大山        2225m        十文字山        2072.1m                                                        
         
                                  
                                 
                                                                                                      
  2021.6.12(土)


  くもり       単独      毛木平より      行動時間:4H22M


@毛木平4:03→(65M)→A八丁坂ノ頭5:08→(16M)→B十文字小屋5:26→(35M)→C大山6:01〜16→(24M)→D十文字小屋6:40→(17M)→E十文字山6:57〜7:04→(26M)→F八丁坂ノ頭7:30〜32→(53M )→G毛木平8:25       
        


 
@毛木平駐車場から 十文字峠への分岐 橋通過 A八丁坂ノ頭下降点
       
小屋への水平道 小屋手前の分岐 B十文字小屋テン場 B十文字小屋
   
シャクナゲが見ごろ 根の蔓延る細尾根 先行していたパーティー 最初の鎖場
       
次の鎖場 鎖場の最後 C大山到着 C北側の展望
       
C西の展望。奥に八ヶ岳。 C甲武信岳側 Cコロッケパンと C大山から北に下降。
     
D十文字小屋再び D峠標柱 十文字峠北側の登路 E十文字山
       
E三等点 十文字山から見える大山 十文字峠分岐 F八丁坂ノ頭下降点
       
F八丁坂ノ頭最高所 五里観音の、後ろ側を伝う現在の道。 橋帰り  林道分岐 
       
G毛木平に戻る  駐車スペースに入れず、林道沿いに縦列駐車している車が40台ほど数えられた。みな砂埃だらけ。     




 16日にぐるっと廻ってしまえば楽だったが、武信白岩山の前後は大型犬には困難と判断したために、どうしても2回に分けて計画せねばならなかった。今回はその2回目。十文字山は問題なく登れるとして、大山は鎖場の壁が登れるかどうかなのだが、最悪は鎖場左右の斜面を伝う考えでいた。それでも登れなければそこまで。計画はこの2座で、南進は大山までとした。

 

 1時45分家を出る。三週連続で川上村に向かうのだが、ヒルの居ない場所に行くのは気が楽だった。少し前まではこんな感じで何処へでも山行計画が出来たのに、昨今はヒルの繁殖範囲を気にせねばならなくなった。いずれ犬連れ登山も出来なくなるのではないだろうか。そう思うと、今のうちに登れる場所は登らせてやろうと思う。南牧村のセブンでパンとコーヒーを仕入れてから川上村に入って行く。

 

 毛木平は4時到着で満車になっていた。梅雨時期ではあるがハイシーズンであり、人気の場所であるから当然だろう。こんな中でもいつもスペースがあるのが東屋の前。ベンチがすぐ近くにあり登山前と登山後に都合がいい。トイレの扉のヒンジが壊れているのか、利用者が使うとバタンと大きな音を発する。近くに停めた人は仮眠にならないだろう。用意をしだすと、1台の車から警報音が鳴り運転手が慌てていた。たまに見る光景だが、これも迷惑。20秒ほど鳴り続け、その後静かな毛木平に戻った。

 

 4:03毛木平出発。林道を進み分岐を左に入って行くと、橋の手前のスペースに小屋関係者の車が置かれていた。前回と前々回は、この車は源流散策路側に置かれていた。あちこちに停めている様子からは、今季からのスタッフなのだろうか。橋は造られて18年が経過するよう。やや疲れが感じられる踏板になっていた。ここからの沢沿いの登山道は、以前は超一級路に感じだが、19号台風のせいなのか、だいぶ荒れた印象に変っていた。10年前に通過した時には、五里観音前で挨拶して通過したが、崩落個所があり今は観音様の背中側を通る道に変っていた。観音様の向きを変えるわけにはいかないので、作道関係者ももどかしいだろう。

 

 水場の先から八丁坂に入る。くねくねと九十九を切るが、足に対し負荷の少ない登りやすい道である。八丁坂を登り上げると、西の肩の高み側はロープで塞がれていた。東沢沿いの道はもう廃道って事なのだろう。十文字山への尾根に沿うように、直線的に東進してゆく。初めて周回した2001年では、2000m峰を8座踏んでの帰り、ここの直線路が長く道標がなかなか見えてこないので、ルートを間違えているのかと思ったことがある。

 

 十文字小屋のテン場には3張りのテントが建てられていた。小屋からの出立者もあり、水場でまだ歯磨き中の女性も居られた。シャクナゲはまだ十分見ごろで、重なり合うピンク色で辺りが明るかった。この花見が終わると、根の蔓延る細尾根歩きとなる。連続する足元の障害物に、自分なりのコース取りをしながら迷犬が進んで行く。

 

 大山への鎖場の手前をおばちゃん3名のパーティーが登っていた。発せられる言葉は関西弁で賑やかしきり。話に集中していて後続に気が付かないのか道を譲ってくれる様子もなく2分ほど最後尾を歩く。気づかないことはなく、迷犬には高音と低音の両方が鳴る鈴が付けられ、チリンチリン、カランカランと鳴っていた。鎖場下の急登を前に、立ち止まったタイミングで前に出させてもらう。

 

 さて鎖場。迷犬は見上げてコース取りを思案している。なかなか足を踏み出そうとしないので、西側の苔の生えた斜面を這い上がろうかとも考えた。そうこうしているうちに、意を決してジャンプをしてスタスタと登って行った。見上げつつ力を溜めていたようだった。続く鎖場の壁面も何とか登って行く。登ったはいいがと下りを思うとやや心配で、少し抱きかかえねばならないかと思いつつ後ろを追って行く。障害物が終わり展望ピークに着く。

 

 大山登頂。20年ぶりであった。日差しは無く曇り空。上にも下にも雲がある日で、周囲展望は独特な墨絵のような景色であった。コロッケパンを迷犬と分かち合い休憩十分。北から声は上がってくるが、おばちゃんらはなかなか上がってこない。登頂してから15分経過していた。もう下山しようとした時に入れ替わりで登頂となった。

 

 さて鎖場の下山。往路での気づかいは無用のようにピョンピョンと飛び降りて行く迷犬。徐々に鍛えると、犬もヤギのように岩壁を登り降りできるようになるのかもしれない。一番は体験と慣れなんだろう。犬に限らず人間も同じ。気にしていた通過点が無事に通過でき、この後はのんびりお散歩ハイクとなる。

 

 十文字小屋に戻り、そのまま北進してゆく。三国峠側に向かう道も伝いやすい。入山者が多いからか、餌が少ない為か、地面にシカの糞がほとんどない。この山塊で気づいた事だった。鹿の警戒音が聞こえて入るが、姿を見ない。ただ甲武信小屋の小屋番は鹿が多くなっていると言っていた。

 

 十文字山も20年ぶりの登頂。北に向かう道はもちろんだが、西へ下る尾根にも薄い道形が見られる。おそらくは八丁坂ノ頭へと繋がっていた時期もあったのだろう。今は緑のロープで塞がれている。もっとも尾根の南斜面を登山者が歩くので、落石を考慮して伝えないようにしているのかもしれない。このピークには、行政の標識のほかに、前橋ハイキングクラブの某氏の標識が打たれていた。ここでは河内晩柑で水分補給。予定の2座終了で下山。

 

 西への尾根を伝うか最後まで迷ったが、人の多い場所でありギャンブルは避け十文字峠へと降りて行く。峠からはちらほらとすれ違い者が現れる。八丁坂ノ頭は、西の最高所へとロープを潜って行ってみる。そこはキジ場になっていた。登り上げた後、下降する前にモヨオシテしまうのだろうか。小屋が近くにあるのに・・・。

 

 八丁坂ではすれ違うパーティーのほとんどに、迷犬は好意的に触れ合ってもらえた。最近は本人(犬)も学習したようで、すれ違い時にコマンドを発せずとも伏せの態勢をとるようになった。沢沿いの道を降りて行くと、前方から男女2名づつ計4名のパーティーが登ってきた。そして先頭の男性が「怖いなー」と迷犬を見て発した。後ろに居た女性2名からは「かわいい」と聞こえる。意外と男性の方が犬を怖いと思う人が多いように思う。違うだろうか。

 

 五里観音にしっかりとお参りしてゆく。橋まで戻ると、対岸に大勢のパーティーが見える。このまま進むと橋の途中ですれ違いになるので、渡らすに待機していた。向こうから渡りだし、こちらの姿を認識していながら途中で立ち止まり橋の上から皆で景色を楽しんでいた。登山はスピード競技ではないが、お互いへの配慮は必要だろう。2分ほど待ってやっと渡り切った。パーティー内の男性から「これがゴールデン何とかって犬かい?」と言われる。「毛色は金ではないでしょうに」と訂正しようと思ったが、このおじさんにはラブラドールをゴールデンと覚えてもらう事にした(笑)。

 毛木平までに外国人10名のパーティーもすれ違った。そして毛木平に戻ると車が溢れていた。駐車待ちの車もあり、先日の大弛峠の時のように声をかけられる。着替え場所を譲ると、帰路の林道は凄いことになっていた。ちなみにと数えてみると、縦列駐車が延々と40台並んでいた。そしてダート林道のすぐ脇であり、高級車も大衆車も公平に砂埃をかぶっていた。真っ白で、下山後にこれらを見る持ち主が可哀そうに思えた。これらを見ると、ハイシーズンに入ったことを気づかされる。

 
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