老ノ倉山        2000m                     
         
                                  
                                 
                                                                                                      
  2021.5.8(火)


  晴れ    単独     牛池駐車場より      行動時間:3H41M


@牛池駐車場4:21→(18M)→A万座峠4:39→(49M)→B唐沢峠5:28→(10M)→C老ノ倉山登山口5:38→(11M)→D老ノ倉山5:49〜53→(18M)→E唐沢峠より黒湯山を狙う6:11〜35→(12M)→F太田堰源流地より狙う6:47〜56→(42M)→G万座峠帰り7:38→(24M)→H駐車場8:02
                    


 
@牛池ゲート。5月14日に開門。 A万座峠から見る黒湯山(右)。 A万座峠のお地蔵さんは冬支度。 雪がほとんど消え、こちらから狙うのを諦める。
       
太田堰源流地。少し偵察に入る。 B唐沢峠 長野県の除雪車 老ノ倉山を途中から望む。
   
C道標は無いが、道は綺麗に刈り払いされていた。 支柱も打たれ真新しいロープも敷設されていた。 昨年秋の作業のようだが、上部の杭は雪の重みで既に曲がってしまっていた。 D老ノ倉山登頂。
       
Dこの「古道復活の会」が作道したよう。 D古い標識が3つ。 D波板で屋根がされていた標識は折れていた。この仕様では雪に耐えられないだろう。 D老ノ倉山から御飯岳。こちらは雪はたっぷり。
       
D黒湯山側は全く残雪無し。 登山口に降りる。 E唐沢峠再び E平坦地に残雪が見られ繋がって進む。
     
残雪はあるにはあるが、繋がらずササ漕ぎをするも、強靭なササに進度が遅すぎとなり撤退。 F太田堰源流を遡上してみる。 F下側は雪があったが、ここも上部が繋がらず密薮。人間は分けられるが、犬は無理だった。 Fまた車道に戻る。
       
黒湯山南の最短地から。残雪がちらほらあるが繋がっていない。この日の黒湯山は諦める。 G万座峠から見る笠ヶ岳。  H牛池ゲートに戻る。 H駐車場。 
       
H駐車場の東屋でヤキソバパン。      




 今年のゴールデンウイークは、あまりピリッとした山行計画をしなかった。犬連れでも行ける少しピリッとした場所として、この日の山行は黒湯山を選んだ。ここのササの植生は、今まで対峙してきた笹藪の中でも五本の指に入る。無積雪期はこのような場所であるが、雪があれば全てが雪の下になり楽に踏める。まだこの時季でも雪があるだろうと計画してみた。前週も焼額山で雪と遊んだので一帯の雪はまだ伝えるだろうと予想した。

 

 金曜日の終業後の帰路、中学生が横断歩道を渡ろうとしていたので停止線で止まった。直後に大きな衝撃を背中から受けた。追突で、運転手はボーッとしていたと言う。小雨降る中に現場検証と調書とで1時間。早く帰りたいのに帰れないもどかしさ。そして頸椎椎間板ヘルニアなところへドンとやられたので、首から背中にかけて鈍痛と熱を持ったような感じとなった。明日の山は止めようかと普通思うのだろう。ジッとして治るものなら、動いても治ると思っているのが私。

 

 1時家を出る。軽井沢経由で峰の茶屋に上がり、鬼押ハイウェーと万座ハイウェーと繋いで現地入りする。前日が雨だったために少し雪の心配もしたが、現地でも外気温は5あり心配ご無用だった。牛池の駐車場にはゴールデンウイークでの連泊だろうキャンピングカーが1台停まっていた。万座峠側への道はゲートされ、看板には5月14日15時開通とあるので、一週違えれば楽に西に進んで行けたのであった。ここでちと気になった。もうすぐ開通なら雪がないって事か・・・。

 

 白みだしたので準備をしだし、4:21出発。ゲートを跨いでゆく。林道歩きでも少し雪に乗ると予想していたが、全くない状況にドキドキしだす。万座峠に着き見える黒湯山の東斜面は、9割がた雪が消えていた。さらにドキドキが増す。今日は、今年はこのタイミングでは残雪を伝えないのか・・・。北に聳える笠ヶ岳も真っ黒い姿をしていた。一縷の望みを抱き、西面なら平坦斜面が多いので雪が残るだろうと、林道を西へ向かってゆく。

 

 途中の「太田堰源流地」の碑の立つ沢も使えないかと、少し偵察に入る。谷筋らしい残雪があるが既に流れが出ていた。さらに西へ行く。前方左に御飯岳があるが、その北斜面にはベッタリと雪がある。黒湯山も北斜面にはあるのだろう。だからって山田牧場側から狙う元気はなく、今季の雪の状態に対し入山が遅かったと言える。林道北の残雪を見ながら進んで行くも、乗って楽に進めそうな場所は見出せなかった。

 

 探しながら進み県境と林道がクロスする唐沢峠まで来てしまった。御飯岳に転進しようかとも思ったが、待てよ迷犬がまだ未踏の2000m峰がこの先にあったことを思い出した。前年度、御飯岳の帰りに見たときは藪尾根であったが、もうこうなったら黒湯山の藪を漕ぐより短距離でマシである。2000年に登った時も、薄い道形があったが分けて登った場所だった。

 

 経路全く雪が無く、仕事を終えた長野県の除雪車が途中に置かれていた。毛無峠への分岐の先が老ノ倉山への登山口であるが、ここにそれを示す道標は無い。尾根を見ると意外にも刈り払われた真新しい跡が見られた。今年では作業できないだろうから、前年度の9月12日以降の作業となろう。

 

 入山口から登って行くと、真新しい白いロープが流されている。道に対しクロスするように敷設してあるので、ありがたいがちょっと登り辛い。山頂直下にも在り、ここではロープの支柱が既に折れ曲がっていた。雪の重みの仕業だろう。ここには湿った重い雪が降るって事だろう。
 

 老ノ倉山登頂。21年ぶりの懐かしい場所であった。すぐに黒湯山を見る。黒湯の西側もほとんど雪は見えなかった。北斜面は勾配が強い為だろう、御飯岳の豊富な残雪とは違い黒々していた。この後は御飯岳を目指そうか・・・それとも諦めずに黒湯山にしようか。見える状況からはすぐに前者の行動が真っ当だった。いつもなら、登頂すればヤキソバパンが貰えるのに、迷犬はこの老ノ倉では何も貰えなかった。登頂したのに貰えないのと言うような不思議そうな顔をしていた。

 

 さて次はどうしようと悩みながら戻って行く。御飯の北側ルートは未踏だが、迷犬も既に登っている山に行くのもどうかと悩む。残雪に伝えるのは付近では御飯しかない。答えが判っているが、諦めが悪いのが私である。唐沢峠へ戻る間に御飯岳に向かうのは止めた。

 

 唐沢峠からは、残雪を拾うように県境線を進んでみる。すぐに笹藪に掴まり、残雪の際などは、倒れたササの下が1mくらいになっていた。迷犬は飼い主といっしょに歩こうと果敢に挑むも、かなり難儀して通過していた。太いササの間に踏み抜き、前に進もうとするので、足を折るのではないかと思えた。諦め車道に戻る。

 

 やはりダメか・・・と思いながら東に進み、再度残雪が見られた場所から北に入る。今度は尾根の北側の雪を拾う作戦。残雪を伝い尾根頂部まで進み、そのわずか北側斜面を進む。薄く雪が残ってはいるが、灌木が密に生え進度が極端に遅くなった。ササを分けるよりはいいが、迷犬も進路を選べず進むのを躊躇しだした。この残雪の少なさでは犬連れでは無理か・・・また南の林道に戻る。

 

 2度のチャレンジで撤退。太田堰源流地の沢で、3回目のチャレンジ。流れの出た沢の中を遡上してゆく。谷形状で冷えた空気の場所、残雪の残る場所も多い。がしかし、25mほど遡上した先で、もうその上側には残雪は無かった。泥付きのゴン太のササが待ち構えていた。それを見るだけで全く分け進む気力が湧いてこなかった。戻る。

 

 人間だけなら無理して分けてゆくが、目的は迷犬を上げてやることであり迷犬が行けないのでは意味がない。鉄壁の守りに撤退した敗残兵の様相だが、迷犬は至って楽しそうにしていた。3度のチャレンジで失敗となったので、もう諦めたのだが、黒湯山の真南の最短場所から見上げると、シラビソの立つ場所の周囲には残雪が見える。またここで立ち止まり悩む。何度失敗してもまた失敗しようとしているとも言えるし、諦めずに果敢に攻めるとも言えるが、まあ今日の場合は前者だろう。ここで立ち止まり3分ほど悩んだが、「今日は諦める」と最終判断をした。青々したササが眩しかった。ここではそのササの下はφ15mmほどの笹がある。

 

 不甲斐ないがこんな日もある。そして老ノ倉山が近くに在ってよかった。無かったら山無しで帰ることになっただろう。2000m峰を1座踏めたので、黒湯山を踏めずともまま良かった。そして黒湯がダメなら万座山に上がろうかとも考えたが、前日からツイていないことが続くので、欲張らずに戻ることにした。

 

 ゲートに戻り駐車場へ行くと、停まっていたワゴンのドアが半開きにスライドさせてあり、外には中型犬が繋がれていた。すぐ後ろには東屋がある。ザックの中には目的座で出せなかったヤキソバパンが入っている。東屋で迷犬と分かち合う。ワンズの触れ合いが出来るかと期待したが、向こうもこっちも興味を示すこともなければ吠えたてることもなかった。

 


                            戻る