ほたる山 (小山・小太郎山)       354m     御岳山 (兄倉山)       576m 

    
                                                                                                                                          
   
                                                                                                         
    2020.3.22(日)


  晴れ     単独     ほたる山公園から      行動時間:1H28M
                


@駐車場6:07→(9M)→Aほたる山6:16〜18→(5M)→B御岳神社入口6:23→(29M)→C御岳山6:52〜58→(5M)→D三基の祠ピーク7:03→(16M)→E林道に降り立つ7:19 →(16M)→F戻る7:35



   
@ほたる山公園駐車場から @園地案内の中に登山コースは書いていない。 カーブの場所からほたる山へ。 入口に彫り込みの一切ない角柱が立つ。
       
お菊の杉跡と供養碑のお堂。 お堂の内部 一本尾根。 最後。西に振ってから、最後を東に戻る。
     
Aほたる山 A漢字表記はこれ一択。 A御影石の角柱にこの通り。東側に小さな御影石の角柱が落ちていた。 A下仁田九峰の一つ。
       
Aほたる山から見る御岳山 お堂帰り。祠と言った方がいいのかも。 カーブの場所から御岳山。桜が見ごろ。 B管理棟前が、御岳神社の入口。東側にも別の道の入口がある。
       
鳥居。社務所となるか、本殿のような社は無い。 神社前の石像群。 デザインのいい石像 これは表情がいい
     
大ぶりな立像も ヤシオツツジが見ごろ C御岳山。祠は1863年製。 C標識
       
Cこの山で人気のイノシシの石像。 C北側が開ける Cヤキソバパンと C東側への道入口
       
痩せ尾根が続く D三基の祠がある肩ピーク 南東側に岩峰がある。 マーキングはあるが、続かない。道形無し。
       
倒木のある小尾根を下る。ここで合っているかどうかは不明。 420m付近 E林道に降り立つ ここまで大きな捕獲檻を見たのは初めて。
       
林道は廃林道化しており竹藪のようになっている。 園地に戻る 展望台からの景色が心地いい。 下仁田町中心部
       
F駐車場に戻る。

 



 御岳山に登ったのは2005年の7月。この時、西に位置する「ほたる山」の存在には気づいていたものの登山対象には考えていなかった。後になり、ほたる山が下仁田九峰に数えられることを知り、いつか登ろうと思っていた。ほたる山公園からわずかな距離なので、登ると言っても短時間でアプローチ出来てしまい、それが為にやや先送りになっていた。

 
 15年ぶりにほたる山公園に行く。前回はわずかな高低差を省力して、上側のカーブにある余地に停めたが、今回は下の駐車場に入れる。一帯は桜が見ごろで、周囲のピンク色が心地よく感じられる。3月いっぱいは冬季閉園であり、ここを訪れる人はいないと考える。となると来るのはおそらくは登山者だけだろう。駐車場から見るほたる山側は、障害物は無くショートカットしてゆけそうだが、地形図から見ると上のカーブの所から入山してゆくのが一番いいようだ。

 
 6:07迷犬と行動開始。カーブの場所まで上がると、そこからの入り口的の場所には、高さ8尺ほどの自然石の角柱が立てられている。ぐるっと回って見たが、一切の彫り物は無く、それが為に不思議な雰囲気を出している。向かう先にお堂のような建物が控えている。こんな場所に・・・と思えるもので、入り口や公園案内図にはこの場所の解説は無いのだった。手前に石祠があり、「御神木お菊の杉跡」と彫られた奇麗な御影石も立っている。その西側には「龍神供養塔」と彫られたものも見られる。前座の3つがバラバラな目的の構造物で建物内が非常に気になった。恐る恐る覗くと、墓石がありドキッとしたが、それは供養塔であった。解説が横の石碑に書いてある。国峰城(甘楽町)に関わるものがここ下仁田町にあるとは・・・もう少し掘り下げて勉強せねばならない。

 
 進路は尾根の一本道で迷いようがない。すぐ南には住宅だろうか作業場だろうか青い屋根が見える。よって南側には落石は出来ない。反対に北側は緩斜面で一切の落石の心配はしなくてよかった。勾配が急になると、北側山腹を西側に進み、最後はわずかに戻るように東に進んで山頂に到達した。

 
 ほたる山登頂。マイナーピークにしては立派な石柱が立っていた。おそらくは先ほどのお菊の杉跡と同じタイミングで整備したのだろうと思える。ほたる山は俗称で、登記上は「小山」と言うらしい。ここで引っかかる。山の登記って地理院の地形図に示される名前だと思っているが、他にもあるようだ。また、小太郎山の名前を持つようで、これから考えるには御岳山が太郎山となるのだろうか。山頂の東側には、0.7kgほどの四角柱の御影石が転がっていた。展望が無い場所であるが、木々の間からは御岳山が良く見えていた。次はあの場所へ向かう。

 
 ほたる山から戻り、バリケードの脇を通り冬季休業中の園地内へと入って行く。管理棟前に道標があり、御岳山へと導いている。鳥居の先の社務所のような建物がある場所が神社の場所と思い込んでいるが、建物の仕様が寺社仏閣の様式を成していないのでなんとも微妙である。迷犬は強い勾配の九十九折を飛び跳ねるように登って行く。ほたる山でのフラストレーションをここで発散しているようであった。何度も立ち止まっては振り向き、「早く来い」とばかりに無言での視線を投げかける。彼は道中の石像(石仏)を見てどう感じているのだろうか。無機質なものとしか判断できないのか、こちらは途中途中の石像を愛でながら登って行く。石像だけでなく、自然石に彫られた文字も興味深い。ここでしか見られない文字遣いのものが多いのだった。

 
 山頂手前ではヤシオツツジが満開であった。これを見ると西上州に居ることを強く思うのは私だけか。西上州の里山ではこの時季から見ることが多いからなのだが、この色合いに初めて出会ったのは福井でのサイゴクミツバツツジであった。少し曇り空で発色がいまいちであったが、それでも淡い色が目に優しく急登の疲れを癒してくれていた。

 
 御岳山登頂。懐かしい山頂で、イノシシの石像は健在であった。祠の横を読むと、「文久三」と読める。ここの構造物は157年経過していると判る。おそらくはイノシシも157歳であろう。前回はピストンであったが、今日はここから東側に進んでみる。やせ尾根が続き、切れ落ちた南北の壁を見下ろしながら、先行する迷犬が踏み外しはしないかと、それが為のドキドキがあった。南を見下ろすと下栗山地区の住宅が散見できる。下仁田の中心街からわずかの距離だが、そこは完全な山村の雰囲気であった。

 
 540mの肩には3基の祠が並んでいる。ここも壁面を具に見たが情報が得られる彫刻はされていなかった。ここから見る南東側には、550mの高みがあるのだが、岩肌が見え岩峰に見えた。山頂部にはアカマツが生え、遠目には居心地のいい場所と見えていた。いつか登ってみよう。さてここから北に降りてゆく。この540mから北に降りる尾根には、一切の踏み跡が無かった。途中510mで尾根形状が消滅し降りられなくなるが、ここにのみオレンジのマーキングが2本見られ北西側に進むよう示していた。

 
 どこでも伝える斜面ではあるが、緩い斜面で土ぼこりが舞うような、そんな土質であった。正解が判らず、その正解を探しながら右往左往しつつ降りてゆく。まあ北に進めばどこかで林道に出合うので不安は無かったが、西に戻るのに対し、この時の進路がやや東に向いてしまっていることが引っかかっていた。あのリボンの場所で西側へ降りればよかったのかも・・・とか思うのだった。進む尾根の左(西)側に林道が見えてきた。

 
 林道に降り立つ。西に進んで行くと単管パイプ仕様の柵があり、広さは20畳くらい。このすべてが捕獲用の罠であった。こんな大きなのは見たことがなく、その中央に仕掛けが造られていた。下仁田猟友会と言う事なのだろう「下猟」と書かれたプレートが縛られていた。南の山手側斜面を眺めながら進んで行く。正解はどこだったのか・・・。林道を進んで行くのだが、途中で竹の植生があり、進む林道を塞いでしまうほどに繁茂している場所があった。これを見て、使われていない林道と判った。手で分けないと進めないような通過点で、道の両側ともに伐採したような跡は無かった。しばらく手が加わっていない場所のようであった。

 
 分岐点が現れると、その先にほたる山公園の施設が見えてくる。ほたる山公園にこんなに遊具が設置してあるとは知らなかった。木漏れ日広場と名付けられ、トイレも奇麗でデッキを備えた東屋からの展望がいい。全てが間伐材で造られていると解説に書いてあった。地産地消って事だろう。前回は、御岳山しか目に入っていなかったので御岳神社より東側には進んでいなかった。この日も御岳神社からのピストンだったら、ずっと木漏れ日広場を知らないままだったろう。知れてよかった。

 
 管理棟前を通り駐車場に降り立つ。何度見ても緑に浮き立つ桜のピンクが美しい。

 
 振り返る。御岳山からの東側は、完全にバリエーションルートと言い切っていいだろう。麓側から辿ろうとしても、正解路はどこだか判らないだろうと思う。小尾根も多いので里山らしく迷いやすい要素がある。そこは東西に走る林道が在るので、迷っても安心材料があるのがここの利点かも。






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