西沢ノ頭    1774.9m         燕山   1798m        筍山   1789.8m        


   2016.4.9(土)    


  晴れ    単独      旧三国スキー場から登り苗場スキー場に抜け周回     行動時間:5H24M 


@国道353通年除雪最終端より1km地点5:04→(21M)→A旧三国スキー場P5:25→(68M)→B1650m峰6:33→(25M)→C西沢ノ頭6:58→(14M)→D1790m(屈曲)峰7:12→(21M)→E燕山7:33〜44→(59M)→F筍山8:43〜50→(29M)→Gスキー場内1410m付近より南の谷に入る9:19→(53M)→H国道353通年除雪最終端10:12→(16M)→I駐車場所10:28


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@通年除雪最終端より1kmほど車で入れた。 A旧三国スキー場駐車場 旧スキー場の南側を通過して行く。1360m付近の肩に乗った場所。 1360m付近から見る南の上越国境。
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1510mの肩に乗り上げると西沢ノ頭が見えてくる。 1490m鞍部 1490m鞍部の東側。ここにリフト頂上駅が在ったと思われる。  1650m峰へは、少し道形が出来ている(自然地形か)。1620m付近。
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B1650m峰から見る西沢ノ頭。見える上部はハイマツ帯で進度が落ちる。 C西沢ノ頭より見る燕山(右)。左は1790m屈曲峰。 C西沢ノ頭より上越国境側。左は上ノ間山か。 屈曲峰は雪が無くなりササの海。
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屈曲点から1790最高点への登り。 D1790m峰から1852m峰。2009年4月は、見える側に進んだ。 D1790mは展望ピーク。右に燕山、左に筍山。 D苗場山が見事!!
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1750m付近。雪が落ちているが、高い藪ではないので楽に分けられる。 1740m付近。以北で雪に繋がる。 燕山南側より見上げる。燕山はどの角度から見ても円錐形。 途中から平標山側。
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E燕山到着。人工物は一切ない。 E燕山より大黒山(西)側 E燕山より筍山(北)側 E燕山より1790m峰(南)側
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E朝日の中で朝食。 E燕山より北東尾根を見る。リッジになっているように見える場所がある。 北側から見る北東尾根のドーム(1680mの岩峰) ドームアップ。そそられる。
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北東尾根の1588高点から下側は、少し黒部のタテガビンのようにも見える。 1710m付近から見る筍山。 F筍山最高点 F苗場スキー場頂上駅
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F筍山より燕山側 F筍山より東側 筍山より破線路を伝うイメージで南東へ降りて行く。 1750m付近。強烈な藪。何処かに道形が在るのか・・・。
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1600m付近。ゲレンデの上部に出る。 1480m付近。雪融けしている場所が目立つ。そしてペットボトルなどのごみが沢山見られる。 G1410m付近で南への破線路を伝うべく降りて行く。見える道形は破線路とは違うようだが伝って進む。 1380m付近
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1380m付近から伝って来た場所を見上げる。 1350m付近からは雪の無いガレ場を降りて行く。かなり緩い。  1180m付近で谷の出合となる。  1180m付近には立派な滝があった。無名滝。
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降りてきたのが右側。左に滝。 沢の右岸を熊の足跡を追って進んで行。縦150mmほどの大ぶりな跡だった。 千下ノ沢に堰堤のようなコンクリート構造の場所が見えたら、その左岸側に道形が現れた。取水場所のようで清掃道具が置かれていた。 地形図に見える実線路から派生する道のよう。
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スキー場内に入る。この道が実線路だろう。 H通年の除雪最終端に戻る。廃品回収業者の施設前。 I駐車場所まで戻る。  




 嫌な場所にポツンと一つ残してしまっていた。上越国境をごっそりと歩いた時に、併せて歩いてしまえばよかった場所だが、そんな余力はなく、行きは喘ぎながら近くを通過し、帰りはヘロヘロになりながらその方角さえも見る余裕はなかった。そんな燕山を今回狙う。

 
 苗場スキー場の南端、そして国道353号が湯之沢を跨ぐ、その西側からの北東尾根を伝えないものかと、何度もシュミレートし検証していた。入山に際し最短路と思え伝えそうに見えたからなのだが、中間峰である1588高点付近の等高線が色濃く迷っていた。エスケープルートや巻道等を考えつつ、今年の残雪の少なさを苗場スキー場のライブカメラで確認し、そこに狙う尾根がしっかりと写っていた。北東尾根の為にあるようなライブカメラなのであった。

 
 北東尾根が伝えない場合として、各谷の様子も把握する。あとは旧三国スキー場経由、もしくは筍山のある苗場スキー場経由でアプローチするのが最終選択肢となった。全ては現地で判断しよう。スノーシューにワカン、12本爪に20mザイルを用意した。珍しく敗退の気配も漂うが、そんな中でもいつもどおり結果は出したい。

 
 1:00家を出る。今年に入ってから17号経由が増えている。いつも立ち寄るセブンには、しっかりとヤキソバパンが待っていた。月夜野から三国トンネルに登って苗場スキー場へと降りてゆく。浅貝の交差点を左折して国道353に入ってゆくが、あからさまに雪が少ない。いつもの除雪最終端のゴミ集積場前には通行止めの看板があるが、その脇を通過して行っているタイヤの跡が見えた。今日は土曜日、ゴミの回収業者は稼働するから、この場所には置いておけない。中に入ってみることにした。

 
 見事雪は無く、通行止めの看板から1kmほど入れてしまい、その先は残雪が覆っていた。この状態に、北東尾根も雪があまりなく、そうであれば敢てこの時期に伝わなくてもいい事になると思えた。そして国道がここまで入れるのなら、旧三国スキー場経由でアプローチしても距離はそう遠くない。そしてスキー場経由の方がなだらかでありリスクは少ない。思考が楽な方に向きだし、計画している時の挑む意欲が少し削がれはじめていた。ソロの利とソロのリスクの狭間では、利を優先し臨機応変な行動を選択し、リスクを軽減する選択とした。

 
 山スキーヤーが入ってくるかと思ったが、仮眠を邪魔される事無く夜明けを迎える。ここからの往復と決め込んで、ザイルは置いて行く事にし、ワカンをザックに結わえた。そして最近は持たない事が多かったピッケルも持つ。湯之沢側に送電線の鉄塔があり、旧三国スキー場まで1.5kmほどの場所からのスタートとなる。

 
 5:04歩き出す。外気温はマイナス1℃。よく締まった残雪を踏みながら進んで行く。融雪による路面が凍った場所もあり、出だしから慎重に進まねばならない場所もあった。湯之沢を挟んだ右岸側に、起立する岩峰を見上げる。何度見ても凛々しい立ち姿である。

 
 20分ほど歩くと旧スキー場の駐車場に到達する。そそり立つ1518高点に突き上げようとも思ったが、ここでもその場所が黒く雪の付きが微妙に思え、ゲレンデの南端を伝って行くこととした。廃業してからかなりの年月が経過するが、ゲレンデの状態は以前のままで、あまり自然に戻っている様子はなく、山スキーの練習にも適当な場所に思えた。そうここまでではスキーで上がってくれば良かったと思えるのだった。

 
 1360mの肩に上がると、上越国境の稲包山側より来光を受ける。初心者コースであろうバーンを伝って高度を稼いでゆく。西進して行き、方角を変えるのが1510mの肩の部分で、ここに上がると大黒山方面と、これから向かう西沢ノ頭側がハッキリと見えていた。先に進んで行くと林道幅の場所となり、ここには新しい刃物痕が続いていた。なにか作道するつもりで刃物を当てたのかと思えてしまい、そこから先を気にするようになった。


 1490mの鞍部から登って行くと、ここで単独行者の古いトレースが残っていた。だいぶ薄れていたが、7割ほどは伝えるもので利用させていただいた。1650m峰の南側は、自然地形でのバンドなのか、少し作道したのか、道形のように見える場所もあり伝って行く。トレースの主はトラバース気味に通過して行っていた。


 1650m峰に上がると、西沢ノ頭が目の前に見える。雪に繋がり行くのだが、太いハイマツ帯に入ると途端に進度が落ちる。潜って進み分けて進み、帰りに再びここを通過せねばならないと思うと気が滅入るのだった。この付近は赤いリボンが続いている。それを追うように薄いトレースも続いていた。


 西沢ノ頭は北側もハイマツで、そこに伝う人が多いのか踏み跡が僅かに出来ていた。他の場所を伝うと植生が濃く、自然とその筋に入って進んで行くので、この先どんどんと道形が濃くなるのあろう。それほどに入山者は居ないか・・・。山頂からのハイマツを漕いだのは距離にして50mほどで、再び雪に乗ることが出来た。トレースはこの辺りで見えなくなり、この先でそれらしき痕を見ることはなかった。進む先の屈曲点も雪が落ちていて藪が見える。覚悟して登って行く。


 屈曲点から見る1852高点峰側は、尾根上は雪が繋がっているものの、それでも周囲の雪は少ないように見えた。さてこの先は未踏のルートで、前回のコースを左に見送り北に進んで行く。雪に繋がりながら1790mの高みに立つ。ここは展望ピークで360度のパノラマの景色があった。今回のコースで一番の場所だったかもしれない。北東に降りてゆくと、このあたりも雪が途切れ途切れなのだが、笹の背丈が無いことが幸いし、あまり負担にならずに進んで行けた。藪混じりの場所から抜け出し、燕山を目の前にした場所も開けていて心地いい場所であった。少し緩みだした雪を感じつつ登って行く。


 燕山登頂。赤い蔦をリボンと見間違えたくらいで、探しても人工物は無かった。各方面は同じように木々の間から見える展望であった。日差しがあるが風が冷たく雨具を着こむ。白湯を飲みながらヤキソバパンをほうばり、往路を検証しながら復路を考える。各谷を見ながら登ってきたが、全容が見えるような谷は無くリスクが多い。登りに使おうとした北東尾根が1588高点まで見えるものの、そこに至る前の1680mに見事なドームの岩峰があった。それこそ進路に立ちはだかるように存在していた。地形図からは北側に巻いて通過できそうだが、その先の様子が陰になっており見えない。そこが痩せてリッジになっていそうで一番肝心に思っている場所であった。ザイルも置いてきている事から、選択肢から却下となった。往路を戻るのは辛いと思っている中、ここは筍山側に抜けて進むことにした。苗場スキー場最高所の鉄塔群がハッキリと見えていた。


 燕山からの進路は、気にして進まないと北東側に引き込まれてしまう。判って居ながら東に逸れてしまい、トラバースしながら西に修正する。幸いにも以北では雪の切れることはなく伝うことが出来た。しかし、締まっていたこれまでに対し、樹林の中になる為に緩い雪が多く、ツボ足の深さが増したりしていた。見えているところほど遠いと言う自分の通説ではあるが、起伏が多いものの燕山と筍山間は楽に進むことが出来た。全ては雪のおかげ。


 筍山は2002年ぶり、たしか山頂標識が何かの形で在った記憶があるが、今現在は多方面の山を示す標識はあるが、この場所を現す物は見当たらなかった。春スキーに控えてだろう、リフトの椅子は取り付けたままであった。1時間ほどでここまで来られた事からも、筍山側に進んだのは正解であったと思えた。あとはゲレンデを下るだけなので、ここに到達した時点で降りたも同然と楽に思っていた。


 苗場ロープウェーの頂上駅に降りようと南に場所を見ながら進んでいたら、適当な場所が無く南に降り過ぎてしまった。それならと、谷を挟んで南の1187高点のある尾根を伝おうかと尾根筋を真横から見るも、意外に上部が急峻だった。お守りにザイルは持っていたかったとここでも思ったが、後の祭りで再び筍山を目指して登り返す。


 再度苗場ロープウェーのあるゲレンデを狙って下りだす。地形図には破線が入っているが、山腹の傾斜地に切られている道がこの時季に辿れるはずもなく、適当に谷の雪を拾いながら降りてゆく。しかし雪崩の巣のようになった場所で気が抜けない。避けるとネマガリの強い笹薮を強いられる。山頂側を向きながら笹を掴みつつ降りてゆく。もっと安易にゲレンデ内を降りて行けば良かったと思えた。それでも1600m付近で傾斜が緩み安全地帯となった。見えるリフトの下にはありとあらゆるゴミがあり、ひと際ペットボトルが目立っていた。そんなに飲んでいる印象はないので、飲みきったボトルが風に飛ばされて斜面のあちこちにあるようであった。


 車は国道353号の南にあり、下山路はより南に進路をとると近くなる。苗場ロープウェーの頂上駅の駅舎の下を通過し東に降りてゆくと、ここは雪の無い斜面が広範囲にあった。地形図には1420m付近から南に降りている破線路が描かれている。適当に南に下れば、少しは伝えるかと予想して南斜面側に寄ると、そこにタイミングよく九十九折の道形を見つけた。ただし登山道らしくなく、斜面の護岸工事をした時の作業道のようにも見えていた。それでも伝えそうなものは伝う。


 3ターンした先まで伝えたが、その先が判らなくなってしまった。しょうがないので谷の底と思しき場所を直下降してゆく。谷なので雪の繋がりがあるかと思ったが、相反して1370m付近からは全くなくなりガレ場となった。ここにはパイプの残骸が多く、最初それが杭なのかと思って見ていたが、継ぎ手で繋いでいる場所もあり、ゲレンデと下側を繋いだ何かの残骸と判断できた。下に行くほどにイバラも多くなり、引っかかれながら降りてゆくが、いっこうに道形らしきものは出てこなかった。


 1180m付近で、右側に流れの音がしだして出合となった。右俣を降りてきた格好で左俣側を見ると、そこに見事な滝が見上げられた。三段の滝になっており綺麗な均等配で流れ落ちてきていた。これが見られただけでもここを伝った事をヨシとしたい。ただしここは千下ノ沢でもなく、その北側に位置する無名沢。目当ての破線路はいつになったら出てくるのか・・・。


 それらしきものが現れたのは1170m付近で、赤いビニール生地に立入禁止と書かれ英語とハングルでも書かれていた。それが2枚続けてあり、付近にルートが存在することが伺えた。がしかし、よく見据えても道形は全く判らなかった。流れをスノーブリッジで跨いで右岸側を降りてゆく。地形図からは左岸側に破線路があるようであったが、雪の在るこの時期は右岸側が伝い易かった。


 大きな熊の足跡が見えたので顔をあげると、1187高点の東側には、恐ろしいような岩峰が二つそそり立っていた。それこそ熊の住処になりそうな岩屋が在りそうにも見えた。大きな足跡は踵から爪先までで150mm程ありそうで、それを伝いながら下流側へ進んで行く。途中で沢が狭まり流れの中に入ってしまう形となり、2mほど高い右岸側に乗り上げ樹林帯の中を行く。ここでも適当に進むと、右に強い流れの音がしだし千下ノ沢と判る。寄り過ぎると面倒なので、ある距離をおいて進むと、進む先を左から右へと横切るように沢が現れ、結局のところ千下ノ沢と合流した。この下流側にコンクリートの大きな枡のような構造物が現れ、水の流れを調整していた。その左岸側には車道幅の道形が上側から降りてきていた。ここで流れから離れ道形に乗ってゆく。少し上には取水場所を掃除するのだろう道具が木に立て掛けられていた。


 道形は地形図の実線のからの枝道のようで、すぐに実線路に乗った形となった。伝ってしまうと北に導かれるので、南東に見えるゴルフ場内へと降りてゆく。ここはもう過去の施設なのか、カートを走らせる舗装路はひび割れ、芝の管理もされない状態で放置されていた。千下ノ沢もゴルフ場内の木橋で渡るのだが、抜け落ちはしないかと不安を抱きながら足早に通過した。進む先にゴミ処理業者の建物が見え、停留しているゴミ回収車が3台見えた。やはりここに停めずに良かった。


 国道に出て、緩やかに登り上げてゆく。他の車も入っているようで、自分と違うタイヤパターンが新しく舗装路面に残っていた。歩いて伝うと、各送電線鉄塔に対する巡視路の入り口がハッキリと把握できた。今回で界隈の未踏座は終了したので、ここに来ることはしばらくないと思うが、北東尾根のドームは一度登頂したい。そのための情報収集をし、次につなげるのであった。


 車に到着し着替えていると、上州ナンバーの男性が運転する車が旧スキー場側から降りてきた。少し雪が緩んだから進めたのだろうが、早朝だったら横ズレして谷に落とされてしまったかもしれない。テカテカ状態を知っているがばかりに怖さを感じたりもした。この後、自宅でのガーデニング作業の予定であり、温泉にも入らず家路を急ぐ。


 振り返る。いろんな登り方が出来そうではあるが、そこに安全を思うと選択肢は二つ、南北のスキー場のどちらかを経由してアプローチするのが妥当となろう。どちらが楽かとなると、南の方が薮化した場所が多かったので、北側経由の方が楽なのかもしれない。しかし面白いのは南の方。さらにもっと面白そうなのは北東尾根経由のコース取りに思う。燕山よりドームまでの雪の様子は見えたので問題ないとして、それ以下の所をいつかチャレンジしてみたい。私の力量で登れそうな斜度であり、ソロでも力試しが出来るであろう。


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