十二山    1240.5m      西唐沢山    1240m         小金石山    1240m                                                                                                                                                                                               
  2023.4.22(土)


  くもり    単独     大柏木林道峠より(林道は一般開放してないので要注意)     行動時間:1H41M


@峠4:37→(2M)→A巡視路入口4:39→(1M)→B鉄塔4:40→(15M)→C十二山4:55〜57→(10M)→D西唐沢山5:07〜08 →(14M)→E小金石山5:22〜29→(20M)→F北西尾根林道出合5:49→(17M)→Gゲート6:06→(12M)→H峠6:18


 
信綱寺東、大柏木林道入口。ゲートは無いが、制約がある。入山時は要注意。 @峠地形の場所からスタート A巡視路入口 B鉄塔
       
尾根上の杭。黄色い頭のものは一カ所見ただけ。 C十二山登頂 C無残な三角点。等級すら分からない。 C登ってきた南西側
   
C次に向かう北東側。 C山名板が見られる。下の矢印はなんだろう。「剣岩」は南1.3kmの位置にある。 以北は標柱は赤いもの。イバラがかなり多い。 D西唐沢山。マーキングのみで山名板等はなし。
     
D西唐沢山から見る小金石山。 広い尾根 小金石山西側の急登。
       
E小金石山(西峰) Eジャンクションピークな感じでマーキングが多い。 Eヤキソバパンと E小金石山の東峰
       
北西尾根を降りてゆく。ヒノキの植樹帯。 鹿よけのフェンスが途中で現われる。 林道幅が西から現れ合流。 林道幅は薮化。
       
下の林道に対する落石防止フェンスのワイヤーがあり、尾根末端は伝い辛い。 F北西尾根と林道の出合に降り立つ。 F降りてきた場所を振り返る。林道幅の入口は、林道に対するフェンス工事のために消滅していた。 Gゲート
       
Gゲートの注意書き  Gゲートの警告 林道途中の広み。駐車はここがいい。 広みから林道幅が東に上がっていた。
       
巡視路入口帰り。 H峠に戻る。  大柏木林道入口の注意書き。  林道入口、沢向かいの彫刻群。




 上田市真田町傍陽地内、2.5万図「真田」を見るとオコウ山の東に「小池」なる沼が見える。ここを訪れようと情報を収集していた。ヤマレコに記録があるようだが、会員登録していないので読みだすことが出来ない。自力で色々探って行く中で、「NPO長野県図書館等協働機構/信州地域史料アーカイブ」を知り、その中で明治時代に書かれた傍陽図を見ることが出来た。小池は描かれていなかったが、天狗岩の北側に「高岩山」と書かれた場所を見つけ、無名峰と思い通過した場所に山名があったことを知った。


 地形図と照らし合わせながらの山座同定。古地図を見るのが面白くなり、東側の旧横尾村や旧長村の地図も見てみる。するとここは、他の地域に比べたくさんの山名がフラれておりワクワクする。図内で、神川と半田入谷川に挟まれた尾根に、3つ山名が並ぶ場所を見つけた。2.5万図では剣岩が麓側に示されているが、その尾根の北に突き上げたピークが十二山で、北東に西唐沢山と小金石山と続いていた。東の、現在の呼び名になっている和熊山南峰で「唐沢山」と書かれている。ここに対する西の西唐沢山とも読め、登山意欲を搔き立てる。


 さて攻め方だが、地形図からは実線路が山腹を取り巻いているような地形。東は菅平発電所の導水管が見えるので、管理階段を使い1100mほどまで上がれるだろうと予想した。そんなことよりも、南西の信綱寺(しんこうじ)側からの実線路を使うのが順当。長い林道歩きになるが、一番体力的に疲れないだろうと思えた。ちなみにと林道を調べると、大柏木林道と知り、バイカーが紹介しているサイトに行きついた。入り口にはゲートが無い模様。しかし、バイクは入れるが乗用車が入れるかは未知数。林道を使い車で上まであがれれば、負荷の度合いは全く違ってくる。


 2時に家を出る。G7外相会議後、いつもの軽井沢に戻っていた。浅間サンラインに乗って真田に入る。外気温は3となっていた。前日は夏日で30を示していた。自然のことと言え異常な温度差に思えた。信綱寺前を通過しカーブの場所からの林道入口に到着する。大柏木林道と読める反対側に、嫌な注意書きが出ていた。「区民・山林所有者以外入山を禁止する」とあり、違反者からは5000円を徴収するとあり、金額からも生々しく効力を持った警告看板になっていた。ここまではバイカーのサイトには書いてなかった。対象は、車でも歩きでもって事になる。さあ困った。撤退か・・・。


 ここで親族を頼ることにした。西隣の傍陽(そえひ)に住まいし、林野には精通している。生業にしていると言った方が正確。不躾な時間ではあるが電話を入れる。ボランティア的に新聞配達をしているので朝は早い。勝手知った地場に、「言っといてあげる」と併せて車が入れることを教えてもらう。一応可能性を思い、今日は四駆の小型車で来ていた。

 大柏木林道に入って行く。入り口に在ったのと同じ警告看板が続く。他にも立入禁止の看板が見られ気持ちよく走れる場所ではなかった。概ね状態のいい林道ではあるが、流れが溜まっていたりする場所は泥濘し、車高のある四駆で良かったと思えた。突き上げの激しい場所もあり、のろのろとタイヤが地面を噛むのを確かめるかのように進んで行く。そして入り口から4.2km地点に分岐があり、北進路にはゲートがされていた。大柏木林道としては北進路が本道のようだった。

 やや野草の覆う東への道に入って行く。最初こそ恐る恐るであったが、こちらも状態のいい林道だった。ただし途中、水路の升が壊れたのか崩落している場所があり、山手側に注意しつつ通らねばならない場所がある(注意喚起か高い位置に白いロープが張られている)。その先に広みが現れ、ここは15台ほど駐車できる。経路ではすれ違い場所が乏しく駐車余地も少ない中では、ここのみ駐車最適地であった。さらに進んでみる。ここまで来たからには主尾根と林道が交差する場所からのアプローチが最短路と思えた。進む途中に巡視路の入り口があり、そこは区有林入口も兼ねていた。その先がY字分岐の峠で、先の広みと駐車場所を迷ったが、通過可能スペースを確保して峠に停めた。風の通り道だったようで、唸るような風音の中で夜明けを待つ。入り口からの距離は5km、往復10kmをチョンボ出来たことになった。


 4:37行動開始。尾根と林道が交差した場所は切通になっており這い上がり辛く、林道を戻って巡視路入口から入って行く。すぐ上に鉄塔があり、到着時から聞こえていた風の唸り音はここが発生源と判った。鉄塔を背にするように北に進んで行く。道形は在るような無いような感じで、シカもあまり伝わないのかシカ道も見られず、糞も少ない印象だった。
下草もなく伝い易い斜面で、あまり労せず最初のピークに到達した。


 十二山登頂。経路には赤いマーキングが目立ち、ここにも縛られていた。その横に「剣岩山」と書かれた板が見られる。山名板なのか道標なのか判らなかった。矢印の指している方は剣岩の場所とも異なる。三角点は、予想外の無残さで、四方が割られ等級も判らないほどになっていた。割って持ち帰っても、分別できないだろうに・・・悪趣味もいいところ。記念撮影をしたら、次の西唐沢山に向かう。


 以北では、尾根上にイバラが現れ、かなり引っかかる。同じエリアの霧隠峰の尾根筋の様子とよく似ている印象であった。一つ高みを越えたら、その先が目的地。相変わらずマーキングが続き、境界標柱も時折見えていた。風に揺らされ、接している立木が悲鳴のような嫌な音を発している。擦れた音とは判っても、その場所を目で探してしまう。害獣ではない事を確認しようとしているのだった。弱い心臓の持ち主であり、リスクヘッジとしては正しいだろう。


 西唐沢山登頂。登頂目的にするには味気ない通過点のようなピークであった。東を見ると、伝い易そうな尾根が降りており、東尾根でのアプローチも良さそうに見えた。北東側に最終座が見える。以北ではイバラの植生は消え快適な尾根歩きとなる。尾根幅も広くなり心地いいゆったりとした地形となった。進路左側が植林帯だが、大々的な伐採があったようで、その大径の切り株が尾根上に続いていた。そして小金石山への最後はやや急登。


 小金石山登頂。ジャンクションピークのような感じで、リボンが賑やかなピークであった。そのまま東に進むと、同標高ほどの高みがあった。まあ地形からは尾根の交点なので西側が山頂と言えるだろう。ここも山名板は無く、現代においては無名峰で推移しているようだった。ヤキソバパンを迷犬と分かち合う。相変わらず外気温は3。風があり体感温度はさらに低い。帰路は、伝った尾根を戻ろうかと迷ったが、周回風味に北西尾根を降りて行くことにした。


 北西尾根も下草は無く伝い易い。もっと言うと道形も無い。そして山頂から4分程降りた辺りから、尾根上にフェンスが現れだす。鹿よけのもので、かなり古く破れている個所も多かった。錆びているので迷犬は見えなかったのか、突っ込む場面もあった。途中でそのフェンスを潜り、右にフェンスを置きながら降りて行く。すると、進む先左側から林道幅が合流した。道幅を追うように進むが、使われなくなって長いようで自然に帰りつつあった。林道幅のまま実線路の林道にに降ろしてくれるのかと期待したが、落石防止フェンスや、そのワイヤーが道幅を横切り廃道もいいところだった。これら障害ですんなり降りられず、行ったり来たりして安全に下れる場所を探して降りて行く。取り付くにしても取り付きにくい場所となる。


 林道に降り立ち南西へと戻って行く。舗装箇所が多く、この林道の不思議だが、麓側より上部の方で舗装が行き届き快適なのだった。起伏の少ない平たん路で、山菜もめぼしいものは見えてこなかった。林道歩き17分でゲートに到着。チェーンの南京錠の所に警告文が下がっていた。南京錠を壊して林道に入る人が居るようだ。何のために・・・。そこまでして得られる何かがあるのか、トメ山のようでもなさそうだった。ゲートから峠側へと進んで行く。途中の広みをお日様の下で見ると、やはりここに駐車すればよかったと思えた。峠に戻る。


 振り返る。林道に進入できたことにより、かなり省力した山行になった。里山らしいと言うか、生活の場でありレジャー目的に出向くには遊び辛い場所ではあった。制約の目的は、不法投棄や不法採集を防止したいのだろうと思う。まあそこまでであれば、林道入口にゲートを設けて欲しかった。誰でも入れるように管理しているのはなぜだろうと思ってしまう。罰則金5000円は、高額ではなく財布からすぐに出せるような金額。財布に優しいが、リアリティーを出し「本当に徴収するよ」と言っているような怖さもある。地元にコネクションがあったので難なくではあったが、一般的には大柏木林道を使わない経路を考えた方が無難だろう。もしくは、しっかり5000円を用意して入るかだが・・・。




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