美し森山       1542.5m        牛首山        2280.3m       扇山        2325m                                                                                                                                 2020.11.07(土)                                                                                                                         


  曇り    単独   美し森駐車場より     行動時間:4H19M


@美し森駐車場5:49→(9M)→A美し森山5:58〜59→(19M)→B羽衣の池6:18→(38M)→Cサンメドウズ最高所6:56〜58→(3M)→D賽の河原7:01→(55M)→E牛首山7:56〜57→(13M)→F扇山8:10〜21→(9M)→G牛首山帰り8:30→(42M)→Hサンメドウズ帰り9:12〜18→(48M)→I美し森山帰り10:00→(8M)→J駐車場10:08


   
@美し森駐車場から 階段路を伝うが、だいぶ疲れた状態で穴が目立つ。 A美し森山 A美し森山最高所
       
散策路から牛首山側。 たかね荘分岐 B羽衣池 ササがせり出す通過点。
     
防火帯 Cサンメドウズの最高所から。 Cまだ営業前 D賽の河原
       
2060m峰 E牛首山 E三等点 E疲れていないはずだが・・・。
       
F扇山 F扇山から赤岳側 Fコロッケパンと G牛首山帰り
     
ガレ地から 賽の河原帰り Hサンメドウズは営業時間になりリフトが動き出している。 Hこんな時期に除草をしていた。
     
Hリフトからどんどん観光客が降りてくる。ここはリフトに犬が乗ることができる。 羽衣の池の水は、気持ち見える程度。 たかね荘分岐帰り I美し森山帰り
       
I美し森山から富士山  階段路はコンパネが目立つ。  J学童が集っていた。 Jオフシーズンになるのか、駐車場は空いていた。




 紅葉シーズン最中の場所も多いが、高所はもう雪を気にする頃合いとなった。あと何回2000m峰を狙えるか、今年は迷犬の為にと託けて登っている。以前、「低いところしか登らないのですね」と言われたことがあるが、この結果ならもう言われないだろう(笑)。

 

 今回は真行寺尾根上の牛首山と扇山を目指す。2018年に軍界尾根を登って真行寺尾根を降りてきた。2年のスパンだと、出向くには早いようでもあるが、メインは私ではなくあくまでも迷犬。この時季でも踏める2000m峰をがむしゃらに選ぶのだった。尾根を突き上げて竜頭峰や赤岳まで行ければいいが、竜頭峰下の真行寺尾根下降点分岐下の鎖場は、大型犬にはほぼ無理。抱けるサイズでないと通過は出来ない。なので真行寺尾根を伝うにも扇山までとした。

 

 前日の金曜日、産業廃棄物を処理している中で、トラックの荷台から飛び降りたら、足首がグギッとなった。以前はこんなことは無かったが、これも老化の一端だろうと思えた。勾配のある場所を歩くのに痛みが伴う。だからって、中止にすることはなく行くのですが、頭の片隅には、無理が出来なくなってきていると判っている。でも、無理を続けている方が無理しやすいのかとも・・・継続は力なり。

 

 2時15分に家を出る。西上州で9℃だった。この時季にしてやけに外気温が暖かく感じる。いつも冷えている佐久や野辺山でも5℃で、美し森駐車場に着いた時には4℃だった。今日の予報は曇りで、暖かいのはその影響もあるのだろう。駐車場には他に車は無くオフシーズンの様相。仮眠に入ると、4時半以降から急に強風が吹き出し車を揺さぶるようになった。この日の高所はだいぶ大変だったろうと思う。

 

 夜が白みだし準備をするのだが、風下に車の尻を向けてリアハッチを開けたら、風を孕んで前進しそうなほどに揺れ慌てて閉める。南東側は明るいが、風上である西側には雪雲とも雨雲とも思える濃いガスが垂れ込めていた。少し濡らされるかと、笹の繁茂する経路があるので、事前に雨具を履いておく。

 

 5:49出発。足首が痛いので、珍しく入念に屈伸やらストレッチをする。木の階段路を一歩一歩痛みを味わうように登って行く。階段路は朽ちた場所が多く、穴が開き補修のコンパネを打ち付けている場所が目立っていた。依然風が強い。気温が少し高めなのが幸いしているが、これがマイナス気温だったら、おそらく歩幅も今より7割減だったろうと思う。

 

 美し森山登頂。21年ぶりに訪れたが、不思議となにも変わっていない印象を受けた。振り返ると薄墨色の景色の先に富士山が見えていた。敷石の敷かれた散策路を北西へと伝って行く。迷犬は敷石を嫌がるかと思ったが、脇の地面より敷石の上を選ぶように伝って行った。まあ気まぐれでしかないだろうけど。進む先に牛首山だろう三角錐の山容が見える。尾根の手前側には賽の河原の褐色に禿げた地形も見える。幸い目的地はガスの中にならず、辛うじて山容を見せている。これ以上垂れ込めないでと切に願う。

 

 たかね荘分岐からは、土の抜けた階段路が続き歩き辛い。その為に両サイドに道形が出来ていた。土留めの木にピョンピョンと飛び移るように登って行く。迷犬はアジリティーをやっているので、障害を楽しむように飛び越えてゆく。そして羽衣の池は、実際の池面積の半分か三分の一くらいしか水を湛えていなかった。登り上げた東側ではほとんど水が見えないので、なんとも様にならない池であった。この池の周囲の木道もけっこう朽ちていた。

 

 羽衣の池西からササの中に切られた道となるが、普通に濡れているだろうと思っていたが、この日は全くもって乾いていた。強い風とプラス気温だったためだろう。先を読んだ雨具であったが、暑く蒸れただけであった。防火帯に出たら獣道のような細い筋を伝って次の道標の場所まで導かれる。少し風を忘れていたが、尾根筋に乗り上げると一定の周期で強く吹き付けてきていた。進路の右側にサンメドウズのリフト支柱が見えてくる。2年前の記憶から、登山道から逸れてサッとサンメドウズの敷地に入れるのかと思ったら、害獣よけの柵が張られ入れなくなっていた。下側も上側も同じで、よく見ると開閉できるようになっており、勝手に開閉して上側のデッキに立ち展望を楽しむ。西はダメだが、東は非常に展望は良かった。雨具のズボンを脱ぐ。

 

 サンメドウズから僅かに登ると賽の河原で、特異な無毛地帯が尾根上に広がっている。遮るものが無く吹き曝しの中を進むと、ルート勾配はこれまでより強くなり、ふと気づくと足首が痛くなくなっていることに気づく。下界の病は山で治す。岩が多くなると、迷犬も少し進路を困っているようであったが、先日の編笠山のようにはならずに、自力でルートを見出しどんどん登って行く。曇り予報の日であったが、時折明るい日差しがあり、太陽の温もりを背中に感じたりした。

 

 牛首山到着。迷犬は疲れているのか、疲れたフリをしているのかベンチの前ですぐに腹ばいになった。記念撮影をしたら、すぐにさらに先を目指す。牛首山までは明るかったが、扇山に到着すると一部ガスに包まれていた。赤岳の姿を求めに北西側に行くも、全く見ることができない。開けているのは唯一北西側なので、ここでは全方位展望が無いことになった。外気温を見ると10℃あった。視覚上は暖かいが風は依然吹いていた。

 

 持上げたコロッケパンの大半を迷犬に食べさせ、こちらは白湯を栄養源に往路を戻る。すると単独の男性がすれ違った。間違いなくガスの中へと突っ込んで行くのだろう。西風なので、主稜線まで上がった時の風は酷いだろう。そこまでの山登りをしなくなった自分が居るのだが、今が身の丈に合っているのだとも思う。牛首山を経て降りて行く。すれ違い者が続くかと思ったが、気配はなく賽の河原まで戻り、その先で再度サンメドウズに寄って行く。

 リフトが動きだした頃合いなのか、ちょうど最初の客が到着したところで、女の子二人が籐の椅子に向けはしゃぎながら向かって行った。次々と観光客が上がってきて、その中には犬連れの方もおり、リフトに犬が乗せられることをこの時に知った。係りの人が電気柵を開けるのが見えた。営業時間内は開けるようだった。ツーサイクルのエンジン音が響き、もうウインターシーズンに入る頃合いなのに、ゲレンデの草刈りをしていた。冬に控えてと言うより、来週春に控えての作業なのだろう。デッキはあっという間に30名ほどとなった。密ではないが、見た目は密で、逃げるようにサンメドウズから離れる。

 

 登山道は相変わらず静かなままだった。羽衣の池まで降りるとご夫妻らしき二人がすれ違った。夏のハイシーズンにはあれほど混んでいた、あれほど登山者が居たこの尾根も、この時季はオフシーズンのようだった。それでも、美し森山が近づくと、散策者が増え、ザックを背負った姿も増えた。時計は10時に近い。上を目指すと言うよりは、観光の範疇でのハイキングであろう。階段路を降りてゆくと、駐車場から上がってくる賑やかな話声に観光地と思わされた。

 駐車場に着くと、声の主がたくさんおり、学童が40名ほど集っていた。これから登るのかと思ったら、引率の先生は5名ほどづつを連れて清里駅側へと降りて行った。ゆとりではなくなったので、土曜日も授業があるのか・・・などと考えるのだった。駐車場に停まる車は30台ほどとなっていた。




 
               戻る