクタは外され使っていないものだった。東側には以前の八木アンテナが使用済みとして転がっていた。登って行くと、右側に突峰が見えてくる。699m峰である。見るからに展望の良さそうな場所に見えていた。
680m峰に上がる。ここも妙義側の展望台的場所で、若干の遮るものがあるが概ねいいと判断できる。そして中之嶽神社の駐車場が目線の先に同標高に見える場所でもあった。星穴岳の下の射貫き穴だろう、抜けた穴を確認することもできる。このピークの北側は角の立った岩が並ぶガレた急斜面で、安全通過ならザイルを流した方がいいような場所であった。危険個所はここだけかと思ったら、わずか西にもう一つ岩峰があり、ここも同じような北斜面で気を使いつつ降りてゆく。鞍部まで降りてしまえばその先は檜の樹林帯の中の尾根で歩き易かった。
699峰は下から見たのと現地は異なり、展望のないピークであった。ここに来て初めて地面に赤い杭が見えだす。西側の800m峰へは、その東尾根は急峻過ぎ、南側山腹を利用して上がってその上に立つ。ここは南側の180度が開けた場所で、大展望と言える景色を見させてもらえた。地面にはコンクリートの境界標柱が埋まっていた。ここからの西進は不安要素は無く快適尾根が続き、西の800m峰は先ほどに相対して展望のないピークであった。ここには好事家の絶縁テープが巻かれていた。オウミ山はもうわずか、進路を北に振って進む。
818高点に向かう尾根は南北に細いものの幅は十分あり、等高線読みでは25mは最低あるように見ており安心していた。しかし現地は、西の800m峰を降りた鞍部から先で、ゴジラの背のような場所となり、次にステゴザウルスの背板のように岩が連なり危険極まりない場所となっていた。そこから両側を見ると、30mほど切れ落ちているように見えた。足許が抜け落ちやしないかと思いつつ慎重に足場を探して進んで行く。ただ少しこんなドキドキが楽しかったりする。地形図にはゲジゲジマークになってはいないが、記載されてもいい岩壁が西側に見られた。もしかしたら尾根上だけで、上からだけそう見えたのかも。笹枯れの場所が出てくると、その先オウミ山まではたおやかな尾根であった。
オウミ山登頂。西の800m峰で見た絶縁テープがここにも巻かれていた。紅葉を終えた枯れ葉が展望を遮っていたが、落ち切ってしまえばそこそこ見られる場所のようであった。弧を描いて右にカーブしてゆく尾根の肩の部分が展望が良さそうなので降りて行くも、楽しめるような視界は得られなかった。ヤキソバパンを掲げ、まず1座登頂。次の雨宮山へと向かう。
復路は西の800m峰は頂部を通らず南側山腹を通過してゆく。でも上を通過した方がスマートのようで、微細尾根が3つほどあり、南に進む尾根に乗るまで少し長く感じた。地形図に記載されている720mからの岩壁は、ここは記載通りの大岩壁となっていた。それを右に見ながら進み750m峰は東に巻き道が在ったので伝って進む。植林帯なので、その作業道のようであった。南に進むと740m峰もあり、ここも東側を巻いて進み展望がよさそうに見えたので登頂してゆくと、先ほど居たオウミ山と800m峰が間近に見えていた。ここには角錐形の特異な境界標柱が埋まっていた。
660mの鞍部から雨宮山まで160mの高低差であるが、最後のここが急峻で試練となる。「試練と憧れ」は早月尾根の石碑に読めるが、ここは「憧れと試練」と言いたいような場所で目的のための試練が待っているのだった。等高線読みはもう少し楽に思えるが、なかなかの勾配が続く斜面だった。そして810m付近で西側の主尾根に乗る。林班のものだろうマーキングが西にも東にも続いているのが見えた。
雨宮山登頂。小さな石祠が待っていてくれた。標識は二つ見え、イデミで見た設置者と、もうひとつはフジオカTK氏のものであった。TKと言えば小室哲哉さんしか思い浮かばず、このイニシャルを見るたびに小室哲哉さんの顔が浮かぶのだった。祠はどんな年代のモノかと確認すると、元禄六年と彫られており326年前のものであった。そしてもう一つ「根小屋村」と彫られているのが読め、向きも南南西を向いていた。予定の2座終了で、高石峠側に降りてゆく。たおやかないい尾根で続いていた。
高石峠は御堂山の記録から見える場所で標識がある場所と認識していた。雨宮山から東に降りてくると、730mの場所となり、降り立った西側からは鋭角に西北西に道形が降りていた。もう少し東に行くと峠なのかと思い進むも、登りになりだしたので標識は無くなったのかと思い、先ほどの下降路を伝って降りてみることにした。
やや大きく西に振るので違う場所に連れて行かれるのかと思ったが、細く薄い踏み跡は740m付近で主谷を巻き込み、730m付近からはハッキリとした道形となった。しかし5分ほど伝うと道が二分した。標高差15mほどで並行して進むのが見え、上側を選ぶが、尾根を巻き込み北側へ進むような道だった。戻り下側の道を行く。少し灌木が煩い場所を経て植林帯に入ると、林道幅の九十九折が現れた。峠の部分とここまでの経路と、いくつか外していたが結果オーライだったよう。
林道を降りてゆくと小屋が見え、開け放たれた扉からは時計型ストーブが見えていた。付近の林道はコンクリート舗装してあるが、19号の影響だろう大量に土砂が乗っている場所も見られた。舗装は全てではなく地盤の弱い場所のみ施工で、あとはダートとなっていた。伝っているのが本道だと思っていた(実際に地形図記載の本道だった)。しかし目の前にコンクリーと舗装の林道が現れ、見えるその方が本道に見える新しさであった。ここは460m地点で、水線の書かれている側から出てきた形で、コンクリート舗装路は水線の描かれていない方に延びて行っていた。この状況だと、林道からスタートして高石峠に向かう場合、よく地図を見ていないと間違うだろう。この分岐には道標は無く、況してや二つの道の間にもう一本分かれており。変則四差路となっていた。ここから沢沿いの林道を降りてゆくと、林道幅の全てが無くなっている場所があった。沢側を見ると流れが合流する場所のようで、この岩壁に強大な水流の力が集中したようであった。
440m付近には北側に分岐している道もあった。これを見てしまったと思えた。今回は衛星画像で下調べをしなかった。もしかしたら、これを使えば容易く東尾根に乗れたのかもと思うのだった。この分岐からも下流で工事している堰堤が見える。地図に描かれない右岸側の道もあり、右岸左岸で繋がっていたような印象であった。古風な堰堤でコンクリート構造ではなく、石を積んだ仕様で見栄えがした。このすぐ下が、往路に見た分岐点で、左折して登って行くと、駐車余地であった。
振り返る。今回反時計回りであったが、時計回りであったなら、文中に書いた通り林道の分岐点が迷いやすいことと、雨宮山北斜面の急峻の下降が大変に感じるだろうと思う。地形図で数えられるだけで10個のピークがある。実際はプラスアルファがあり、里山としてもそれなりの負荷のある歩きが出来、半日くらいを費やすのに丁度いいだろう。そして妙義側の展望は絶品。奥多摩湖周辺のように、もみじラインを通過する車両からの排気音が煩いが、これからの寒い時期なら走り屋も減り、静かに歩けるだろう。早朝にドリフト族が毎週のようにやってきており、地域住民の気持ちを察したい。