座禅山        2317m      白根山        2578m         前白根山        2373m                
 
  五色山        2379m        
  
   
        
                                  
                                 
                                                                                                      
  2021.10.16(土)


  くもり時々雨    単独     菅沼駐車場より     行動時間:7H25M


@菅沼駐車場3:36→(88M)→A弥陀ヶ池5:04→(18M)→B座禅山(火口への下降点経由)5:22→(55M)→C白根山6:17〜19→(10M)→D奥白根神社6:27〜31→(35M)→E避難小屋7:06→(32M)→F前白根山7:38〜41→(15M)→G天狗平7:56→(19M)→H前白根山再び8:15 →(24M)→I五色山8:39 〜49 →(37M)→J弥陀ヶ池9:26〜35 →(86M)→K菅沼駐車場11:01   
                                             


 
@菅沼駐車場から 上側駐車場分岐 段差の大きな場所が連続する はしご場で進路を悩む黒犬
     
弥陀ヶ池の木道 A弥陀ヶ池分岐 座禅山火口下降点まで進み戻る。 Bルート上の座禅山標柱の場所。
   
B標柱 白根山への分岐再び ごつごつしたルートを伝う。 勾配が増してゆく
       
ガリーを登ってきた(振り返り撮影)。ルートを外れているよう。 ガリー上側。この場所から左への踏み跡に入り完全にルートを失う。 山頂手前鞍部 C日光白根山
     
C角の立った綺麗な二等点 D奥白根神社。風雨が強く雨具を着込む。外気温は4℃。 避難小屋側へ九十九折を降りてゆく。 E避難小屋の扉はかなり重い(渋い)。
     
稜線に居る時は、この一瞬しかガスが晴れなかった。 ずっとこんな感じで見えていたら気持ち良かったが・・・一瞬。 五色池への分岐。五色山への分岐は、尾根頂部を伝っていないと分岐道標が現れない。山腹(南)のルートを伝うと出合わない。 F前白根山
       
F記念撮影 Gルートミスをして天狗平まで進んでしまう。 H前白根山再び 前白根山西側の尾根上にある五色山への分岐道標。
       
I五色山 I五色山の標識 五色山西の池塘 J弥陀ヶ池帰り
       
J秋映で水分補給 J木道を戻る 愛犬家ハイカー夫妻になでなでしてもらう。20分ほど歓談。 上駐車場分岐帰り
       
菅沼駐車場のこの日はガワガラ。私の車が1台あるだけ。 K戻る。




 日光白根山は、犬連れする場合は丸沼高原スキー場のゴンドラを使ってアプローチしようと考えていた。犬が乗れるゴンドラがあるのだから使わない手はないと。しかし始発の時間や百名山への最楽ルートでもあり、間違いなく混雑が予想できる。最終便に対しての時間の制約も考慮せなばならない。この時間的制約を回避させるべく、次に考えたのは金精トンネルからのアプローチ。ただしこれは、金精山北斜面の梯子場をかなり意識せねばならないことになる。だいぶ探したのだが、犬が通過している記録が見いだせなかった。愛犬家はここへのパイオニア的一歩を誰も踏み出していないのか・・・。こうなると、菅沼からのスタンダードコースがいいんじゃないかと思えてきた。最初の楽々コースからだいぶ変化してしまうが、大きく一周すれば金精峠からの下降路もある。入山は菅沼からにした。

 

 1:15家を出る。高速を沼田で降りて120号を伝って行く。久しく通っていないここは、いつ以来だろうかと考えながらハンドルを握っていた。泙川上流の丸山に登った時以来だろうと思えた。菅沼の登山口に着くも、広い駐車場に1台も停まっていなかった。先着から奥の駐車場に停めるのだろうと思っていた。この時はまだ周回を考えていたので、下山口に近い下側駐車場に停めた。すぐに準備をしだすと、黒いハイエースがやってきて料金徴収ブースの場所で停まった。利用方法の解説を読んでいるのだろう。数分後駐車場に入り消灯した。外気温は11℃。

 

 3:36菅沼をスタートする。林道を進み奥の駐車場に着くも、そこには1台も無かった。まだ紅葉シーズンで賑わっていると思っていたが、今年はもう終わっているのかと思えた。分岐からの緩斜面を進むと、コースの場所を示すロープが出だす。これが終わると段差の大きな登りが始まる。迷犬は上手に這い上がって行くのだが、唯一ある梯子場の前で立ち止まった。丸太を半割にしたステップで、足をかけるも滑っていた。左の岩壁にバンドがあり、そこを指し示すと一気に登って行った。この急登が終わるのが、弥陀ヶ池まで0.8kmの標柱付近で、以降は概ね緩い登りとなる。

 

 池面を撫でてくるのか、湿気を帯びた冷気が感じられるようになる。池が近いのが空気の変化で感じられた。弥陀ヶ池の北側で、迷犬は池の水を飲んでいたが二口ほどですぐに止めた。美味しくなかったのだろう。西岸の木道を伝い弥陀ヶ池の分岐に到達、そのまま右折して白根山を目指すのだが、その前にまずは座禅山。弥陀ヶ池より数え3つ目の分岐を北に登る。白根山系はルートが多く分岐が多い。分岐道標が自分の目的地と合致している場合はいいが、そうでない場合もある。山名事典の座禅山は、2317高点で座標をとっている。1998年時は薮を進み登頂したが、この日は迷犬の為、登山道上の標柱の場所でいいだろうと判断した。せめてもは、火口への下降点まで進み、戻ってまず1座。

 

 座禅山登頂。標柱の場所は山頂としては微妙な斜面地。わずかな距離だが、ピークを踏ませるような登山道にすればと思うが、多分ここは白根山に対する通過点なのだろう。南に戻るのだが、風が強く素手では厳しくなり雨具を着込み手袋をした。分岐に戻り僅かに東に進んだら、白根山への登路へと入って行く。白根山まで0.8km。ごつごつとした岩の中を進んで行くと夜が明ける。視界は20mほどで濃いガスの中に居た。ガリー状を進むのだが、向かう先のコルに向かって進むのが正解とは思うが、途中東側に延びている踏み跡が気になった。伝って行くと草付きの場所で道形は消滅し、どうも獣道のようであった。岩混じりの草付きの斜面を適当に這い上がると、右から道形が現れた。伝って進んで行くと、ガスの向こうに高みが見えてくる。この感じは妙高の最高所と似ていると思うのは私だけだろうか。一度下って登り返す。濡れた滑りやすい岩場の最後は、より安全な足場を選び迷犬に進路を示す。

 

 白根山登頂。狭い山頂に誰もいなくて良かったと思えた。西風が強く、気にして踏ん張っていないとよろけそうになる。温度計を見ると4を示していた。吹き曝しで足場もよくないので、南に進み奥白根神社の場所で迷犬にも雨具を着せる。雨も降りだしてきていた。神社にお参りしてから五色沼を示す道標に従い、白ザレの斜面を降りて行く。草原のような避難小屋がある谷に降り立つと、向かう先前方にこんもりとした白根隠山がある。でも今回は端折る。と言うのも、時計をしている左手首が白根山からの下りで急に軽くなった。見るとバンドが切れていた。いやな予感がしていた。

 

 避難小屋到着。中を覗こうかと思い戸を開けようとするのだが、抵抗が大きくすぐに開かなかった。無理に開けるのも面倒なので、結局中を覗かずに通過となった。ここは小屋の裏がキジ場で、その多さに迷犬がすぐに反応していた。食べ物に思えるようで寄って行ってしまう。緩く登って行き主尾根に乗る。白根隠山側への踏み跡が右に見える。北進して行くと、数秒だけガスが取れる時があり、五色沼を眼下に見ることが出来た。沼が見られたのはこの一瞬だけだった。

 

 五色沼への分岐を経て、その先は尾根南の登山道を伝った。後から思えば、この時に尾根頂部の登山道を伝っていればよかった事となる。まだこの時は何も気づいていなかった。23年前の記憶を、この時は全く思い起こせていなかった。23年も経ってしまったから思い出せないとも言える。

 

 前白根山登頂。本日3座目と喜びつつ記念撮影をしたら、そのまま先に続く登山道を進んで行った。この先はすぐに五色山と思い、下ってからの登り返しを待っていた。しかし進んで行く先に見えたのは、「天狗平」の標柱だった。間違って湯元側に降りていたのだった。前白根への経路に五色山への分岐は無かったので、進路を間違っているとは思っていなかった。でも目の前に天狗平の標柱を見てどっと疲れが出てきた。無駄なアルバイトをしてしまった・・・。前白根に戻り、往路に伝った道を左に見つつ尾根頂部を西に進むと、そこに五色山を示す分岐道標が立っていた。ガスが濃い事もミスに影響しているが、南側山腹の道にも道標が欲しかった。と言っても全て自分のミス。23年前に一度伝っているのだから・・・。

 

 30分以上それこそ無駄足に費やしてしまった。下ってからの五色山への登り返しで足が重くなった感じだった。体力的には疲れていないが、ミスしたことで脳が疲弊していたのだろう。そんなこちらの心情を全く判らない迷犬は、スタスタと登って行き、遅いとばかりに立ち止まっては視線を向けるのだった。自問自答している中でのこの視線は、相手が人間でなくても痛く感じていた。

 

 五色山登頂。五色山から五色沼を見下ろしたかったが、ガスが晴れてくれず叶わなかった。迷犬と今日はあんパンを分ちあう。沼田で寄ったセブンには調理パンが無かったのだった。小休止ののち降りて行く。先ほど湯元の方へ降りて失敗したので、湯元側に降りなかった。一瞬でも地図を見たらよかったのに、国境平は15分程だろうと簡単に思い確認を怠った。五色沼への分岐点が現れた時、エッとなった。最初のミスが尾を引き、次のミスを誘引した感じ。このまま弥陀ヶ池に戻って往路を戻ることにした。金精山を踏めないのは残念だが、この天気でもあり滑りやすい梯子場とロープ場が無くなったのはプラスに作用する。往路に体験していれば判るが、いざ下りでその場に立って迷犬が降りられなかったら目も当てられない。そこのためにハーネスとザイルは持ってきたのだが・・・。なんだかんだ言い訳を並べるがミスはミス(笑)。

 

 峠を一つ越えると、見知ったルートが目の前に横切っていた。さぞ賑わっているとハイカーの姿を探したが・・・ない。弥陀ヶ池に着くも自然な色合いがあるだけでハイカーの姿は無かった。みなもう白根の方へ足を進めている時間だと解釈した。水分補給に秋映を齧る。迷犬を連れるようになって、山行中に水を飲むことは殆ど無くなった。強硬な山行をしなくなったから。しかし今日は喉が渇く。2回のミスが影響しているのは間違いない。木道を経て降りて行く。

 

0.8km標識から下の段差の大きい場所を降りて行くと、下から声が上がってきた。そして「ワンちゃんが登ってる」と発しているのが聞こえ、この時点で愛犬家の方だと判断できた。そしてすれ違いで「撫ででいいですか」と確認され、いつも通り「どこでも」と返す。過去一番愛でてもらった感じで、このご夫妻と話し込んでいたら、迷犬は足元で丸くなって寝てしまっていた。それも鼾が聞こえたので寝ているのに気付いたほど。この空間に敵はゼロと、よほど安心しきっていたのだろう。ご夫妻が犬が好きなのが判ったからなのだろう。ご夫妻は、数年前までジャックラッセルを飼っていたと言う。到着時のハイエースがこのご夫妻だったと言う。登りの足止めをしてしまったことを詫び背を向ける。20分以上話し込んでしまった。迷犬も寝てしまうわけであった。この時に3名のパーティーも登って行った。この日会ったのは、この5名だけだった。

 

段差のある場所が終わり、大岩が現れると緩斜面となり広さが心地いい。その向こうに金属光が見えた。ご夫妻のハイエースは上の駐車場まで上げてあった。ここからのピストンなら、それが正解だろう。林道幅を戻って驚いた。菅沼駐車場には当家の車があるだけだった。悪天だったせいもあるだろうけど、スタンダードコースだと思ったのに意外だった。この閑散としている中に、料金徴収ブースに人が居ることは無く無人。この日に白根山を狙った人のほとんどは、ロープウェイを使ったようだった。




 
                       戻る