横岳(北横岳)        2480m        大岳       2382m        双子山       2224.1m  
     
        
                                  
                                 
                                                                                                      
  2021.7.17(土)


  晴れ    単独     大河原峠より     行動時間:6H7M


@大河原峠4:11→(32M)→A天祥寺平4:43→(17M)→B亀甲池分岐5:00→(61M)→C横岳6:01〜6:12→(42M)→D大岳6:54〜7:03→(47M)→E横岳北峰帰り7:50〜56→(45M)→F亀甲池分岐帰り8:41→(33M)→G双子池ヒュッテ9:14〜24→(30M)→H双子山9:54〜10:04→(14M)→I大河原峠10:18
                                               


 
@大河原峠の朝の4時頃は、駐車スペースは半分くらいが埋まる程度。 この日は流れが無くて良かったが、せり出すササに天祥寺平までにびしょ濡れになった。 A相変わらず湿地のような天祥寺平。 夕日ノ丘に登った時の取付き点。狙う場合は北東へと斜上した方が楽。
       
B亀甲池分岐 B無風の為、亀甲池が鏡のよう。 C北横岳北峰 C北峰から見る南峰
   
C北横岳南峰 C南峰から南東 C南 C西
       
C北西 C北 C三角点 C南峰から見る頂上駅
       
C南峰から三ッ岳(左)と雨池山(中央) C北峰に戻る。 尾根筋から七ッ池 鎖場。ここが通過できねば引き返そうと思ったが、独りですいすいと降りて行った。
     
たおやかなのは西側。東側は露岩だらけ。 大岳分岐 大岳直下 D大岳
       
D判読できるのは私設標識のこれのみ。 Dお地蔵さん Dタルタルフィッシュバーガーと D大岳から雨池
       
D大岳から臼田の宇宙空間観測所。 D大岳から北側 D大岳から北横岳(左)と蓼科山。 鎖場帰り
       
E北横岳北峰三度  F亀甲池分岐帰り 双子池と亀甲池との峠 双子池雌池
       
池のほとりを G双子池ヒュッテ G雄池 樹林帯から出ると灼熱
       
H双子山  H三等点 H標柱は大河原峠側を向いている。  H双子山から大岳(左)と北横岳(右)。 
       
この標高でもジリジリと焼けるような暑さで危険。 I大河原峠に戻る     




 高速道路の休日割引が、新型コロナの感染拡大の影響だろう5回目の延長宣言となった。これ以前の適用除外は8月11日までで、今週は「明け」として少し走ろうかと志賀高原を予定していたのだが、結局「また」となり、悩むことなくまた八ヶ岳に行くことにした。

 
 横岳。この場合は北横岳と言った方が分別しやすいが、北八ヶ岳ロープウェイでのアプローチで一番登られる山であろう。以前はロープウェイにも犬が乗れたが、今は頂上庭園の坪庭を含めペット禁止になっている。よって近接した横岳の位置づけも、犬連れは微妙に思えた。南側からのアプローチでは禁止エリアが存在するのだから、山頂に居ては辻褄が合わなくなる。ただしここは、北からのアプローチが出来、北の双子池ヒュッテにはフラットコーテッドレトリバーと甲斐犬が居る。禁止と容認の狭間的場所であった。

 
 横岳に登るなら大岳までも足を延ばしたい。しかし双子池から天狗の露地経由では、露岩の大岩が連続していて犬には無理。人間でもかなり足場を気にせねばならない。残るルートとして横岳からだか、ここも天狗の露地側ほどではないが、露岩が連続し乗り越えて進まねばならない。先日、高見石の最後を登れなかった迷犬であり、無理かとも思ったが、横岳側の鎖場が通過出来たらトライさせてみようと思った。よって大岳は横岳側からのピストン。周回にしたいが、犬が通れないコースを計画するわけにはいかない。

 
 1時半に家を出る。前日に梅雨明けし、久しぶりに降られない週末となった。佐久のセブンに寄るも、この日もヤキソバパンは入手できなかった。もう何週も食べていない。蓼科スカイラインに入って行く。広く快適で緩やか、国道299の麦草峠越えより走りやすい印象である。目的地の大河原峠は、外気温は16。歩き易い気温ではあるが、この標高にしては暖かいと思えた。駐車場にはまだ12台が停まるのみだった。快晴日の百名山の登山口。間違いなく大混雑となるだろう。星が奇麗で、しばし眺めつつ夜明けを待つ。北の雲海の間から望月あたりだろうか夜景が見えていた。

 
 4:11出立。迷犬に雨具を着させ、自分も纏った。この装備は大正解だった。足許の流れは無かったが、天祥寺平までは笹の中に登山道が埋没している場所が続く。見事にびしょ濡れとなった。そして天祥寺平は相変わらず湿地のようでズブズブと踏み抜く。滝ノ湯川を渡渉して、夕日ノ丘の山腹を東へと進んで行く。前回はあちこちにシカを見たが、この日は姿は見えず警戒音もあまり聞こえなかった。

 
 進路の南側に赤テープのマーキングが見える。夕日ノ丘はここを目印に取り付いた。マーキングはその目的ではないとは思うが、あるがために判り易い。もう少し東に進むとザレ地形があり、ここから取り付いてもいいとは思う。一帯にはシカが多いのか、迷犬が顔を上げてしきりに周囲の匂いを嗅いでいた。大きな角を拾ったのもここだった。

 
 亀甲池に到着。無風で湖面が鏡のようだった。ここから横岳側へ進むのは22年ぶり。なんとも懐かしいが、22年経過してもほとんど変わっていない印象だった。ルートが沢筋ではないので、あまり荒れないのだろう。九十九折を伝うのだが、だんだんと露岩が増えてゆく。必然的に大岳側はどうだろうと心配になるのだった。なだらかな直線路を経て二度目の九十九折り、肩の場所まで上がると展望が開ける樹林帯から抜け出る。

 
 北横岳北峰到着。誰か居るかとも思ったが、ここが賑わうのは8時20分の始発以降なのだろう。大展望を独り占め、もとい一人と一匹占めする。すぐに南峰へと進む。南峰はさらなる大展望で、北峰より遮るものが少ない。まだ静かな頂上駅が眼下に見える。どの角度を切り取っても奇麗で、人気の場所と言うのはやはり良い展望の場所と言うことになるのだろう。ここで引き返せるのなら楽だが、ここからが本題であった。時計は6時を少し回ったくらい。始発の8時20分には2時間以上あり、大岳への往復に2時間費やしてもまだ静かな山頂に戻れるだろう。ダメもとでトライ。

 
 北峰に戻り東へと降りて行く。尾根南に見える七つ池だが、地形図には4つしか描かれておらず、実際上からは二つしか確認できない。尾根上の直線的な道を伝って進むと鎖場となる。迷犬は躊躇するのかと思ったが、迷うことなくピョンピョンと飛び降りて行った。もう少し時間をかけるのかと思っていたので、いとも簡単に通過して行ったので拍子抜けだった。これでここで引き返す理由は無くなり、行けるところまで東進してみる。

 
 シラビソの中のたおやかな地形が終わり、露岩の連続する中を乗り越えて行く。ここも伝うのは22年ぶり。それでも何一つ変わっていなかった。変わろうにも変われない地形でもあった。大型犬では飛び越えられない、飛び乗れない岩もあり、計4回ほど持上げて通過する。あまり酷ければ引き返す頭でいるが、「ここをクリアーすればあとは楽になる」なんて思っているので、戻るどころかどんどん越えて東へ進んで行く。その途中アクシデント。

 
 迷犬の伝った岩に大量の血痕が見られた。水かきか肉球を怪我したのかと予想したが、確認すると爪が削れ深爪も深爪で、血管の場所まで爪が削れてしまっていた。それも2本。露岩のザラザラした岩肌に爪を立ててグリップさせようとし、登り辛いので何度も後ろ足で掻いて上がるので、その後ろ脚の爪がやられていた。可哀そうなことになってしまったが、ここで引き返したら頑張っている迷犬に可哀そう。もう目と鼻の先に大岳が迫っていた。止血しつつ進んで行く。大岳の上には単独者の姿が見える。分岐に到達し右折。

 
 大岳は露岩の堆積したような高みで、土の場所は乏しい。這い上がるのに力を入れているのだろう時折血痕が岩に見られた。大岳到着。かなり玄人と思われる寡黙な男性が居た。十分展望を楽しんだのか、山頂を譲るように出発して行った。無水エタノールで迷犬の爪先を消毒する。本人は傷をあまり気にしていないよう。治療後も舐める事も無かった。樹木の無い凸峰であり、360度の展望が待っていた。迷犬とでは踏めないかと思って場所に到達出来ての嬉しさもあり、負った傷の分価値のある登頂となった。北を見ると秋吉台のようなカルスト地形があり、露岩が点在しているのが楽しく見える。南にはこの後に向かう双子山があり、山頂部が剥げて雲上園地とか戦時中の滑走路のように見えていた。タルタルフィッシュバーガーを分ちあったら往路を戻って行く。

 
 分岐から北に下れれば楽だが、西進は安全のためのアルバイトなのだから仕方がない。安全と言いつつ流血している事実もある。往路に抱えた場所は、同じように復路もとなった場所もあるが、東進と西進とでサポートする場所は若干異なった。岩穴に落とさないように抱きかかえるのだが、32kgを支えるにも片足しか踏ん張れないような場所もある。西進の方が負荷がやや大きい印象だった。露岩帯が終わりたおやかな尾根歩きとなると、次は鎖場の登り。下りはピョンピョンと降りたが、登りとなると斜面を見上げた後に私の方を向いた。持上げて欲しい時の合図である。梯子の上まで持ち上げてやると自力で這い上がって行った。これで障害の場所は全てクリアーで、あとは特に危険個所は無い。

 
 北横岳北峰に戻る。先を進んでいる大岳に居た男性が休憩しているかと思ったが、姿は無かった。再び爪先を治療する。晴れていていいのだが、嫌なほどに日差しが暑い。まだ朝の8時、既にジリジリと焼かれているような強さであった。水休憩をしたら日差しから逃げるようにシラビソ樹林の中に入って行く。亀甲池までにすれ違いは6パーティー。亀甲池から双子池雌池までに3パーティー。犬好きな人はおらず淡々とすれ違いを繰り返した。峠からの下り路の最後は、結構荒れており倒木がそのまま残り、まだ修繕の手が届いていないようだった。雌池は上からだとコバルトブルーに見えたが、畔から見るとエメラルドクリーンに見えた。畔を伝って行くと、途中のテン場には一張りのみテントが張られていた。

 
 双子池ヒュッテに到着。ソロの女性が居り、ここでやっと迷犬は撫でてもらう。小屋内に居る犬たちは、暑いのだろう外に出てくることは無かった。ベンチで休もうと思ったが、有料で300円だった。こうしておかないと通過者・利用者が多く収拾がつかないのだろう。何でも許すと、自由を許すとコントロールが出来なくなるのだろう。双子山へと登って行く。

 
 観光地らしい人の多さとなった。さすがにパンプスっていうような姿はないが、何も背負わず、手ぶらな老人の姿もあった。この暑さに干からびてしまうんじゃないかこちらが冷や冷やする。双子山の山頂部は、先ほど大岳から見た通り遮るものがない。大河原峠を出発したての人が通過してゆくが、自分を含め健康的な趣味と言うよりは、この日は健康を害する登山に思えた。10時にして既に危険な暑さになっていた。三角点の西側では、ビッグアンテナを設営したアマチュア無線家ががなり声をあげていた。北へと降りて行く。昼に近づいているが、まだまだ登ってくる人が多い。

 
 大河原峠に戻ると、売店前のパラソルベンチの下で、男性が瓶ビールをコップに注いで飲んでいた。ビール好きだからって事ではなく、この日の暑さだと悔しいくらいに美味しそうに見えた。みな車でここまで上がってきている。峠でアルコールを飲める人は一握りだろう。そしてそして、峠一帯はハイカーの車で凄いことになっていた。路上駐車の縦列車両が続き、すれ違いが出来ない単車線路になってしまっていた。特に佐久側が酷かった。せっかくここまで来たので、兜巾の岩に登ってから佐久側へと戻って行く。






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