箕冠山 2590m
根石岳 2603m 東天狗岳 2640m
西天狗岳 2646.0m
2021.7.31(土)
晴れのちくもり 単独 桜平より 行動時間:4H48M
@桜平4:20→(22M)→A夏沢鉱泉4:42→(37M)→Bオーレン小屋5:19→(36M)→C箕冠山5:55→(10M)→D根石岳6:05〜07→(19M)→E東天狗岳6:26〜27→(15M)→F西天狗岳6:42〜53→(14M)→G東天狗帰り7:07→(21M)→H根石岳帰り7:28〜33→(4M)→I根石山荘7:37→(5M)→J箕冠山帰り7:42→(28M)→Kオーレン小屋帰り8:10→(31M)→L夏沢鉱泉帰り8:41〜48→(20M)→M桜平9:08
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@桜平からの林道は、渡渉点での工事が始められていた。 | 工事個所の仮設橋。 | A夏沢鉱泉通過 | 発電小屋 |
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Bオーレン小屋。この日のボイラーの匂いは、臭いだった。 | B分岐から天狗岳方面へ。 | 整備が行き届いた一級路。至極緩やか。 | C箕冠山分岐。最高所は西側のシラビソ樹林の中。 |
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樹林帯から抜け出した場所から。 | D根石岳山頂。相変わらず最高所に標識類は無し。 | D根石岳から天狗岳。 | D根石岳から南側 |
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根石岳から鞍部へ向けて | 白砂新道下降点 | 北側は崩落がより進んでいるよう。エキスパンドのここは嫌がるかと思ったが、われ先に進んで行った。 | E東天狗岳。大展望。 |
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E西側 | E北側 | E東側 | E南側 |
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F西天狗岳 | F西天狗から東天狗。東側からガスが巻き始めている。 | F西天狗からみなみ | Fヤキソバパンと |
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F二等点? | Fお地蔵さん | G東天狗再び | 白砂新道下降点再び |
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H根石岳再び | ハイカーに、なでなでしてもらう | I根石山荘 | コマクサの植生地は花盛り |
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J箕冠山再び | J標柱 | J箕冠山の最高所はこの中。一度行っているので、標柱の場所で箕冠山とする。 | Kオーレン小屋に戻る。 |
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ジャックラッセルと挨拶 | L夏沢鉱泉で小休止 | 仮設橋帰り | 工事個所 |
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桜平のゲートに戻る。夏沢鉱泉のバンは、工事個所の上流と下流側とで、リレー形式をとっていた。 | M「上」駐車場の一等地に停められた。 | 「中」駐車場の賑わい。 |
金曜日の時点で、土曜日の八ヶ岳は雨予報だった。雨なら入山者数は減ると思い人気の天狗岳を計画する。その天狗岳なら唐沢鉱泉を起点にして周回したいところであるが、西尾根を伝った場合、西天狗下の露岩帯が犬に優しくない。唐沢鉱泉発でないとすると渋の湯って手もあるが、もう桜平の一択となった。11日に伝ったばかりではあるが、再び同じようなアプローチをする。
1:15家を出る。いつも通り白樺湖経由で現地入りするが、路面は濡れていたものの降られることは無かった。それより空を見上げると星が出ていた。三井の森からのダートを伝う。中駐車場にはゼロ、上駐車場には7台が停まっていた。昨日までの天気予報ならこんな感じだろう。上駐車場の、ゲートに一番近い特等席が空いており停めさせてもらう。停まっている車のほとんどは、週中から山中に入っている方だろう人の気配がない。
4:20行動開始。雨予報だったので雨具を着て出るつもりでいたが、この時も空を見ると星が見えた。″降ったら着よう″との判断になる。ゲートには工事車両出入り口の看板が出ており、夏沢鉱泉のバンが置かれていた。どこで工事がされているのかと進んで行くと、鳴岩川の渡渉点でされていた。堰堤下に仮設橋が架けられう回路が作られていた。左岸側に進むと、ここにも夏沢鉱泉の車が在った。工事期間中は2台を使ったリレー形式で人や物資を運ぶようになっていた。
雨具を着ることなく夏沢鉱泉を通過してゆく。建屋前の広みで空を見ると青い。予報が外れたのか変わったのか・・・。こうなると入山者は増えることになる。気持ち加速する。ウエストポーチの温度計は12℃だった。涼やかで心地いい。なにか体の中で左上腕部だけが、外気の感じ方が違っていた。触ってみるとパンパンに張った状態になっている。4日前に新型コロナのワクチンを接種し、その晩は針を入れた周囲がこの様になった。今は針を入れた場所から下側120mmくらいの範囲で上腕部が硬直している。変なものは体に入れるべきではないのだろう。超一級路の山道を、迷犬に引っ張られるよう進んで行く。
11日はいい香りと思ったオーレン小屋だが、この日の香りは臭いと思える漂い方だった。やはり燃やすものによって異なるのだろう。分岐から今日は天狗岳へと進んで行く。緩やか斜面の中の登山道、道の場所が雨の流路となっているようで荒れやすいよう。それを丁寧に補修してある。ここでもフェンスを使ったステップにするようで、土は流さず水は流す仕様にするには、このフェンス仕様が効果的のようだった。誰かが滑ると指摘したのか、その上に板が縫ってある場所もあり、これには賛同する。板も冬季は滑りやすいとは思うが・・・。箕冠山が近くなると左右からせり出す枝葉に濡らされる。と言っても苦情ではなく、火照った体にはシャワーのようで心地いいのだった。
箕冠山の分岐到着。分岐道標に「ここは箕冠山」とあるが、本当の最高所は西側で、1998年に一度分け入って到達している。道標の場所より70mほど西であり、誤差範囲を越えているようにも思う。行くのは好事家だけなのか、今も薄い踏み跡さえも無い感じ。ここは経路なので先を急ぐ。等辺鋼で土留めされた先で北側の視界が広く開ける。手前に根石岳、その向こうに天狗岳が聳える。根石山荘に泊まっての朝の散策だろうか、コマクサの群生地で各方面にカメラのレンズを向けている若者が居た。″あっそうだ″と思ってスマホで天気を確認する。雨予報は消え曇り予報となっていた。現地は快晴とでも言いたいほどに青い空があった。
根石岳登頂。ここも23年ぶりに踏んだことになる。北の天狗岳の二峰も奇麗だが、南もまた然りで硫黄岳の向こうに赤岳、中岳、阿弥陀岳と並ぶ姿も凛々しい。八ヶ岳と言う山体の中で、各座の自己主張している様子が見てとれる。こんなに展望を楽しめる日となるとは予想外だった。日差しが暑いくらいになってきていた。朝方は日陰となる、西側を巻くようにして白砂新道下降点の鞍部に到達。まだこの白砂新道は歩いたことがない。
下降点から天狗岳側に白砂を踏んで進むと、頭大の露岩が増えだす。踏むと流れるものも多く、人気のこの山においてのここは、絶えず削られている地形だろう。23年前も同じような感想で山行文を書いた記憶がある。人ひとりが歩くことによりどれだけ崩すのだろう。男女のパーティーがすれ違う。上に行くに従い赤茶色の地肌が増えてゆく。この色はここが火山であったことを強く伝えてくれる。北斜面の崩落地上を、エキスパンドメタルに乗って渡って行く。先代はこんな場所は頑なに拒んだが、二代目の迷犬は気にせず乗って進む。感覚が違うのだろうけど、センシティブではなく鈍感なのかもしれない。
東天狗登頂。誰もおらず静かな山頂が待っていた。見事な大展望。おあつらえ向きな天気とはこのことだろう。茅野側の東側は低い位置にガスが垂れ込め、反対の小海側は高い位置まで雲海が上がってきていた。長居したいが、西天狗が″早く来い“とばかりに誘っている。ガレた足場に注意しながら降りて行く。ここも浮石があるので、バランスが悪くなってきたオッサンにとっては注意が必要だった。鞍部でソロの男性がすれ違う。最後の登り返し。直下でやや登り辛そうにしていた迷犬。
西天狗登頂。東天狗より劣るが、十分すぎる展望が待っていた。東天狗を望むと、先ほどあれほど好天だったのに、僅か15分ほどの間にガスに覆われつつあった。絶好のタイミングで足を進めてこられたと思えた。もう各ピークでの展望写真も撮れたことだし、ガスに巻かれても不満は無く祭りのあと。今日は端からずっとガスの中と思っていたくらいだから、棚から牡丹餅的な日になっていた。また同じルートで戻るのは味気ないが、ここから夏沢峠経由にすると大型犬には伝いづらい場所がある。一級路を伝って登り、一級路を伝って帰れ。陸地測量部も、剱に登るのに長次郎谷の往復で無事登頂し戻れたではないか・・・と思うことにした。戻って行く。
東天狗に戻ると、先ほどのソロの男性が休まれていた。南を見ると、こちらを目指したハイカーがちらりほらりと縦走路上に見える。だんだんと賑わってくるのは間違いなく、天気も予報通りの曇り、ここではガスになってゆく。小休止の後に南へと降りて行く。この頃にはもう東側の展望は全閉していた。白砂新道の下降点から登り返して行くと、ゴールデンを飼っているというマダムが、迷犬を撫でまわしてくれる。迷犬はそんな感情が人間より先に読み取れるようで、目を輝かせ尻尾を千切れんばかりに振り寄って行く。
根石岳に戻ると、振り返ってももう東天狗も見えなくなっていた。南からどんどんとハイカーが登り上げてきている。登頂者に「もう30分早かったら」とか言いたかったが、もう過去は戻らない。ガスが取れるだろう未来を信じるしかない。山頂は10名ほどになっていた。若い女性が迷犬をコネコネと撫でてくれる。その女性の加わるパーティーの中の男性は、ラブラドールの黒を初めて見ると言っていた。そんな人も居るのかと、自分の思う標準が万人の標準でないことを知る。帰りは根石山荘にも寄って行く。
根石山荘東斜面はコマクサの群生地。このような場所は犬連れは要注意。コース内から逸脱しないようリードを短くする。当然小屋関係者も厳しい目を向けてくるはず。当たらず触らずしゃべらず速足で縦走路に戻る。コマクサは6分咲きな感じで、けっこうにピンク色が楽しめた。コマクサにとっては、昨今の暑い日差しはどうなのだろう。か弱い印象があるが、元気に咲いている様子からは強い植物のように思えた。箕冠山へと登り返して行くと、すれ違いのマダムに「すごい良い毛艶だねぇ〜」と言われる。人形は顔が命。犬は毛艶が命。
箕冠山からオーレン小屋に向かうと、男児とそのお父さんらしき二人が登ってきた。男児は疲れ切った顔をしていたが、迷犬を向かう先に見つけたら、ニコニコして目を輝かせて向かって来た。すれ違い時に恥じらうような表情。触ってみたかったのだろう。この二人から30mほど遅れて、先ほどの男児の妹とお母さんらしき二人が上がってきた。女児は怖そうにしてすれ違った。自分より大きいのだからそうなる子も居るだろう。お母さんは迷犬に優しく声をかけてくれていた。この家族の子供らは、多分犬嫌いになる子は居ないだろう。
オーレン小屋前は15名ほどが屯っていた。屯っていたというのは聞こえが悪いが、新型コロナが終息したかのように皆近接して休んでいた。迷犬に声をかけてくださる方も居たが、息を止めて足早に通過してゆく。左岸側のルートで、前方をジャックラッセルを連れた男性二人のパーティーが歩いていた。その犬がいち早くこちらに気づき、リードのテンションが後ろになったので飼い主もこちらの存在に気付く。僅かに犬同士の挨拶を交わし先を進ませていただく。
右岸側のルートとなり、すれ違うマダムから「その犬噛まない?触っていいですか」と聞かれる。「絶対に噛みません。絶対は無いですけど(笑)」と返す。すると嬉しそうに撫でていた。「噛みますか」と久しく聞かれたことが無く、ある意味新鮮だった。その女性のパーティーは4名。私が「好きな人も居れば嫌いな人も居るんで難しいんです」と言うと、その中の一人の男性が「俺ダメなんです」と1.5m以内には決して近づかず、それ以上の距離を保っていた。アレルギーではなく嫌い側の人だろう。見るのも嫌なのか顔までも背けていた。ここまでの人は初めてかもしれない。
硫黄の匂いが漂ってくる頃、前方から凄い人数が上がってきた。このご時世にそんなはずはないと思いつつ、別パーティーがたまたま繋がったと理解した最初。ロートルの先頭者が5名ほどを引っ張り、その後続は全く統率がとれている様子なく歩いていた。私らは立ち止まり道を譲るのだが、やり過ごすのに3分ほどかかった。間延びしたその列の最後の方に「これ同じパーティーですか?」と訪ねると「そうです」と返してきた。「30名ほど居るんですか?」と聞くと「いえいえ20名です」と言った。主催者も参加者も、どんな気分で一緒に歩いているのだろう。群れたいのは、農耕民族としての日本人の性だとは思うが、今の今は世の中を考慮した方がいいんじゃないだろうか。まあ間延びさせたのが、出来るコロナ対策だったのかもしれない。コロナじゃなかったら、訴えてやる!!(笑)。
夏沢鉱泉で小休止。追って来たジャックラッセルと再び触れ合う。11日はここでやっと雨具を脱いだ。その11日以上に雨具を纏わねばと思っていたが、今日は本当にラッキーだった。晴れ間の中で遊ばせてもらった。林道を戻るも、土曜日なら工事をしていると思ったが、渡渉点に作業員の姿はなかった。上駐車場に戻る。