入笠山        1599.4m        アカノラ山        1799m                                                                                                                 
         
                                  
                                 
                                                                                                      
  2021.6.26(土)


 くもり      同行者あり      ゴンドラ利用      行動時間:5H7M


@富士見パノラマスキー場券売所8:00〜15→(15M)→A麓駅8:30→(20M)→B山頂駅8:50→(29M)→C小入笠山ゲート9:19→(24M)→D入笠山9:43〜58→(26M)→Eマナスル山荘10:24〜12:00→(7M)→Fアカノラ山12:27→(5M )→G山頂駅12:32〜45→(22M )→H麓駅より連絡路13:07         
        


 
@チケット売り場は8時15分より。 A麓駅へ水平移動。 A始発に並ぶ A犬は、片道も往復も同料金の500円。
       
A静止しない仕様の為、搭乗を嫌がった。犬を載せる時は窓を大きく開けていた。 嫌がった後なので、外を見るような余裕なし。 B山頂駅から出発。北周りで進む。 まだ新しい階段路。
   
入笠湿原の中を 入笠湿原全景 クリンソウ群落 C小入笠山(大沢山)へのルートはゲート(施錠)で塞がれていた。無積雪期は登ることはできない。
       
マナスル山荘前に戻る。 D入笠山登頂。 D同定盤 D一等点のはずだが、その威厳がないほどに割られている。
       
D犬連れが続々と上がってくる。 E三度マナスル山荘に Eマナスル山荘の黒犬と対峙。 Eこの看板に誘われる。
     
Eビーフシチューは11時からの販売で、みな並ぶ。 Eここまでは注文から2分で用意された。 E彼も待つ。係留用のフックがあり犬に優しい。 E注文から46分が経過してやっと。忘れられていた・・・。
       
Fアカノラ山の最高所はフェンスで守られていた。 F最高所の境界標柱 アカノラ山の東面はお花畑。ニッコウキスゲ。 オダマキ
       
G山頂駅のベンチで休憩 Gゴンドラで戻る H犬連れの聖地でもあり、マウンテンバイクの聖地でもある。




 入笠山が、犬連れの聖地として知られるようになっていた。観光地でも、犬(ペット)を排除する側にしている場所と、犬連れも受け入れて集客する場所があり、ここは後者。一長一短はあろうけど、富士見町のここは線引きをせずいろんな人を受け入れ集客する仕組みになっている。おそらくは、判断する側のどなたかが犬が好きなのだろう。逆に嫌いだったら、地位や力で排除するだろうから。入笠山は中央道からのアクセスも良く、観光地として賑わう理由も頷ける。

 
 入笠山に登りたいと言うよりは、富士見パノラマスキー場のゴンドラに迷犬を乗せたい目的で行くことにした。あとは同行者の足を考えての場所選びでもあった。入笠山に登ったのは1999年。小入笠山に登ったのは2006年。もう一度この辺りを登ってみようと考えた。

 
 ゴンドラの始発が8時半の為、経路に3時間を考慮し八ヶ岳の旧有料道路を経由し現地入りする。駐車場は麓にいくつも点在し、ゴンドラに一番近い場所はマウンテンバイカーが群れていた。チケット売り場から離れている場所であり、年パスとかシーズン券を既に持っている人なのだろう。チケット売り場前の駐車場で迷犬を散歩させながら時間を待っていると、犬を連れた車がちらほらと到着していた。

 
 8:15でチケット売り場が開いた。その横並びの場所では、犬連れが3グループ居り総勢6頭が繋がれていた。この場所には私らが先に居り、傍から見ると同じグループに見える。リーダーらしき人が私に「アレッ、申し込みされた方ですか?」と不安げに尋ねる。「えっ何ですか」と聞き返すと、「犬連れのイベントをやってるんです。予約の受付手続きミスかと思って・・・。今日はこの3組で、よかったら参加してもらってもいいです」と言う。「ありがとうございます」と丁重にお断りした。犬は好きだが、パーティー行動ほど自由度が無いことはない。チケットを得たら麓駅へと進んで行く。

 
 8:30からゴンドラが乗客を乗せて動き出す。不思議だったのは、この時にマウンテンバイクの方は一人も居なかった。我先にと乗りたいのかと思ったが、暗黙の了解でもあるのか、それとも早朝だとコースの路面が濡れていて滑りやすいのかもと勘繰った。ゴンドラに乗るのだが、パルコール(四阿山)のゴンドラはかなり停止状態になり、すんなりと迷犬は乗ってくれたが、ここのは動いているものに乗る仕様。躊躇しつつ怖がってしまい乗らなかった。人間でも乗り辛いから気持ちも判らないでもない。可哀そうだが無理やり引き入れるように乗せる。発車してからは、息が荒れて不安げな迷犬をなだめるのが最初の仕事だった。眼下の斜面にはマウンテンバイクのコースが見える。山頂駅から下ったら、一回の乗車だけで腕がパンパンになりそうな距離に思えた。

 
 15分ほどの空中散歩で山頂駅に着く。大人往復1700円、犬は500円だった。2006年の冬季に一度乗っているのだが、季節が違えているせいか前回の記憶が呼び起こせない。北周りで湿原へと進んで行く。奇麗に敷設された木の階段路を降り、湿原内の木道も同じタイミングで木を貼られたようだった。山彦荘に着くと、小家主が元気な声で挨拶してくれる。その挨拶には”帰路に寄ってね”と言う意味を含んでいた。林道脇に散策路があるが面倒なので林道を進む。マナスル山荘から入笠山への登山道は、ハイカーでいっぱいだった。ゴンドラの客はまだ6名くらいしか足を進めていないはずであり、沢入登山口からの入山者と判る。そりゃそうだろう、もう明るくなってから4時間以上経過するのだから。既に降りてくる方も多かった。

 
 マナスル山荘を右に見て進み、その西側からの分岐を北西に入って行く。分岐には「関係者以外立ち入り禁止」と看板があった。見ないふりをして進んだ先にはゲートが設けられていた。ダイヤル錠式がかかり、ここにも「許可なく立ち入らないでください」と掲示されていた。ほとんど登頂記録が無いのはこんな現地だからだと判った。私はたまたま積雪期にスキーで狙い登頂したが、南麓が塞がれているという事は北麓の道も塞がれているはずであり、道を伝って登る事が出来ない場所(山)になっているようだった。なので、登った人は禁を犯して登ったことになる。すぐに諦め入笠山に足を向ける。

 
 フェンスで囲まれた花畑側のルートは相変わらず人で溢れていた。そこを左に見ながらガレ尾根を登って行く。覚悟はしてきたが、それにしても人が多い。マスクをしている人していない人、すれ違い時のみに装着する方、様々であった。外気温は13。麓駅では18だったので、標高差から計算するのに教科書通りの気温差だった。

 
 入笠山登頂。22年ぶりであった。一等点は無残にも棒のようになっており等級など読めない。展望ピークであるはずなのだが、この日この時はガスが垂れ込め視界を遮っていた。休憩していると、一頭また一頭と犬連れパーティーが登ってくる。引っ張られている飼い主も居ないではないが、連れてくる人は、連れて行っても周囲に迷惑をかけないと言う配慮があって連れてきているようであり、大人しい利発な子が多かった。山頂は広いものの、到着するハイカーと下山するハイカーの均衡がとれなくなってきつつあった。休める場所が広範囲にあるのも長居を促す様だ。大河原湿原も頭にあったが、午後は雨が降り出す予報であり、ここを最後に北に戻る。

 
 帰路は花畑の中を伝いスズランの群落を楽しむ。三度マナスル山荘。山荘前の看板にビーフシチューの宣伝が書いてあった。いつからなのか名物料理になったようだった。この日で22年ぶり、次に来るのは何十年後か判らないので、その名物料理を食べてゆくことにした。注文しに行くと、スタッフは「11時から販売です」と言う。まだ10時半だった。30分待って名物を食べられるならと待つことにした。食べるには事前に予約もできるよう。山荘の黒犬と戯れながらコーヒーを飲みつつ待つ。そして11時になる。

 
 販売時刻になった時点で12人並んでいた。2番目に予約できた。実際の順番は予約があるだろうから判らない。11時2分になり、事前に敷板と漬物と箸が配膳された。これを食べて待っていてくださいと伝えられる。こんな感じなら早くに食べられると思ったのは言うまでもなく、迷犬も食べ物にありつけるのが判ったようでいい子にして待っていた。しかし・・・。


 名前を呼ばれビーフシチューが配膳されるのは他人ばかりで、先に食べている人は大絶賛している。「これは値あるとか、こんなおいしいのは初めて」とか・・・。そうこうしていると後発の注文者にもシチューが配膳されていた。予約者なのかと理解して黙って待っていた。11時45分になり、これは忘れらえていると思いスタッフに声をかける。「○○ですけど、忘れられてないですか?」と言うと、数秒の無言の間を入れた後「アレッ」と言いながら戻って行った。この一分後にやっと配膳された。30分以上無駄な時間を費やしただろうか。山で飯を食うのに、他人を頼るとこういうことがある。たまたまだと思うが、あり得るってことを強く体験した。確かに美味しい作品であったが、肉のボリュームの他は普通のビーフシチューであった。人気メニューを食べたいがために、ここで1.5時間も費やしてしまった。体が冷え切りTシャツでは寒いくらいになっていた。


 マナスル山荘に長居したので、往来をよく見ることが出来た。次々にハイカーが訪れる中、犬連れハイカーが頻繁に混じる。そんな中、山荘の犬が散歩に出かける。ハイカーが見ている前を平然とマーキングしながら通り過ぎて行く。自分の家なのだから、周囲に目があろうとなにも憚ることは無いのであった。ゴンドラの犬利用のアナウンスでは、小水には水をかけてとあったが、ここではそれは無かった。繰り返すようであるが、自分の家なのである。山荘の犬と知らない人にとっては、犬連れハイカーの醜態と見えたかもしれない。人間だって、場所を弁えず大小のキジを撃つのだから、紙を残さない犬の方がまだ自然に優しいだろうとも思う。


 林道を戻り、山彦荘から湿原へと降り往路を左に見ながら東へと登って行く。ここは22年前は南側にある登路(道形跡)を伝った記憶がある。林道に出て頂上駅舎へ戻って行くのだが、その途中にアナノラ山の岩壁の解説があった。すぐにこの山頂を踏んで帰ろうと思った。山頂にはアンテナ塔があり、そのための道は西側から切られていたのを見ている。西側に戻ろうかとも思ったが、たしか往路に伝った北巻きの道途中から上に向かう道が在った。あれでもアプローチできるはずと予想した。


 記憶通り分岐があり、そこから道形が山頂へと続いていた。経路はお花畑で、釜無アツモリソウやオダマキ、ニッコウキスゲなどが見られた。山頂のわずか手前で進路がロープに塞がれ、その先10mほど先が最高所で、その最高所はフェンスで囲われていた。おそらくは山頂部を囲っているのではなく、伝ってきた花畑側を守っているのであり、向こう側からの侵入を遮っているものだろう。山名板のようなものは無かった。そして西側にアンテナ塔が見える。その西側からだとササ漕ぎが待っていた。東からアプローチして結果オーライ。再び花々を愛でながら戻って行く。


 八ヶ岳展望地側に少し進み、スズランの植生地を通って駅舎に戻る。ここでネーミングを初めて見聞きするルバーブなるソフトクリームを食べる。ベリー系の味がしたが、この正体を麓で知ることとなった。麓駅に降り立つと、そこかしこにマウンテンバイカーが居た。チケット売り場側に戻ると、ガーゼや包帯だらけで顔を腫らしている方の姿もあった。ダートコースでスピードを競うのだから、怪我は付きものだろう。登山よりはるかに危険と隣り合わせであろう。とそこにルバーブが鉢に植えられていた。ビートのような葉野菜であった。



 
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