黒姫山
2053m
2023.11.4(土)
くもり 単独 西新道より 行動時間:5H
@大橋駐車場5:01→(52M)→A新道分岐5:53→(96M)→B黒姫山7:29→(63M)→C古池北岸分岐9:32→(24M)→D古池入山口9:56→(5M)→E大橋駐車場10:01
@大橋駐車場から | A林道ゲート | 林道分岐 | 林道から山道に |
A新道分岐 | A新道分岐道標 | ブナ林の中の道 | 「しなの木」 |
1900m付近。外輪尾根に乗る。 | しらたま平 | しらたま平から古池 | しらたま平から戸隠側 |
1998高点峰 | 外輪尾根と下界 | 快適なスカイライン | 尾根から飯縄山 |
もうすぐ | 大池への下降点分岐 | 直下の岩場は、2カ所ほど大型犬には困難。 | B黒姫山 |
B北 | B東 | B南 | B西 |
B野反湖と斑尾 | B後立山 | Bヤキソバパンと | 帰路しらたま平付近より・・・。鎗を見ているかのよう。 |
新道分岐帰り | シナノゴールドのシーズンに入った。 | こちらのルートもブナ。 | 木橋で |
C古池北岸分岐 | 木道は、一部湿地よりの水で水没。 | 古池にあるので、この祠は水神様だろうか。 | 古池西岸から |
西岸を南進。 | 古池から見る黒姫山 | 古池からの下降点分岐。 | D古池入山口 |
D一帯の案内図 | E大橋駐車場に戻る |
いつもの11月であれば、雪が乗り始める2000m峰を狙う事はせずもう少し標高を下げて遊ぶ事をしていた。犬連れになってからは、リスクを減らすためにもよりそうしていた。がしかし今年の暖かさは異常であり、場所を選べばまだ普通に計画出来てしまう。夏に暑すぎたので、その分を今遊ばせてもらえると考えればいいかもしれない。
黒姫山に登ったのは、19年前の積雪期。まだまだ元気な時で、佐渡山と御巣鷹山を抱き合わせにスキーで行動している。私自身が無積雪期の黒姫山は未体験であり、迷犬が未踏の場所としても適当な場所であった。肝心な部分として、人気の場所でありながら「犬禁」では無いようであり、西新道経由であれば、大型犬も登れそうと思えた。
2:40家を出る。すぐに上信越道に乗り更埴ジャンクションを経て信濃町で降りる。そこでの外気温は6℃であった。ここでも暖かいのかと不安になりつつ戸隠へ車を進める。大橋が近くなると3℃を示し、”こうでないと”と少しホッとする。それでも暖かいだろう。駐車場には既に北側に3台停まっていた。うち2台はエンジンをかけたままで室内灯が点けられていた。フェンス側を選びエンジンを切り、2台よりの監視状態の中にすぐに準備を始める。
5:01出発する。ゲート前に足を進めると、ヘッドライトが追ってきて後ろから声がかかる。「雨飾りですか?」と聞こえ返答に困り「違います」とだけ返す。ゲートを跨ぎ進むのだが、かけられた言葉が意味不明で悶々として歩いていた。黒姫山を雨飾山と言い違えたのかとも思ったが、これだけ違う場所に居て間違うだろうかと思うのだった。そんな中、懐かしい小屋が左に見えてくる。雪の中に見ている小屋であった。19年前がハッキリと蘇ってくる。しばらく考えている中で、ハッと気が付いた。「アマカザリですか?」ではなく「アマゴ釣りですか?」だったのではと。どちらに転んでも「違います」なのだが・・・。この後しばらく、雨飾山とアマゴ釣山を何度も口にして歩いてゆく。
道標のある林道分岐は、19年前は西(左)に進んでいる。今日は右へ。そしてその先で林道を離れる。地形図からは林道伝いでもいいようであった。5時40分くらいから夜が明けだすが、この日は曇天のようで東の空は雲が覆っていた。関東側に居るとこの天気にあまりで合わないが、裏日本と言うか日本海側らしい冬の空な感じであった。途中に道標の無い分岐点もあり、より太い方を選びながら緩やかに高度を上げて行く。
スタートから50分で西新道分岐点。ブナ林の中の一級路を緩やかに登って行く。植生からはここの適期は春と思えた。新緑の頃は奇麗だろうと想像できる。登るに連れ勾配が増して行き、先行する迷犬が遅いとばかりに振り返る回数が増えて行く。野生生物の足音だけがガサゴソと周囲から聞こえていた。
新道分岐から、ちょうど1時間程で外輪尾根に乗り上げる。ここからは緩やかなスカイラインで、展望がいいのでよそ見が多くなる。しらたま平から振り返り、この日初めての白き後立山に出逢う。真っ白に雪を纏っていた。お日様が上がったこともあるが、ここでの外気温は5℃であった。進行方向左に御巣鷹山があるが、雪が無いと東側を何処をどう滑ったかは想像できず、一方で苦労した西側斜面は、辛かった分だけ懐かしく見ることが出来た。1998高点峰で軽くアップダウン。七ッ池への下降点を過ぎ目的座が近づくと露岩が増し、迷犬は2箇所で進めず助けを求めてきた。抱き上げ進ませてやると、強く尻尾を振っていた。
黒姫山登頂。こんな山頂だったんだと初めて見る。前回は祠の屋根しか見ていなかった。カラッとは晴れていなかったが、十分な展望があり春霞のような味わいのある景色でもあった。季節柄の紅葉を楽しむには今一つ。もうここでの紅葉は終わっているので、それこそ枯れた景色であった。祠の中には3つの神様が並んでいる。みな格好いい名前の神様である。センターは毘沙門天ではなく、大毘沙門天王であった。ヤキソバパンを食べたら下山に入る。
露岩の中を降りて行くと、ソロの方がすれ違う。見るからに不機嫌そうで、その視線を迷犬に向けていた。伏せをさせ通過してゆくのを待つ。連れる側のリスク、万人が好きではなく嫌いな人が居る。まあバファローズが好きでタイガースが嫌い、タイガースが好きでバファローズが嫌いな人も居るわけであり・・・。1998高点を越えるとさらに一人が見えてきた。先ほどのこともあり構えるが、その男性は遠目にも笑っていた。会話を交わすと北陸の言葉を話していた。一番近県の「富山の方ですか」と聞いたら「石川です」と返ってきた。富山弁も金沢弁も分別できなくなっている自分が寂しい。御仁は以前にゴールデンを飼っており、迷犬を嬉しそうに撫でてくれていた。たった2名でも両極端、これが世の中である。
しらたま平を経て外輪尾根から下りだすと、ちらりほらりと登りがすれ違う。この日は新道分岐までに16名とすれ違った。分岐でシナノゴールドで水分補給。そして帰路は古池側へと進んで行く。周囲は往路側と同じような植生だが、伝って面白いのは林道歩きの無い古池側だろう。流れを跨ぐ場所では、迷犬が美味しそうに水を飲んでいた。その後に泳ごうとしていたので、さすがに冷たそうでそれは制止した。
古池に出合う場所には道標は無かった。西側に木道を伝って行くと広みに出て、そこに祠が祀ってあった。先ほど山頂に「七ッ池竜王」とあったが、ここも古池何某の水神様だろう。あちこちに池があり水神様が居り喧嘩し合わないのだろうか。西岸から南進して行き、水門の先から下側へと下る。ここの分岐道標がやや見え辛い。派手になりすぎずに、自然と調和している道標であった。
降りて行くと36号の車道の音が強くなってくる。それも頻繁に通過している。全ては戸隠への観光客だろう。入山口には立派な案内図が見られた。よって本来の登山口はここって事だろう。頻繁に通過する車両にびくびくしながら西進してゆく。路側帯の白線がほぼ消えてしまっており、運転手には車道にはみ出して歩いているようにしか見えなかっただろう。目的地へと急ぐ高速走行での通過が多く、この日最大の危険個所であった。駐車場はほぼ満車で、林道側にも縦列駐車され、どんな奥の手があるのかゲートの向こうまで停まっていた。