編笠山 2523.9m 西岳 2398m
2020.10.31(土)
晴れ 単独 反時計回り周回 行動時間:6H27M
@駐車場5:03→(3M)→A登山口5:08→(183M)→B編笠山8:11〜20→(20M)→C青年小屋8:40〜46→(49M)→D西岳9:35〜47→(103M)→E駐車場11:30
@富士見高原の駐車場から | A登山口 | 五叉路分岐 | 盃流しの中は、暗くてルートが見えず堰堤まで遡ってしまう。戻り大岩の場所。 |
岩小屋 | この表示はボディーブローになる。上の行くほどに数字が速く進む。 | 直線路は脹脛に辛い | 森林限界が近くなりガラ場が現れ、迷犬は難儀して通過してゆく。 |
森林限界を出る。 | 出た場所から下界。 | B編笠山到着。大展望。 | B二等点 |
B南。南アルプス | B南西。中央アルプスや乗鞍岳が見える。 | B西。北アルプス真っ白。 | B北。八ヶ岳の主峰群。 |
B東側。 | B乗鞍岳 | B北岳 | B赤岳。登頂者も見える。 |
B富士山 | Bハムカツパンと | B編笠山から西岳 | B編笠山から諏訪湖を望んだのは初めて。 |
上から見る青年小屋。 | C青年小屋の風貌は以前のまま | Bガラ場で疲れたようでベンチ前でダイブ。 | C青年小屋から見る編笠山。大型犬には辛い北面、そして南面。 |
乙女の水の水量は豊富。 | 乙女の水の在る谷は大崩落で補修されている。一部ロープ場あり。 | 八ヶ岳らしい苔むした地形の中を進む。 | D西岳 |
D西岳から編笠山 | 秋映で水分補給 | 心地いい落ち葉を踏みながら | 不動清水 |
五差路分岐帰り | 五差路分岐の下は、林道を跨いだ先をまっすぐ降りると谷の中に入る。この谷も盃流しの沢と同じように荒れていた。 | ゲート帰り | E駐車場は半分は打ちっぱなしの利用者のよう。余裕があった。 |
犬がゴンドラを利用できるので日光白根の地図を眺めていたが、天気予報が関東圏は快晴のようで、より展望のいい南八ヶ岳に行くことにした。ただし南八ッは犬の歩ける場所は限られる。梯子場などがあるから、そしてガラ場もハードルになる。梯子場の無い編笠山に行くことにしたが、北面と南面のガラ場がある。そこを当家の犬は歩けるのかどうか試してみたいと思っていた。ここが行ければ北アの笠ヶ岳も行けそうに思えるが、まずは小手調べ。
1時20分に家を出る。佐久と野辺山はマイナス2℃だった。南面の旧有料道路を伝って行くと、珍しくカモシカが路上に居た。ニホンジカが居ることは多いが、旧有料でカモシカを見たのは初めてだった。富士見高原に入り最上部まで進んで行くと、登山口付近は工事中となっていた。以前のチェーンゲートの場所には重厚な門扉が設置されていた。戻り登山口駐車場に入れる(2時30分)。天気予報からして混みあっていると思ったが、意外にも閑散としており2台しか停まっていなかった。しばし仮眠。
ゴルフ場への新聞配達の車に反応し、ゴルフ施設のセンサーライトが明滅するように光る。ちかちかとするそれに背中を押されるように起きて準備をしだす。ここでの外気温はマイナス1℃だった。標高差を考慮すると防寒に注力したいが、幸いにも快晴予報、そして無風だった。雨具をアウターとした。降雪もあったはずだが、軽アイゼンを着けるようなら犬は無理だろうから、その場合は引き返すこととしてこの装備は考慮しなかった。
5:03駐車場を出発。工事関係者のトイレは登山者にも開放されていた。ここは夜間でもセンサーライトが点くようになっていた。ゲートを山手側から抜けると登山口標柱のある場所で、道標に従い伝って行く。五叉路分岐からは西岳への道を左に見て編笠山への道を進む。盃流しの場所は、大水の為だろう荒れていて夜間だと進路が判らなかった。堰堤まで進んで行き詰まり、戻りながら探すと、ケルンの場所から渡渉するような道になっているのが判った。昼間であれば問題なく通過できたであろう。左岸側に乗れば、もう迷う場所は無い。
前回(2013年)はここを下山で利用してきたので、ほぼ記憶に残っている。当日を懐かしむように登って行く。標高と残り距離の道標が頻繁に立つが、下側では時計の進み様と表示の減り方が合致しているが、残り2時間を切る辺りから道標の数字が早く減るようになってゆく。直線的な登りの場所もあり、マイナス気温で強張っている足には酷な通過点だった。
シラビソの高木の中を登って行くと、少しづつ空が明るくなり次第に木々の高さが低くなってゆく。森林限界が近いことが判り、進路に岩が現れだす。最初のその場所で、既に迷犬は通過できずにクンクン鳴いていた。前途多難で最初からダメとは、この上側ではもっと大変になる。撤退もあるが、進んで慣れさせ訓練させるのが当家の教育手段。安全を思えば撤退で間違いないが、やらせないと身に着かないこともある。そしてそんな後に出来るようになった時は嬉しい。33.5kgを抱き上げ上の石に送ってやる。その先はしばらく飛び越えていたが、森林限界が終わり本当のガラ場の下に出るまで3度ほど抱き上げてやった。
さてここからが本番。よくよく足場を選ぶが、人間には進めても犬には無理な場所は多い。東のハイマツの方へ逃げたり、上がったり下がったりしながら適当な場所を乗り越えてゆく。途中で迷犬も悟ったのか、無理して登るようになってきた。学習したようで、連れる側として少し楽になる。それでも森林限界から上でも3度ほど抱き上げ通過する場所があった。岩にはアイゼンの跡が残り、リッジ状の岩の場所などは、肉球だけでグリップさせ通過するのは酷であった。中型犬などの体の軽い犬ならまだいいだろう。大型犬の体重で抜けてゆくには、やはり酷に思えた。それでも飼い主に離れまいと必死に着いてくる様子が健気であった。上にカメラを構えているハイカーが見えてきた。
編笠山登頂。大展望で、まず正面に見える南八ヶ岳の主峰群が目に入った時、感嘆の何とも言えない息が漏れた。いや息を吸ったのかもしれない。そして振り返ると南アルプスの展望があり、少し左(東)に富士山の雄姿があり、右(西)に逸らせて行くと、中央アルプスから乗鞍、そこから北アルプスの連なりがあり、槍の姿まで確認できた。でっかい天気とはこのことを言うのだろう。今日ここに登ってよかったと思えた。山頂には4名居り、観音平からの登路から次々と登頂者が現れた。
岩の山頂部で迷犬は腹ばいになれずに、登頂したものの居心地が悪そうにしていた。ここから諏訪湖を望んだのは、望めたのは初めてかもしれない。いろんな場所がしっかり見えていた。さすが秋の澄んだ空気。ゆっくり長居したい展望であったが、西にもう一座待っている。そして新型コロナを思うと、山頂の密は避けたい。ハムカツパンを分かち合ったら青年小屋へと降りて行く。
編笠山からの北面は上側は楽々通過だが、中盤以降でまたもガラ場が待っている。迷犬は慣れたのか、通過は酷だろうと思える場所も、上手に通過している。これならもう大丈夫などと思ったら、頭から岩穴に落ちて抜け出せなくなった時もあった。まだまだ鍛錬は必要。多分、頻繁にここの登りを体験させれば、補助なしに通過できるようになるだろう。全ては経験。
青年小屋到着。まだ早い時間ではあるが、各方面からの到着者が地図を広げながら休憩していた。迷犬は疲れたのかラブランコ前でダイブするように寝そべった。小屋の外観は、7年前と、もっと言うと21年前と何ら変わっていない様子であった。昔のままで味わいのある小屋で推移していた。そして私はこの小屋の中に一度も入ったことがない。西岳へと向かってゆく。
テント場には一張り見られ、細い山道をたらたらと進んで行く。水場へ導く道標が残り時間を減らして行く。そして前方に人影が見え、その人影がジャンプしたのが見えた。次の瞬間、「あーびっくりした」と聞こえた。迷犬をクマと間違えたようだった。リードはしていたので離れていたわけではないが、驚かしてしまったことを詫びる。その男性からは「ヤマレコに載せるかもしれませんが、写真撮らせてもらえますか」と言ってきた。リードを開放し単身被写体にしてあげる。今日は小屋の所でも愛犬家が居り撫でられた。この男性も犬が好きなようで撫でてもらえた。
乙女の水は、汲むのに十分量流れていた。しかしこの谷筋は大崩落があったようで、寸断された登山道が、ロープ場も擁して再構築されていた。以西は八ヶ岳らしい苔の中のルートで、秋でありながら緑が鮮やかで心地いい。苔には適期ってのは無いのだろう。冬季だって雪が無ければ発色がいいのだから。
西岳到着。御夫妻らしき方が休憩されており、こちらに山頂を譲るように富士見側へと下山して行った。ここも展望はいいが、編笠岳を体験してしまうと、ここの展望はかなりグレードが落ちる。南に同じ南アルプスが見えるが、若干の角度違いで編笠山からの展望の方が勝る印象であった。持ち上げた秋映(リンゴ)で水分補給し、あとは下るだけ。下ろうかと思ったら東からハイカーが現れ、撮影を頼まれる。出されたのはスマホだった。先ほどヤマレコと言った方もスマホだった。記録写真と割り切った使い方なのだろう。そういう意味では、私もスマホで十分なのだが・・・。
西岳を後にして南面を降りて行く。10時頃となり、すれ違うハイカーの数も多くなる。都度迷犬を座らせ通過させる。これを定着させたら、迷犬もすれ違い者が見えたら自ら座るようにもなった。そして以前に対し、苦情を聞くことが無くなった。たまたまもあるが、こちら側の自助努力の結果でもあろう。中には「撫でさせてと」ひたすら撫でている人もおり、迷犬の大人しさが幸いして、この日は好意的に見られていた。
やや速足で降りて行ったので、先行しているご夫妻に追いつくかと思ったが、追いついたのは不動清水の場所であった。ここも美味しい水が流れ出でており喉を潤す。五叉路分岐まで戻り、その下側で西にルートをオフセットせねばならないところを、そのまままっすぐ下る道に入って行く。沢筋に入って行くルートで、ここも荒れており、沢に降りる場所はロープが敷設してあったが、下側の踏み跡は見えなかった。沢の中を伝って降りて行くと、塞ぐように黄色いテープが流されていた。下から入った人用なのか、上から降りてきた人用なのか、対岸へ移る渡渉点なのか、3つの想定をしたが、どれとも思えぬものだった。
沢筋が林道に出合い。右に林道を伝う。ここは往路に西にオフセットした場所で間違いに気づき東に戻る。下降点から降りて行くと前方にゲートが見え、登山口に降り立つ。西側の沢筋では、大々的に護岸工事がされており、大きな音が響いていた。ここも19号台風の影響だろうか。災害であり負の要素ではあるが、土建業者にとっては天からの恵となろう事かも。
駐車場は8割ほど埋まっていた。ゴルフの打ちっぱなしの施設に人影も多いので、半数はゴルフ、半数はハイカーの車だろう。諏訪ナンバーと山梨ナンバーが多く停まっていた。3回目の編笠山だったが、何回登ってもゴツゴツしていた(笑)。