天狗ノ鼓   1520m                     

 
   2016.1.16(土)    


  晴れ    単独     観音峠大野山線終点ゲートより    行動時間:51M 



@ゲート6:46→(3M)→A沢出合(西尾根末端)6:49→(11M)→B第3堰堤下渡渉(登った谷出合)7:00→(12M)→Cコル7:12→(3M)→D天狗ノ鼓7:15〜18→(17M)→E西尾根末端7:35→(2M)→Fゲート7:37


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@クリスタルラインは冬季封鎖かと思ったら、崩落もあるよう。 A沢沿いの治山用林道に入って行く。復路に下りてきたのは右の尾根。 林道途中から見る天狗ノ鼓。 沢の右岸が広く伐採地となっている。送電線下付近。
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第1堰堤。堰堤の上はスケートが出来そうなほどに広く凍っていた。 第3堰堤。この下流を渡って行く。 B渡渉点と、その先にコルへ突き上げる谷の出合がある。 谷の途中。
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コル直下 Cコルに乗り上げる。 北側の立木に、赤ペンキが塗られている。 山頂直下
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D天狗ノ鼓。東から西の様子。 D赤い絶縁が残る。 D瑞牆山 D2007年7月に、同じ標高なので座標を間違ってしまった北側の1520m峰。※作文内に現地誤記に対するお願いが書かれている。
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大日岳や金峰山側 北西尾根を下りに使う。 途中の緩斜面 尾根末端の様子。
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E林道に降り立つ。 ゲートに戻ると猟師が開門して林道に入って行くところであった。 Fゲートと駐車の様子。  




 2007年7月、五里山から南西に尾根を伝い1520m峰に立った。てっきりここが天狗ノ鼓だと思っており、絶縁テープに山名まで入れて残してしまった。しかし本当のピークは沢を挟んだ南側の標高点を取っている方の1520m峰であった。2.5万図「瑞牆山」で唯一残った場所。変な残し方をしてしまったために、気になるようで気にならない、気にならないようで気になる場所となっていた。

 
 前週は、少し長めに歩いたので今週はインターバルとして楽な場所を選ぶ。そして落ち穂となっていた天狗ノ鼓に行く事にした。マイナーな場所だけに、ヒットするのはSK氏の山行記くらい。氏は巡視路を使って容易に登り上げている。狙うにあたり南西尾根か西尾根かとなるのだが、送電線鉄塔(巡視路)がある南を選ぶのが普通に正解なのだろう。最短・最楽であることから同じルートを考えていた。

 
 1:10家を出る。野辺山越えではマイナス12℃まで冷え込んでいた。須玉まで降りて増富温泉への韮崎増富線を進んで行く。途中のみずがき湖のビジターセンター駐車場で満天の星空を楽しみながら仮眠を入る。夜が白み始めたら本谷川を遡ってゆく。以前はガチガチに凍っていた時もあり気にして進んでいたが、増富温泉から先ではそのような場所は無く安心して走れる舗装面で続いていた。

 
 しかし林道観音峠大野山線終点となる瑞牆山荘への分岐ではゲートが閉じていた。大した距離ではないので困ることではないが、進路が塞がれるといい感じはしない。冬季封鎖かと思ったら、それだけでなく崩落もあっての封鎖のようだった。これだと雪解けしてもクリスタルラインは塞がれたままかもしれない。分岐点は駐車余地は十分、その点ではいい場所に停められ出発となる。

 
 ゲートを越えて東に進んで行く。まず最初に水線の書かれた小沢を跨ぐ。そこに枝林道が入っているのを見つける。入り口には強固なゲートがある。何処に連れて行かれるのか、伝ってみようと思えた。ゲート脇から東に入ってゆく。最初は状態が良く快適。進む先に円錐形の目指す天狗ノ鼓も見えている。しかし4分ほど入ると道は荒れ、流れで抉られたような場所になる。適当に左岸側を伝って行くと、途中に右岸へ導く木の橋が見えた。流れは無いので橋の利用価値は無いのだが、ここから右岸側を伝う。向かう先は伐採された斜面が明るく広がっていた。ここがちょうど送電線下あたりであった。

 
 最初の大きな堰堤が見えてくる。巻き上げると堰堤の上流は50畳ほどの広さで結氷しており、スケート場のようにも見えた。沢に流れが無いのはこのためで、冬季以外は流れるのであろう。この僅か上に第2堰堤があり、ここも巻き上げる。右岸にはハッキリと判る道形があり、木橋の在った辺りと違い荒れた様子は無かった。第3堰堤が見えてくると、その下には天狗ノ鼓東側からの顕著な谷が降りてきており、その出合が見えている。これ以上道形を伝っても意味は無く、沢に降りて行き凍った場所に注意しながら渡渉して左岸へ移る。この第3堰堤下は流れがあった。

 
 ザレた谷にに入ってゆく。やや急峻だが、この時季の利として地面が凍っているので、本来は柔らかい流れやすい場所であろうが、よくグリップしてくれていた。獣も通るようで薄らと跡が残る。向かう先に見えるコルが、こんな場所ながらいい雰囲気を醸し出している。白馬大雪渓の最後を見上げているような、各所で何度も見たようなコルへの最後の登りの絵面であった。九十九を切りながら高度を上げてゆく。

 
 コルにあがると、その尾根筋には踏み跡が残っていた。その裏付けとなるか、コルの北側の立木には確認できただけで3本に赤ペンキで二重線が書かれていた。この狭い場所に対し何の意味合いでのマーキングだったのか・・・。もう山頂は目と鼻の先。

 
 天狗ノ鼓山頂には赤い絶縁テープが巻かれていた。木々の間から瑞牆山の荒々しい姿が見える。北には、2007年に間違えた1520m峰が見え、やはり同じ標高なのでこちらと山頂目線は一緒であった。両方登ったので言えるのだが、こちらは落葉樹でこの時季展望があるピーク。向こうは常緑樹の茂るピークで展望は無い。また、藪を楽しみたいのであれば、北の1520峰の方が面白いと思えた。長居する場所ではなくすぐに下山に入る。

 
 下りはSKルートと思っていたが、西尾根の最初が快適そうに見えてしまい西に足を向ける。しかし最初こそ伝い易かったが、途中から急峻になり足場に神経を使う場所が続く。ここを我慢して降りると、今度はどちらへ進めばいいのかと迷うほどの広い緩斜面が続く。時折倒木があるが歩行を邪魔するほどではなかった。広くここでの時間が意外と長く、実際にはたいして時間が経過していないのだが、同じような景色しか見えてこない時間が不安を抱かせたりもした。

 
 左に林道が見えだしやっと尾根末端に到着。その最後はやや急峻でピンポイントで降りられる場所は限られる。こんな場所を伝う人は居るようで、ここには好事家の踏み跡が出来ていた。ずり落ちるようにして林道に降り立つ。

 
 ゲートに戻ってゆく。そのゲートが見える位置になると、2台の軽トラが見え、蛍光色のベストを着た見るからに猟師らしき人がゲートを開けて林道内に入ってきていた。ゲートは特殊キーでの施錠だった。キーを持っているジモティーの猟友会と言うことになる。すれ違い時に挨拶をすると、軽く会釈を返していた。ゲートに戻る。

 
 選べるルートとして、SK氏の南西尾根、そして今回の西尾根と北の谷、残すは誰かが東の枇杷窪沢からの谷を踏査すれば、この山の取れるコースの全てが表に出ることになる。

 今回のピークは事典の座標誤記で、五里山からの尾根続きの1520高点が正解の天狗の鼓と確定した。


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