みみ石        1664m                                                                                                                                                                                                      
  2023.2.25(土)


  くもり    単独    木賊峠より     行動時間:2H17M


@木賊峠5:05→(18M)→A1500m(小沢を跨ぐ)5:23→(46M)→Bみみ石6:09〜16→(38M)→C1500m(尾根末端)6:54→(29M)→D木賊峠7:23  
                                                                                                                                           


 
@木賊峠から。駐車スペースは西の東屋側にも十分量ある。車中泊者が居たのでここに停める。 出だしは標高を170mほど下げる。破線路の場所であるが踏み跡はかなり薄い。1660m付近。 1640m付近の谷のノド地形。ゴーロでガラ場で流れも混ざる。 左岸側にロープが流してある。
       
1580m付近。傾斜が緩み歩き易くなる。 1535m付近で左岸に上がる。マーキングが見られ、これは山中にかなり散見できた。 A1500m付近。東側からの谷の出合。平たん地で山梨らしく一升瓶などが転がる。 A散弾の薬莢などもあり、ここでは猟がされるよう。要注意。
   
A東側に進むと、小さな流れを跨ぎ、その先に踏み跡が見られる。 炭焼き窯跡も点在。 東の谷を登って行く。最初こそ伝い易いが・・・。1510m付近。 1530m付近。勾配が強くなり、足許が流れやすく、南の尾根根へと向かう。
     
1550m付近。尾根の北斜面にもこのマーキングが見られた。 1585m付近で主尾根に乗る。 1670mの肩最高所。 1680mピーク
       
ミツバツツジが見ごろ シロヤシオも2株ほど見られた。 1665m付近からはシャクナゲが現れる。こちらも見ごろ。 シャクナゲの中に道形あり。
       
1690mピークは西側を巻く。道形あり。 1670m付近。露岩が多くなる。 みみ石への最後は岩場風味な場所を這い上がる。 苔むしているので濡れている時は注意したい。
       
Bみみ石登頂。南から見ている。 B私設標識が3枚あり。壁材もしくは床材仕様。 Bコンパネに彫刻仕様 B「甲府ワンドラー」の標識。
       
B絶縁テープが最高所に見られる。標高が書かれている。 B北側に岩屋になる露岩がある。二人ほど入れる。 シャクナゲ帯の下り。 シャクナゲの場所から金峰山側が望める。 
       
つぼみからの濃い発色のものもある。 尾根は1670m付近から狭まる。 1610m付近。急下降が続く。 C1500mの尾根末端から、降りてきた場所を振り返る。
       
C小さな流れを跨ぎ戻って行く。 1550m付近まで左岸が伝える。以上は沢の中。 1590m付近。流れあり。 二俣は左(西)へ。
       
落ち葉も多く、動く石も多い。そして流れがある。ロープ側を進んだ方が楽な感じ。 もうすぐ木賊峠。 一帯の所有者は金櫻神社となっている。 D木賊峠に戻る。案内看板裏のいたずら書きが猥雑。
       
西の東屋。袴腰(展望台)への登山口。 木賊峠の標柱がある。ここから南を望むと・・・。 真正面にみみ石が見られ、伝って来た尾根を目で追う事が出来る。   


 山梨県内の名山をピックアップしたものとして「山梨百名山」は有名。鋸岳には、その標柱設置者氏と登らせていただいた。これに対し、「甲斐百山」なる選定があることを最近知った。メジャーな山の「山梨」に対し、「甲斐」の方は
好事家が登るような場所が多く、好みで言うならば「甲斐」の方が楽しそうに思えた。ようは藪山が多いのだった。その甲斐百山の中から未踏の場所を探すと、嬉しいことにちらほら見られた。今回はその中の「みみ石」を訪ねる。

 
 木賊峠の南に位置するみみ石。通常なら昇仙峡側からアプローチし、黒平地区から登るのが順当だろう。しかしここで、上州からの距離を思うと「下る」アプローチの木賊峠からのルートの方がいい。3月より坐骨神経痛が右足に見られ、痛みを我慢しながらアクセルを踏む状態が続いている。不思議と歩くのには不便は無いのだが、座っての運転姿勢では如実に症状が現れ無痛運転距離は30kmほどで、それ以上は痛みで都度休憩を入れないとならなくなっていた。そんなこんなで近い方で計画することにした。

 
 2:00家を出る。木曜日の時点では雨予報の日であったが、西からの雨雲の動きが鈍化したようで、前日予報では午前は降られないで済むようになった。R254からR141と伝い川上村に入って行く。5月は収穫期を外れているようで、高原野菜畑からは何処にも投光器の灯りは見えなかった。信州峠を越え瑞牆山荘に向かってゆくのだが、途中から後続のヘッドライトに煽られる。坐骨神経痛の影響でアクセルとブレーキが機敏に踏めずゆっくりと走っていた。それでも時速50kmほど出ていたと思う。登山口に急ぐハイカーは瑞牆山荘の所で左折して行き、以後はマイペースで走ることが出来た。途中には山菜採りらしき夫妻が、軽トラの荷台に腰かけておにぎりを食べている風景もあった。

 
 木賊峠到着。駐車予定をしていた東屋の方へ行くと、先客と言うか車内に湿気を溜めた車が1台居た。車中泊をしているようであり、ドアの開け閉め音を気にして車道側のゼブラゾーンに停める。外気温は6。風は無く寒いと感じるほどではなかった。以前この場所から袴腰に登ったのは16年前。再びこの場所から出発する山が現れるとは思わなかった。当時、みみ石の存在など全く知らなかった。

 
 5:06木賊峠から下降開始。寒沢川に至る破線路の場所であるが、それらしい踏み跡は見えない。沢筋にルートを付けたので、そもそもが豪雨などで荒れやすい場所なのだろう。2019年の19号台風などもあり、ここも影響を受けているはずである。樹林の中は土の乗った斜面を伝い、その下側の沢筋に入るとガラ場が続く。枯れ沢ではなく流れもあり落ち葉の堆積もあるので下の様子が判るのは、踏み下ろした足が着地した後であった。1640m付近は沢筋が狭くノドのようになっており、ここはコース一番の悪場で、滑りやすく石が動き易く落ち葉も深かった。いつのものか古いロープも流してあった。

 
 1580m付近まで降りると勾配が緩みかなり歩き易くなる。相変わらずのガラ場ではあるが、この辺りから右岸が存在し本流の場所から少しオフセットして歩くことが出来る
。1540m付近からは、左岸に林道幅があるような雰囲気で乗り上げてみる。オレンジ色のマーキングがあり、何となくではあるが破線の場所は左岸のように思えた。獣道を含め踏み跡はほとんど見えず、獣も少ないようだった。

 
 1500mまで下り、ここで沢筋を離れる。散弾の薬きょうが二つ転がっており、猟がされる場所と判る。東側に進むと細い流れがあり、その左岸側に明瞭な踏み跡が見える。計画ではここから尾根に取り付くつもりであったが、道形の向かう方角が東へ谷筋であった為にそのまま詰めてみる。途中までは伝い易い地面であったが、1520m以上では、足元が流れる緩い地形となる。迷犬も伝うのが嫌そうで北側の斜面に這い上がろうとしていた。1550m付近で人間も辛くなり、ここで南の主尾根側へと向かってゆく。その途中、尾根に対する北斜面であるが、ここにも先ほど見たオレンジのマーキングがちらほら見られた。

 
 1580m付近で主尾根に乗る。斜度はあるがあからさまに歩き易くなる。やはり足場がしっかりしているのがいい。1600m付近でサイゴクミツバツツジの紫色が出迎えてくれる。ちらほらと紫色が見られる中、シロヤシオもあり、久しぶりに見る白花に嬉しくなる。群落ではなく、少し登った場所にもあり目にしたのは僅か。それがために希少に思えた。1640mで尾根の肩に乗り上げ傾斜が緩む。1670mの高みを経て、1680mの高みは顕著な地形かと思ったが、いずれもダラッとした尾根地形であった。

 
 1650m付近からは、今度はシャクナゲが現れる。シャクナゲは藪山において歓迎されないが、花季である今は、その見事な花に見とれてしまうほど。ちょうど見ごろで枯れた花もなくきれいな状態で鑑賞することが出来た。枝葉を分けて進まねばならないと思っていたが、シャクナゲの中にしっかり道形が出来ており斥候役の迷犬も労せず通過してゆく。このシャクナゲ帯は見事で、十文字峠のあの一帯より見栄えがする印象であった。細尾根になってからはアップダウンの連続となる。

 
 1690mピークは、ゲジゲジマークの描かれた西側を通過する道形が在る。露岩が続き
先が見えない場所もあり探るように尾根を進んで行く。みみ石への最後は木の根と岩が混在した場所で斜度も強い。迷犬は少し躊躇したが、考えた末にルートを見出したようで自力で登って行った。そして山頂の北側には、庇の張り出した岩があり二人分ほどの岩屋になっていた。

 
 みみ石登頂。私設標識が3枚見られ、最高所の立ち木には絶縁テープが巻かれ、そこにも標高が記されていた。360度どの角度も展望は得られない。今日はヤキソバパンも総菜パンも入手できず、迷犬のおやつはおあずけ。だからって不服そうな顔をしない彼ではあるが、いつものようにパンを貰えないので、物欲しそうな表情をしていた。南に少し進んでみたが、あまり展望得られないのですぐに引き返す。さて下山。下っての登り返しではあるが・・・。

 
 露岩を縫うようにアップダウンをして行き、再びシャクナゲ帯となる。往路では気づかなかったが、この辺りからは金峰山が望め五丈岩の突起がそれと良く判る。シャクナゲの花は濃い色から淡い色まであり、様々な発色具合を楽しむ事が出来る。広い尾根から狭い尾根へと変わるのが1670m付近で、それが為かマーキングが縛られている。尾根が痩せると勾配も強くなり、靴のエッジを利かせながら足を降ろして行く。往路は北斜面から這い上がってきたが、帰りは最後まで尾根を伝ってみる。急な場所に何となくだが踏み跡になっている。好事家が伝ったものだろう。

 
 1500mの沢筋の出合いに降り立つ。ここは心地いい平坦地で炭焼き窯跡も見られる。下りはここまでで、峠までの登り返しが始まる。左岸側を伝えるところまで伝い、1550m付近から沢の中に入る。往路に二俣を経て降りてきているので迷う事は無いが、上部で二俣になっているので初登の場合は地形図で確認する場所となるだろう。西側の沢に入って行く。そして狭くなった悪場で、足元が動かない場所を探しながら濡れた中を這い上がって行く。その先はさらに急になるので、東側の樹林帯へと入ってしまう。西にゆるく弧を描くように峠に戻って行く。車道に出る手前に板切れが落ちていた。裏返すと植林帯の所有者が書いてあり、一帯は金櫻神社の所有物と判る。舗装路側から案内板を見た時には気づかなかったが、その絵図の裏には猥雑ないたずら書きが3つ書かれていた。

 
 到着した足で東屋の方にも行ってみる。到着時に見た車が位置を変えてまだ停まっていた。峠標柱の前から南を見ると、なんと嬉しいことにど真ん中にみみ石の山体が見られた。何も知らずに前回はここから眺めていた。見える山がみみ石と判って眺めると、登った後だとちょっと嬉しかったりするのだった。

 
     

    

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