城山 2339m
2023.10.14(土)
晴れ 単独 桜平(上)駐車場より 行動時間:2H24M
@桜平上駐車場5:52→(4M)→A尾根に乗る5:56→(41M)→B岩屋(岩穴)6:37→(31M)→C城山7:08〜18→(31M)→D2059m林班標柱7:49 →(27M)→E戻る8:16
@桜平上最短駐車場 | A1940m付近。尾根に乗る。 | 1960m付近。マーキング。 | 1962m付近。尾根上に起立岩峰。 |
1990m付近。露岩尾根。この先は進めず北側を巻く。 | 北側を巻く途中の枯れ谷。ごつごつしているが滑り易い岩肌。 | 枯れ谷の中に一筋のバンドが横切っている。 | 2019m付近。古い缶詰。 |
2029m付近。尾根の北側。 | 2007m付近。マーキング。 | 2062m付近。岩に矢印。 | 左の写真のさらに先(東)に矢印。 |
2100m付近。伝い易い地形。 | 2100m付近。城塁のように、長城な漢字に続く露岩。 | 2150m付近。 | 2170m付近。空き缶。 |
2170m付近からシラビソの幼木を分ける。 | B2177m付近。岩屋(岩穴)。 | 2255m付近。尾根上はシラビソの幼木でかなり伝い難い。 | 2258m付近。尾根より西側が植生が弱い。 |
2300m付近から山頂側を見上げる。西側に大きな露岩あり。 | C城山山頂。人工物ナシ。 | Cシャクナゲの薮を予想したが、ほとんど見られなかった。 | C東側の尾根は下って行く。 |
C東から西側を見る | Cヤキソバパンと | C最高所に絶縁テープを残す。 | C山頂西側に明るい休憩適地がある。 |
C西側からの展望。 | 2059m付近でマーキングを追ってみた。 | D2059m付近。林班の標柱。この場所を示していたよう。山中のマーキングは林班の関係。 | D2059m付近。林班の標柱前からの展望。 |
1978m付近。往路に横切った枯れ谷の下。見上げている。 | 1962m付近。往路の岩峰帰り。 | 桜平上駐車場に降り立つ。 | E戻る。 |
秋だと言うのに、まだ秋本来の寒さになっていない今年。10月も半ばなのにまだストーヴ要らずの日々が続いている。そこでまだ狙えるとばかりに、古地図に読める北八ヶ岳の寂峰を目指す。
旧諏訪郡豊平村図に「城山」が見える。箕冠山の手前に前衛峰のように描かれている。その北には尾根の形ではなく独立峰な感じで枯尾山が見える。これら位置関係を現在の地形図に投影するのだが、すぐにその場所を見いだせずにいた。最初は西尾根側の山なのじゃないのかと思えたりした。悩んでいるうちに、旧豊平村の中心街から見ている絵と判ると、桜平の東の、治郎兵衛沢と河原木場沢に挟まれた尾根上の2339高点峰と判断できた。
次にアプローチであるが、3つほど考えられた。等高線の混みようからは醤油樽の滝の東、北西尾根を伝うのが楽そうに見えた。醤油樽の滝までは遊歩道もある。しかし調べてみると、滝上は本職が入るような地形のようで諦める。こうなると、顕著な尾根筋ではないが桜平より登るのが順当。もう一つは、唐沢鉱泉から天狗岳への西尾根ルートからであるが、距離的には断然桜平からが有利であった。気になるのはシャクナゲの植生。どれほどか想定できないが、あまり濃かったら引き返すつもりでいた。
白樺湖を経て茅野に降りて行く。もうマイナス気温かと予想したが、三井の別荘地ではプラス4℃であった。唐沢鉱泉への道を左に見て桜平側へのダート道に入る。橋の工事が終わり重量車両が入らなくなったせいか、以前より状態がいいように思えた。「中」駐車場は既に三分の一ほど埋まっていた。「上」の最短スペースはまだ空いており、突っ込みエンジンを切ると準備を終えた三人連れが出発して行った。さてどんな尾根だろう。ワクワクとドキドキが混在する。岩穴が多く進めないような地形ではないかとか、人間はいいが犬はダメな場所もあり、八ヶ岳で体験したいろんな地形が頭に浮かぶ。
5:52出発。駐車スペースの北側斜面に取付き直登的に突き上げて行く。尾根に乗り上げる手前で、視界にシャクナゲが見えた。”すわっ続くのか”と出がけの勢いを削ぐような感じであったが、見えたのはそこだけで、以降で一切目に入ってこなかった。尾根上はシラビソの植生で、地面は緑の苔が覆っていた。そこに獣のものだろう踏み跡が通っていた。と思ったが、1960m付近で人工物が目に入った。まだ新しい赤いマーキングであった。この時は、この尾根にも好事家が入ってるんだと判断した。先に進み1962m付近には、裏妙義の大黒岩に似た起立岩峰があり、先のマーキングはこの岩峰を登る岩ヤのものだろうかとも思った。
尾根を登って行くと、1990m付近から岩尾根となり頂部が伝えなくなる。南か北を巻くのだが、北を選ぶと細い獣道があった。それを伝うと明るい枯れ谷に出る。谷の幅は4mくらいである。先に進む迷犬が足を滑らし歩き辛そうにしていた。少し上に谷を横切るバンドがあり、2mほど這い上がり横切って行く。再び樹林に入り尾根に戻って行く。危険個所はほぼ無かったが、この枯れ谷の場所だけがドキドキさせられた。巻き終わりの尾根は伝い易く。2029m付近には古い缶詰が落ちていた。これを見て古道があったのか・・・とか冬季ルートなのかと思えた。この缶詰の場所から先も至極歩き易い地形で、2035mには、また赤いマーキングが下がっていた。
マーキングが続いたので、これは間違いなく好事家のものと思い込んでいる中、2062m付近の露岩には、赤ペンキで矢印がされ、さらに東側の岩肌にも二つの矢印が見え、この頃にはもう古道が在り、それらの場所をマーキングと赤ペンキが示しているものと思った。ひと気のない尾根と思ったが、意外や人の気配がする尾根と印象が変わった。分け進む超藪山ではないかと思っていたのだった。
2100m付近からは、露岩が細く続き、それが城塁のように見えた。八ヶ岳で「城山」と言う名前に違和感を抱いていたが、ここを目の当たりにして、まさしく城山だと思えた。その岩尾根の北側が歩き易く、苔の中に踏み跡が登って行っていた。露岩が無くなり尾根頂部に戻ると、2167m付近には古いオレンジジュースの空き缶が見られた。先ほどの缶も昭和風味で、過去のルートであったろう事が判る。この辺りから伝い易さが一変、シラビソの幼木を分けて進む感じとなり、進度がやや落ちる。
2177付近には、大きな岩穴があった。南向きの明るい造りで、獣も入ることがあるのか、そこへの地面は踏まれていた。さてここから、ここから上の尾根上はシラビソの幼木薮でかなり密度が濃い。その中に獣道が在り、迷犬はそれを追えるが、人間はそうはいかず大ブレーキとなる。しばらくの我慢かと思ったが、その植生は続き途中で西側へ横ズレしてゆく。すると尾根より西のカールした谷斜面は植生が弱く楽に登って行くことが出来た。ここの通過は大きく尾根を西に外した方がいい。
登って行く斜面には倒木は見えるが、大きく邪魔をするような植生は見えない。山頂だろうか左側に岩峰が見上げられる。そこに登り上げると、東側に細尾根が続き高度を増して行っていた。ここまで来ればもう登頂したも同然、思っていたほどの苦労もなく到達することが出来た。
城山登頂。人工物は皆無。麓側で見た赤いマーキングも2060m付近での赤ペンキを最後に見ることは無かった。登山者のものではなかったことになる。東へ進むと尾根は落ち込み、そのまま伝って行けば西尾根側へと抜けるのだろう。山頂は細長い尾根筋で、その地形からは城山と言うには相応しくなかった。最高所の10mほど西が明るく、木々の間から西北西のみ展望が得られた。天狗岳や箕冠岳も見えることは見えるが、望み楽しむほどには見えなかった。迷犬と久しぶりにヤキソバパンを分ちあう。そしておそらく誰の目に触れることもないであろう絶縁テープを残す。帰路は同じコースを戻る。
シラビソの植生の濃かった場所は、当然のように尾根の西側を降りて行くが、漕ぐ場所をゼロにすることは出来なかった。それでも尾根側とは雲泥の差で楽であった。2059m付近で赤いマーキングが目に入り、その案内する場所を伝って行く。するとその先には八ヶ岳でよく見る林班の杭が沢山立つ場所が見られた。この場所を示しており、その林班の境の関係でマーキングがされたことが判った。マーキングは林業関係者のものであった。この杭の場所は展望がよく、南西側が広く見渡すことが出来た。八ヶ岳も紅葉してきていることが眺め知ることが出来た。
2059mの杭からは、少し赤いマーキングを追ってみた。すると、真西に降りて行く尾根にフラれているようで続いて行っていた。登ってきたのは、その一つ南の尾根で、その南にも見られたので、近接した尾根上が林班の境になっているようであった。途中から一つ南の尾根に戻るべく降りて行くと、ややゴーロ状の地形となり流れが伝った跡と判る。上流側の明るい場所を見上げると、往路に横切った枯れ谷であった。上で足を滑らせばここに落ちてくることになり、高低差は40mほどに目測出来た。枯れ谷の下は緩やかな地形で、南に戻るよう進んで行くと、往路に見た起立岩峰の場所に出た。
再び見えだした赤いマーキングを伝うと、急斜面を下り「上」駐車場に降り立った。林道を僅かに下り駐車場所に戻る。秋晴れの日、もっと混んでいるのかと思ったが、上駐車場は8割ほどであった。今は皆「中」駐車場に停めるのかもしれない。トイレもあることから。
振り返る。朝露でびしょ濡れになりながらと予想したが、雨具も必要としないとても歩き易い濡れない尾根であった。ほぼ展望が無いのがつまらないところ。ゼロではなく林班の杭の場所のように知っていれば休憩適地だろう。人が入らない場所だけあって、苔がとても奇麗であった。シカの警戒音が、いつも以上に近くから聞こえていた。