立岩        (1110m)       
                    
                                                  
                                      

   2019.2.23(土)


  晴れ    単独     南より   行動時間:31M


@林道から(立岩基部)6:26→(12M)→A立岩6:38〜45→(22M)→B戻る7:07


   
川上佐久線から見る立岩 @南の舗装林道からアプローチ。駐車余地は、15台ほどは停められる広い場所がある。 @情報が無いので、50mと20mを持つ。 立岩の南の基部。
       
凹凸の多いチャート ホールドは多い 2mほど登った先のチムニー状の先にハンガーボルトが打たれ、70mmほどの鎖の先に200mmほどの細引きが結ばれている。 最初の壁を登ると2.5畳ほどのテラスがある。
     
テラスから登ってきた下側。 灌木には刃物が入れられている。 後半の壁。 壁には2カ所でハンガーボルトが打たれ、それらでセルフビレイしながら登る。
       
下側のハンガーボルトの場所から上。 A山頂(岩上)の西側は特異なコケ類が一面に生えている。 A山頂は広く居心地がいい。見える右側のアカマツが下降の支点。 A最高所
       
A祠(スサノオ尊)は西北西(南相木の集落側)を向いている。 A昭和三年建立。 A南相木側 A立岩湖が見えるのかと思ったら、カラマツが邪魔している。
     
A南 A西 A北西 A北
     
A東 A立岩の上でヤキソバパンが撮影された最初であろう。 Aこの壁をアプザイレン。 上側の壁はおよそ20mくらい。50mで5m分ほどザイルが余った。
   
下側もアカマツが支点。邪魔な枝は折ってある。 やや空中っぽく下がる。 下った場所(緑のザイル)。 B戻る。広い余地がある。
     
結氷しワカサギ釣り師がちらほら見える。 立岩の滝側から見る立岩    




 前週に南相木村に入りゴソゴソと歩き回った。この時、地形図で周囲の情報を得る中で、立岩湖の西側に立岩と言う岩峰があることを知った。南相木村の公式サイトには、高さ60mで岩の上にはスサノオの尊が祀られているとある。と言うことは登路があるのだろうと判断し、情報の検索をする。しかし芳しい情報が得られない。那智の滝のように崇め奉っているので登られないのかとも思ったが、とても気になり、他をさておき登ってみたくなった。

 

 地形図で立岩を読むのだが、等高線の描かれ方が微妙で標高差が見えてこない。自分で正確な標高を確かめてみようと思ったのも目的に一つであった。難しい場所かもしれないが、上手くいけば短時間で登り切ってしまう。どこか他の場所と抱き合わせにしようと、北の無名峰に登ろうとも考えたが、岩の場所を控えた中では、まずは立岩であった。

 

 1:15家を出る。暖かい日でプラスの5℃が佐久の気温であった。小海から南相木村に入り、立岩湖の手前の細い橋を渡ったらすぐに右折する林道に入って行く。立岩の前には広い余地があり、西側には二つパレットが置かれ上には玉切りされた丸太が薪用に積まれていた。夜明けを待つ(3:40)。

 

 余地から立岩の岩壁の様子が見えるようになったころに準備をしだす。細かいピッチで切れる場所なのか、長いピッチの場所なのか、判らないので20mと50mのザイルを持った。岩上の情報も判らなかったことから、スリングもかなり持つ。ザックは不要と判断し、懐にヤキソバパンを忍ばせた。ここで高度計の標高を1080mに合わせ出発する。

 

 立岩はごつごつとしてホールドの多いチャート岩で、ステップ用にくり抜いたのかと思うような凹みも見られる。これらはステップのように都合のいい場所にはないので自然が作った穴と判る。ホールドが多いが、すいすいと登りだせる感じではなく、最初の一歩がよいしょと手足に力が必要であった。取り付きだし2mほど上がると、見上げる場所が狭いチムニー状となり、上の方にハンガーボルトが打たれ、そこに鎖が三つ繋がり、その鎖に輪の長さが200mmほどの細引きが結ばれていた。細引きがもう500mmほど長ければ掴まれるがそうにはなっていなかった。

 

 最初のボルトの場所まで体を持ち上げると、その上には枯れた腕首くらいの灌木があり、それに掴まり体を持ち上げる。上がった場所がテラスの場所で、危険度のない2.5畳ほどに思える広さがあった。西側には乗っているだけと思える、下に空間が見える岩がある。見上げる壁は、垂直ではなく幾分か斜度があるので容易に見えた。それでも角度80〜85度くらいだったとは思う。

 

 テラスから上部の壁を伝いだす。少し上がるとハンガーボルトが二つ見えビレイポイントが作られていた。下側のボルトでセルフビレイし、上側の進路を見定めてから登って行く。予報では雨か雪って伝えていた時間帯もあり、それが曇り予報に変ったので決行にしたのだが、ちょっとでも雪が乗っていたら登攀できなかっただろうと思う。上側のビレイポイントを越えると、その先に大きなアカマツが待っており、そこが立岩の上部だった。意外と広い場所で、祠がある最高所はその広い岩上にさらに岩が乗ったような感じであった。

 

 立岩登頂。祠は確かにあり、中を覗くも何も入ってはいなかった。そして南相木の中心部側を向いていた。この祠のある大岩の周囲は歩け、ぐるっと一周することもできた。ただし場所が場所だけに足の置き場には十分注意が必要で、片足でも滑らせたら公表されている60m下へと落下となる。北側と東側は岩場だが、西側には土が乗りそこに特異な白い苔類が生えていた。南には大きなアカマツが生え、これが下降時の体を支えてくれる木であった。遮るものがなく展望はいい。がしかし、見えると思った眼下の立岩湖は間にある唐松が邪魔して見ることができなかった。

 

 ヤキソバパンを掲げた後、アカマツにザイルを回し末端処理をして壁下にザイルを放る。エイト環に通したらさて下降。こんなに条件のいい場所も少なく、アプザイレンするのにストレスが全くない。景色を上に送りながらテラスまで下る。ザイルを回収するにもアカマツが太いので抵抗が少なく楽であった。次にもうワンピッチある。こちらは岩のエッジにザイルがかかるので少し嫌らしいが、垂直の壁を少し空中懸垂気味に下る。2度ほどポーンポーンと壁を蹴り跳ねるようにした。

 

 着地。本日の山行は終了。あっけないと言えばあっけないが、それは上まで上がれ安全に降りられたから、少し前の一本岩のように登れない場所もある中では、結果オーライであった。しかしアッ!!と思った。最高所で高度計を見るのを忘れ、実際の下からの標高差を確認しなかった。もう一度登ろうかとも思えたが、ザイルワークが面倒なのでここまで。一回目は上手に登れたけど、二回目も同じように登れるかは判らないから。

 

 振り返る。初級的岩練習にはとても適した場所と思えた。ビレイ点もあり条件も揃っている。岩上も広く休憩適地でもある。そんな場所なので、今回は天気が良く風も無かったが、風があったら吹き曝しなので天気を気にして入山する場所だろう。


 

 
                  戻る