甲武信岳        2475m        木賊山        2468.8m      水師        2396m                                                  
         
                                  
                                 
                                                                                                      
  2021.5.15(土)


  くもり一時雨のち晴れ      単独     毛木平より      行動時間:7H


@毛木平4:29→(128M)→A千曲川・信濃川水源地6:37→(16M)→B主稜(下降点)6:53→(19M)→C甲武信岳7:12〜14→(10M)→D甲武信小屋7:24→(17M)→E木賊山7:41〜45→(11M)→F甲武信小屋再び7:56〜8:15→(15M)→G甲武信岳再び8:30→(14M)→H下降点再び8:44→(12M)→I水師8:56〜9:02→(10M)→J下降点三度9:12〜15→(9M)→K水源地帰り9:24→(125M )→L毛木平11:29       
        


 
@毛木平駐車場から 大山衹大神にお参りしてから進む。 ナメ滝で残雪に出合う。 往路、彼はこの橋を渡れず渡渉。
       
A千曲川・信濃川水源地 B主稜線に乗る。 雪解けシーズンの登山道はドロドロ。 C甲武信岳登頂
   
D甲武信小屋に寄ってから南進。 E木賊山 E三等点 E標識・標柱類は新設されていた。
       
Eフィレオフィッシュパンと F甲武信小屋再び F犬連れパーティーのテントがひと張り。 Fスタッフに温かく出迎えられる。
       
Fデッキで寛ぐハイカー。 G甲武信岳再び H下降点再び I水師到着
     
I標識 I実際の最高点は、標識の場所の南。 J下降点三度。犬好きな方に遊んでもらう。 K水源地帰り
       
往路渡れなかった橋を、復路では渡って行った。 このはしご場はへっぴり腰で登る。 無事の下山を挨拶。 スタッフの車 
       
L毛木平に戻る。駐車スペースの8割がた埋まっていた。      




 ゴールデンウイークの翌週は、連休疲れで各山への登山者は減る事を見てきた。昨年からの新型コロナ騒ぎで今年はどうかとは思ったが、これまでの体験を生かし人気の場所に行くことにした。迷犬2座目の百名山は、三国境の甲武信岳とした。

 
 百名山の場合、言わずもがなで登山者が多くなる。よって犬連れに対し厳しい声を聞く可能性も高くなる。ここは連れる責任としてしっかりリスクを覚悟した。毛木平から甲武信岳に行くなら、ぐるっと周回したいのが本音であるが、三宝山から十文字小屋間を思うと大型犬には厳しい。危険は避け、水源地経由のルートで往復とした。

 
 2時20分に家を出る。この時、GoogleのAndroid Autoに行き先を告げると、驚いたことに「モウキヒラ」と言ってきた。「モウキダイラ」が正解のはずだが、これらの言い間違えはバグなのか・・・。自分が間違えて地名を覚えているのかとすぐに調べたが、「モウキダイラ」で合っていた。佐久高原のコスモス街道では、2頭のシカが路上で死んでいた。衝突死で間違いない。生体もかなり見るので、夜間の通過は注意の場所となる。

 
 毛木平に行くのは10年ぶりであった。駐車場に着くと、既に20台ほど置かれていた。予想想定に対し、意外と入山者が居る印象。まだ車中泊をしている車も多く、シェードが窓に貼られ、室内に呼気での湿気を帯びている車があちこちに見えた。起こさないようすぐにエンジンを切り、すぐに準備に入る。

 
 4:29駐車場を出発。先行者が居るのかどうか判らぬが、出来るだけ人に会わないよう逃げるように毛木平を離れた。20分ほど進むと大山祇大神の祠の場所となり、旅の安全をお参りする。遭難碑の場所まで進んだら、西側の斜面を具に眺める。こちらから五郎山に登れんじゃないかと思っており、植生や地形を眺め次の山行のためのデータとした。

 
 ナメ滝まで進むと、この日初めて残雪に出合う。遊歩道がぬかるみだしたのもこの辺りからだった。外気温は5。曇り予報ではあるが、空は青みがかった曇天だった。ラダー状の木橋を迷犬は渡れず、雪解け水に腹まで浸して渡渉していた。このルートも19号台風の影響だろうか、沢筋を歩かせていた以前に対し高巻きの道が増えた印象だった。

 
 水源地標柱から上は、雪解けの泥濘地形が続き足元がドロドロになる。今だ先行者は見えず、小屋からの下山者も無かった。そして後ろからのトレラン者の追い抜きもなく誰にも会っていなかった。連休だったらこうはいかなかっただろう。主稜線に乗り上げ東に向かう。ガスが巻き、時折だが雨粒も落ちてきていた。

 
 甲武信岳登頂。迷犬にとって2座目の百名山。私は20年ぶりの登頂であった。周囲は真っ白で何も見えない。次の木賊山へ行くべく南に降りて行く。樹林の間からカラフルな色が見えだし小屋が近いことが判るが、賑やかな声は無くひっそりと静まり返っていた。その甲武信小屋に着くと、ちょうど西進してゆく二人連れが出発して行った。後を追うように雁坂峠側へと進んで行く。ここも一部ドロドロで、餅の上を歩いているかのように靴が地面に吸着した場所もあった。

 
 木賊山に着くと、先行していた二人が休憩していた。話をすると、夜行で登って来ての日帰りと言う。てっきり小屋泊と思っていたが、元気な若者二人に思わずにんまりしてしまった。私は夜行をしなくなって幾年・・・まあ必要がなくなったからでもあり、ハードな山行をしなくなった訳でもある。破風山までは遠いので、東進はここまでで西に戻って行く。

 
 甲武信小屋に再び到着する。デッキには小型犬を連れたご夫妻が居た。恐る恐る小屋の入り口に向かってゆく。小屋番の多くは豪傑で頑固だったりする。すると迷犬が見えたようで、小屋内から「かわいい〜!!」と声がした。その声の持ち主とは違う男性スタッフが出てきた。そして気さくに話しかけてくれる。遅れて女性スタッフも出てきてくれた。コロナの関係で距離を保ちつつしばし歓談する。犬連れが多くなったようで、「犬連れ専用の棟を準備しようか」とも言っていた。あと、「登山道にシカが多く現れ、鹿よけの為にも犬に歩いてもらいたい」事を言われる。ここまで犬連れが受け入れられるとは思っていなかった。半ば公認されたような気持になった。

 
 下に見えた一張りのテントは、犬連れの夫妻のものであった。当然小屋泊は出来ないのでテントを持上げてきたのだった。両名の帰路は十文字峠側に進むと言う。愛犬のプリンちゃんは3kgと言う。通過に際し無問題だろう。当家の迷犬は
32kgである。梯子場や鎖場を抱いての通過が不可能。そんなこんなで話が弾み大休止となった。この間、迷犬はデッキの上で心地よさそうに休んでいた。ゴールデンウイークは、小屋内はそうでもないがテン場が大賑わいだったそうだ。小屋の密を避けて、密なテン場となったよう。

 
 帰路はもう一座、水師にも登頂してゆく。富士見まで行きたいが、日ごろに対し今日の迷犬の歩行時間が長すぎになってしまうので西進は水師までとした。甲武信岳再び立つと、迷犬は西から登頂してきたパーティーに撫でてもらえた。白砂地形を下り下降点分岐に戻ると、ここでも登り上げたパーティーに歓迎された。犬が居なかったらこんな接され方は無かったろう。さらに西進してゆく。

 
 2005年、主稜線から塩山を狙った時に伝って以来。よって水師を踏むのは16年ぶりであった。その水師は閉所的な山頂で、以前の雰囲気のままであった。標識の場所は最高所ではなく、境界標柱のある場所から南に入ると、こんもりとした最高所がある。予定の3座を踏んで、これで正真正銘下山となる。

 
 三度下降点に着くと、愛犬家と思しき男女が居られ迷犬はこねくり回されるように撫でてもらう。今日はツイている。ただし、ここから下って行くと、嫌う視線の方もちらほら居られた。水源地まで降りると、大学のワンゲル風のパーティーが休んでいた。集団行動を避けねばならないご時世、集団行動は気を遣うだろう。複数の班に分けて分散させて登っているのだろう。

 
 往路に渡れなかった橋は、帰路は何もなかったように迷犬は渡って行った。私が渡ったのを見ているので通って行く場所と判ったのだろう。オーバー気味に褒めてやると、尻尾を千切れんばかりに振っていた。10時くらいまですれ違い者が続き、以降でパタッと途切れた。会ったなかにはヘルメットを被った方が数パーティー見られた。ここのような登山道でもヘルメットを被る風潮になったのかと思えた。
もしくは岩ヤの遊び場があるのか・・・。

 
 曇天予報で主稜も曇天だったが、10時を前後するあたりから夏の日差しとなった。曇りだったからここまで楽だったが、好天だったら疲れが大きく違ったろう。暑い日差しになってからの迷犬は、横切る沢水で何度も喉を潤していた。帰路も五郎山の東側をよく見ておく。大山祇大神まで戻り、無事の下山を挨拶する。小屋スタッフ用の駐車場には、往路時に対し一台増えていた。20年前は、もっと奥まで入っていた。荒れた場所が林道幅に戻ることはないのだろう。

 
 毛木平に戻る。駐車スペースの8割くらいが埋まっていた。翌日は雨予報であり日帰りが多いだろう。そういえば小屋で歓談している時に電話があり、スタッフが泊り客の減員連絡を受けていた。山小屋経営はハッキリと天気に左右される。なので梅雨時期も登山者は減り、有名どころに登るにはいいだろうと思う。雨が嫌いでなければ・・・(笑)。




 
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