角間山        1981.2m          大ヤリ        1830(1832)m     
         
                                  
                                 
                                                                                                      
  2021.3.27(土)


  雨     単独     旧鹿沢から     行動時間:3H23M


@98番観音入山口5:25→(18M)→Aコンコン平5:43→(38M)→B角間峠6:21→(29M)→C角間山6:50〜52→(27M)→D大ヤリ北峰7:19→(5M)→E1832高点峰7:24〜25→(12M)→F1830南峰7:37〜40→(28M)→G1920m下降点帰り8:08→(13M)→H角間峠帰り8:21→(27M)→I戻る8:48
                                              


 
@98番十一面観音前の余地に置いてスタート。霧雨。 @湯ノ丸山・角間山登山口。 柵の場所で林道幅に出合う。 Aコンコン平の休憩舎
       
Aコンコン平の標識。角間峠まで1.7Km。 途中にも休憩舎 流れのある場所に柵。ここまで牛の糞が続いていた。 鹿沢温泉よりの道に合流。
   
B角間峠 1920m尾根に乗る。 C角間山登頂。 C三等点。
       
1920m下降点から西に向かう。 尾根上は雪が乏しく北斜面を伝う。 1910m付近。スキートレースとワカントレースが、各二人分見られた。 小尾根の南側の小谷が雪が硬く、乗って進む。
       
林道幅があるかのように見える。1820m。 1830m峰へササを分ける。南寄りが薄い。 D大ヤリ1830m峰。ここが大ヤリなのかが不明なので、一帯の全てのピークを踏む。 E1832高点峰は東西に細長いピーク。人工物は皆無。
     
E北側直下まで雪は着く。前週だったら山頂まで雪だったろう。 雪面に立派な角が落ちていた。 1830m北峰に戻る。一般的にはここを大ヤリとしているよう。 F南側の1830m峰。休憩するならここが広く明るい。1830m峰2座と1832m峰を踏み、どれが大ヤリでもOK。
       
Fヤキソバパンと。 F1830m南峰から見る。1830m北峰(右)と1832高点峰(左)。 1930m峰へと登り返して戻って行く。 G1920mの下降点(登山道)まで戻る。
       
H角間峠帰り コンコン平への分岐帰り 99番千手観音前に出る。 I98番観音前に戻る。




 前週の宿題を抱え翌年に持ち越しとも思ったが、まだ滑り込みで宿題を終えられそうなので、連週で湯ノ丸山北の県境尾根に挑む。前週は北側の鳥居峠から。今回は東麓の鹿沢温泉からアプローチする。小ヤリと大ヤリ間が未踏のままとなってしまうが、ササの海を避けたのだからしょうがない。

 

 4時に家を出る。霧雨が降っていた。予報は「晴れ」だったのでオヤッと思ったが、軽井沢まで雨で小諸に入ったら路面は乾いていた。しかし浅間サンラインから逸れて奈良原温泉へと上がって行くと、またフロントガラスを濡らすようになり、地蔵峠は濃霧で鹿沢温泉に到着すると小雨と言っていいほどの雨粒となっていた。だからって、これを理由に中止にするタマではないので決行なのだが、曇り予報で雨ならまだ納得だが、晴れ予報で降られると、納得しかねる(笑)。

 

 99番観音からの登山道は22年前に一度伝っているので、今回は98番観音からのルートを伝ってみる。登山口の真ん前に広い駐車スペースがあり条件がいいのだった。5:25雨具を着て行動開始。雪のない場所は道形が判るが、残雪の場所は登山道が見えてこない場所もあった。幸い古いトレースがあり、それを探しつつ進んで行く。

 

 柵のある場所で林道が横切り、その先6分ほどで東屋がある広い場所に出る。ここがコンコン平と言うらしい。雪の消えた地面には、あちこちに牛の糞が落ちている。シカの糞には興味を持つ迷犬であるが、牛の糞には全く興味を抱いていなかった不思議。草を食べる草食動物と、木の皮や実を食べる草食動物では糞の残留物が違うのかもしれない。道標があり、角間峠まで1.7Kmと読める。右折するようにして林道幅を伝って行く。

 

 雪が緩く何度も踏み抜いていた。迷犬も同じで、その繰り返しがもどかしいようで、歩くと言うよりウサギのようにジャンプしながら進んでいた。経路にもう一か所東屋が見られ、ここから2分ほどで小沢を跨ぐ。沢の左岸側に柵が設けられ、ここまで牛の糞が見られた。柵は傾き、ザックを背負いながら通過するにはかなり狭い通路になってしまっていた。ここから4分ほどで鹿沢温泉よりの登山道に合流する。

 

 鹿沢温泉からの角間峠に向かう道は、コンコン平経由の道に比べると2割くらいの残雪量でかなり少なくなっていた。角間峠に到着し、このまま北にトラバースしてしまおうと考えていたために、西に進み北側を見るが、もうしっかりとササが出ていた。楽をしようと思ったが、上に一度上がって尾根伝いに行かねばならないようだった。角間山側へと上がって行くのだが、大ヤリに向かう尾根上の残雪量が気になるくらいに登山道上に雪が無かった。”今日も踏めないのでは”と歩きやすい登山道をくねくねと登って行く。角間峠からの南面は残雪皆無で、1920m下降点まで上がると尾根の北斜面にたっぷりと残っていた。

 

 目的地が大ヤリなので、すぐに大ヤリへとも思ったが、ここまで上がったのでせっかくなので角間山に寄って行く。大ヤリが踏めない可能性もあるから、とりあえず1座踏んで行こうと思ったのだった。20年以上経過すると、当時を忘れてしまうと思われるが、鎖場や露岩が現れると記憶がよみがえってきた。西から巻き上げるようにして山頂に立つ。

 

 角間山登頂。22年ぶりである。少し晴れそうな気配があるものの、ガスが覆ったままの周囲で展望は無し。本日最高峰なので、ここでヤキソバパンを出したいが、この日の主たる目的地は大ヤリであり、三角点を撮影したらそそくさと往路を戻って行く。トレースの様子から、この残雪期に訪れている人は少ない感じであった。

 

 1920mの下降点から尾根上を西へと進んで行く。雪の消えた尾根上は、ササは腰丈くらいで歩き易い。これなら雪を当てにしなくてもいいと思ったが、多分楽なのは1940mピークまでだったろう。雪を求め北斜面に降りてトラバースしてゆく。1910mまで下ると広い地形が現れ、以西では小谷のような地形も現れ、その北側に小尾根が走っていた。前週に見た、ワカントレースはこの尾根上を進んでいた。もう二つスキートレースも見られた。

 

 小谷の中に雪が集まるのか、そこが固く伝いやすかった。谷形状が無くなると、その先は踏み抜きの連続であった。アルミワカンを持ってきてはいるが、迷犬が踏み抜きつつ頑張っているのに抜け駆けは出来ない。1830m付近の尾根上には、林道幅の残雪が長くあり、道が在るかのようだった。もっとも、昔はここに登山道が在ったのだから、若干はその名残なのだろう。向かう先左(南)側に高みがある。右(北)にもある。地形図からは双方1830m峰となっている。どちらも県境のピークであり、近接して同標高で、どちらが大ヤリなのだろうと思うのだった。さらには西の1832高点峰が正真正銘の大ヤリなんじゃないのかとも。こうなったら思える3座を全て踏んでおくことにした。

 

 南の1830m峰は最後に、まずは北側の1830m峰へ向かう。1820mからの尾根は雪が消え、胸丈のササが出ていた。ここは小ヤリからの植生とほぼ同じに見えた。まともに分けると辛いが、少し南を伝うと薄い場所があった。前週にここに来ていたら、伝えるほどには雪が残っていただろう。この時季の融雪速度は速い。

 

 1830m北峰に登頂。人工物は皆無。通過者の多くはここで大ヤリとしているよう。でもどうしてもすぐ西に標高点を取っている高みの方が大ヤリに思える。と言うのも、角間川と角間温泉がある真田側から見上げ、角間山が名付けられ角間峠も然り、西から見て槍に見えるのは1830峰より西にある1832高点峰だろう。逆に、真田側から以外では槍に見えないんじゃないだろうか。このことを言い出すと、小ヤリも1780高点峰ではなく、1743.3三角点峰の方じゃないかと言わねばならない。そんな思いがあり西に向かう。

 

 1830m北峰からは尾根上に切れることなく残雪があり、伝って1832m峰に到達。最高所だけササが出ていた。東西に細長い山頂部で、探しても人工物は無かった。展望は無く、東の1830m峰より更に悪い印象だった。これで思える2峰を踏んだので、もう一つ南にある1830m峰を踏んでおけば、どれが大ヤリだったとしてもモレはないだろう。トレースを辿りながら戻って行く。3座が近距離だからこんなアルバイトをしているが、もっと距離があったら行動せずに割り切ってしまうかもしれない。

 

 帰路1832mからの尾根上に、立派な鹿の角が落ちていた。往路に気づかなかったが、雪面に落ちているのを拾うのは珍しい。この時季に生体から取れたものとなる。迷犬の大好物なのでザックに結わえてお土産とする。1830m峰に戻り、ここからは迷犬が通っただろう場所を伝って行く。ここの通過で服が脱げてしまっていた。どこかに落ちているはずである。犬に服など不要派であったが、ダニの付着の確認がし易かったり、他のハイカーに犬と視認しやすくするために着させるようにしている。クマと間違えられるのが一番困る。

 

 南の1830m峰に立つ。ここが一番明るい山頂で広さもあった。3座の中では一番の休憩適地(山頂で休む場合)だった。これで前週に抱えた大ヤリの宿題は成し遂げた格好になった。ヤキソバパンで朝食とする。前週に大塚山南と小ヤリ南の藪を漕いでここに来たなら、戻るのにまたそこを分けねばならないと思い、登頂しているものの意識の大半は帰りの藪の通過のことだったろうと思う。それの有無は大きい。東へと戻って行く。

 

 相変わらず何度も踏み抜きをする。外気温は2℃で雨。凍結するのではなく融雪側に進んでいるのだろう。トレースに乗って帰るのがこの日の正解だった。ここにあるスキートレースは、前週小ヤリの方にはなかった。となると小在池川の谷を滑走して行ったのか・・・と思えた。1920mの下降点まで戻り、あとは登山道を伝うだけ。

 

 角間峠からの下りは、ほとんど雪が無く、ルート全体に対し10パーセントくらいの場所しか残雪は無かった。ここも19号台風の影響からか、登山道がやや荒れていた。以前はもっと歩き易い場所だったと記憶する。流れの音を右に聞きながら降りて行く。2週続けてカモシカを見たので、今週もと期待したがそれは叶わなかった。1528標高点の場所に立派な99番千手観音が鎮座する。少し車道を登って98番観音前に戻る。

 

 帰路地蔵峠を通過すると、カラフルな雨具を纏った出発前のハイカーがたくさんいた。悪天だが駐車されている車も多い。この週末で湯ノ丸スキー場は終了なので、大半はスキーヤーの車なのだろう。みな晴れ予報で来ているはず。麓へ降りてゆくとしっかり晴れていた。

 

 振り返る。二回に分けて北からと東から登ったが、本来なら1回で行きたい場所。雪を当てにするなら3月中旬までくらい(降雪量で異なる)だろう。今年は雪が少なかったとも言えるだろう。また暖かく雪解けが早いとも。その雪解け季に登ったので植生もある程度把握できた。強いササの植生の場所もあるが、概ね視界を得られる背丈の笹で、藪ではあるが伝い易い場所だろうと思う。真っ当に県境ラインを進むとササ区間が増えるが、北側などは県境ラインの東側はかなり薄かった。角間山側の1940m肩北側の小尾根も植生は薄かった。

 




    
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