仏岩       1335.8m   
                                             
  
                                                                                                       
     2019.12.14(土)


  晴れ    単独    仏岩から北の1263.1三角点まで縦走し周回    行動時間:2H14M


@仏岩入山口6:16→(11M)→A休憩舎6:27→(13M)→B仏岩6:40〜41→(12M)→C大王岩6:53→(40M)→D1278高点峰7:33→(15M)→E1263.1三角点7:48〜50→(18M)→F廃林道に降り立つ8:08→(3M)→G国道152号に出る8:11→(19M)→H入山口に戻る8:30


   
@仏岩への入山口。解説を読んでから入ろう。 コールドムーン直後の月が明るく。 最初の分岐道標。 A休憩舎。この建物がある尾根を乗越してゆく山腹への道形もあった。
       
二カ所目の分岐。ここも山腹への道が見られた。 脚立での梯子 鎖場 仏岩への最後は三連の梯子。撓むので体重の重い人は注意。
     
B仏岩頂上の宝篋印塔。 B700年経過しているにしては状態がいい。 C四等点 C西の虫倉山側
       
C南の様子。すぐ南に岩峰が並び、向こうに車山が見える。 C南東に蓼科山 C北に浅間山からの連なり。 梯子場は下山時がキモ。
       
仏岩のすぐ北側の通過点。4mほどのホールドの多い垂壁。 左の絵の場所を登り上げた岩峰の上の標識。 左の絵の場所から北側に続くロープ。 C大王岩に到着
     
C大王岩。 C基部東側にロープが続く。 大王岩の北側にこの道標。 大王岩の西を巻いている道形
     
小茂谷側へは尾根東側を巻いてゆく。 ここは直登して行っても良かったよう。東に降りるロープもある。 東を巻きながら見上げると、右側の岩にロープが垂れているのが見えた。 巻き終えて尾根に戻り南を見ると、ここにもロープが二本垂れており登る。
   
岩峰の上。東を巻きながら見えたロープ ロープが十字に縛られた場所。岩峰伝いに進むと、北の岩峰で行き止まり。その先はザイル下降必須。ここに戻って東を巻いた。 十字ロープの先の様子 十字ロープの北側の岩峰。ロープは南側のみこのように敷設してある。
     
1310m峰 1310m峰にある標識。南側を指してこのような表記。 付近は赤布が続く。 1280m付近。わずかだが切れ立った痩せ尾根通過。
     
黄ペンキ。この矢印は右側を通過して行けと言う道標。 D1278高点峰 D1278高点峰から北側 ゴジラの背のような通過点。西も巻ける。
   
岩峰以外で唯一展望が開けた通過点。 展望場から西の白樺ハイランドの別荘地。 1280mから北側に逸れる。 E1263.1三角点(峰)
        
E四辺を守られた三角点。 E左書きなのでまだ新しい四等点。 Eフジを持ち上げた。 1150m付近
       
一帯は遊べそうな岩場が多い。ここから右への3枚は、連続した写真。北。 F廃林道に乗る。
       
G国道152号に出る。 仏岩バス停 H仏岩入山口に戻る。




 長門町だった頃から152号を通過時に見ていたが、長和町となってもまだ登っていなかった。地形図に載っていない場所だからと言う理由なのだが、この場合その場所を調べる事さえしない。今回登ろうと思い立ち調べると、なんとも古い石塔が山頂の石の上にあるよう。これには興味を抱く。そして今度は地形図からなのだが、仏岩の場所から北に進むと、破線路がある場所が見える。南北の破線の場所を繋げると、縦走形式の周回路が出来上がった。


 1:20家を出る。佐久市内はマイナス4℃と出ていたが、笠取峠を越えて長和町に入るとプラスの1℃とこの時季にしては暖かく感じる気温となっていた。152号は台風19号の影響で道が崩れしばらく不通状態であったが、何とか片側交互通行で通れるまでに復旧し、この情報が得られたことで決行となった。仏岩の入山口には大きな案内表示があるのですぐに分かる。ただし駐車スペースが微妙で、縦列に停めるべきか、国道に対し直角に停めるべきか迷った。大きな車の場合は縦列で、小型車なら直角に停められる。往来のライトを浴びながらしばし仮眠。月明かりで歩けそうであったが、岩場ルートが続く場所なので日が上がるのを待った。

 夜明けが近づき準備に入るのだが、前週は靴を忘れ取りに戻ったが、今回は靴下を忘れてしまった。何とも無様で緊張感が無い。初めてではなく3度目くらいなのですが、これで長距離を歩くと爪に負荷がかかり紫色になったり血が滲んだりした過去があった。そうなることを判っているので、「やってしまった」と思ったのだが、無いものは無いのでしょうがなく、無いからってここで帰る私でもない。私は靴下は二重履き仕様。なので今回は靴がぶかぶかであった。なので爪がやられてしまうのである。裸足に靴、石田純一さんスタイルでの山登りであった。

 6:16行動開始。落ち葉を踏みながら散策路を進む。木橋の場所は凍っているようにも見え摺り足で通過した。南進から北進に進路が変わる辺りで、上の方に黒い塊が見えてくる。仏岩の岩峰である。コールドムーン後の月だが、まだ大きく明るく、西の虫倉山側からこちらを照らしていた。入山口から10分ほど進んだ場所に最初の分岐が現れ、仏岩に対して休憩舎への道が分かれていた。一応休憩舎を見に行くが、休憩舎の場所から先へも北に山腹の道が続いて行っていた。戻り先ほどの分岐から上に向かう。


 散策路風味だった道に勾配が増し登山道風味になる。樹脂成型の疑似木製のステップの最初だが、これらが本当の木製になると梯子場や鎖場が現れる。そして北から鋭角に戻るように仏岩への最後のルートがあり、ここは3つの赤さび色に塗られた梯子に頼らねばならない。厚みの薄い等辺鋼が素材なので、体重をかけると撓むので怖さが増す。色々考慮して今の仕様なのだろうけど、同じような対価でもう少し剛性のある設計も出来るのに、と思ってしまう。


 仏岩登頂。風が強く自力で踏ん張っているだけでは煽られ飛ばされそうで、宝篋印塔を囲っている格子を掴みつつ周囲展望を楽しんだ。足元には、躓かないようにか真鍮製の四等点が打たれていた。こんな場所にはこの仕様の三角点は都合がいい。岩の上は二人くらいが適当だろう。3人上がってしまうと、ザックなどを背負っていたら、一人が向きを変えた瞬間に岩の上から押し出されるんじゃないだろうか。そう思える場所であった。宝篋印塔を見る。700年物とは思えない状態の良さで立っていた。これだけのモノなら移設して展示することもあると思うが、当時のまま現存して立っていることが素晴らしい。風雪に耐え各地震にも耐えてきたことになる。囲いの天面のエキスパンドメタルには、風鈴が下がっていた。この時季にしては少し靄っていたが、車山方面、蓼科山方面、浅間山方面はそれと判る山容が見えていた。今年登った虫倉山も西側に円錐形に見えていた。


 登ったら降りねばならない。各梯子は登りより下りが怖かった。もう少し上側に飛び出すように敷設してくれると、強く屈まずに済むのだが無いものはしょうがない。3つの梯子を降りきると、その北側にタイガーロープがルートを示しており、一本のクラックの入った壁がある。ここに至る下側に山腹を進む道があったので、それが縦走路の本道と思い、ここはなにか景勝岩峰があり行き止まりになっているのだろう空荷で見てこようとザイルだけ持って這い上がる。タイガーロープを頼らないよう、クラックに腕を入れ支持しつつ体を持ち上げてゆく。


 登り上げると、「大王岩」と書かれた標識があり、その表示の下に矢印が書かれている。そして矢印側に緑のロープが降りていた。これを見て、尾根通しでもルートがあるかもしれないと思い肩がらみの懸垂をしてザックを取りに戻る。再度上がり、緑のロープを辿って北に進むと、タマゴタケの化け物のような形状の大王岩が待っていた。すぐ手前に、今度は矢印のない標識があった。大王岩の東側基部には緑のロープが流されルートを示していた。やはり北に抜けるルートが岩峰頂部に在るようだ。ザックを取ってきて正解だった。


 北に抜けてゆくと道標のかかる場所があり、西側山腹からの道が合流していた。この道の南側の分岐点を先に見ていたのだった。道標をよく見ると「茂」の字が見たことのない漢字が使われているのが気になった。タイガーロープに導かれ尾根上から東側山腹へと巻いて進む。ここは岩峰をそのまま進んでもよかったのか、途中から西を見上げると岩峰にタイガーロープが垂れているのが見えた。東側を巻き終え尾根に戻った場所から南を振り返ると、そこにも垂れており、折角なので登ってみた。なにか山名標識でもあるのかと期待したが、そういう場所では無いようで、あるのはロープだけであった。


 さらに北に進むと、タイガーロープで十字に張られた場所が現れる。尾根上にも道があり東側を通らせる巻き道もあると理解した。そのまま岩登り風に攀じって行くと、ここは行き止まりで北へは抜けられなかった。もっとも、ザイルで下降は出来たが、そこをタイガーロープでは導いておらず、十字の場所まで戻って東を巻いて進む。ここを最後に岩峰群の通過は終わった感じで、ここより北側は易しい地形となった。と言っても露岩や岩風味の場所は多い。


 1310m峰に着くと、緑の道標が背中を向けていた。固定してある状態が緩んだのかと思ったが、かなり強固に縛られ動かない状態であった。そして南を指して「挟み岩」と書いてあった。南を見ると下に空間のある岩がある。それなのかと10mほど先の岩を眺めていた。「挟み岩」表記の上には「1280mJC」と読めるが、数値内容をどう解釈していいのか悩んだ。


 仏岩からはタイガーロープがルートの場所を導いていたが、途中からは赤布のマーキングが見られるようになり、1290m付近からは黄ペンキでのルート指示も見られるようになった。それらに取って代わられるのかとも思ったが、その先もまだ要所にはタイガーロープが敷設してあった。場所によっては振られるロープもあり、素人に対してと言うより、玄人に向けての補助的ロープの意味合いと体感していた。


 1278高点に着くと、東側から朝日が上がってきた。北に1280m峰の三角錐が見える。北に進むとゴジラの背のようなリッジがあり、そこを抜けると西側が開けた場所があり、白樺ハイランドの閑散とした別荘地が俯瞰できた。この辺りで、地形図からは東側から上がってきた破線路に乗っていることになるが、そんな雰囲気は感じられず、人工的な作道の雰囲気は伝っていても判らなかった。1280mからは主尾根は北東へ進むような地形で、そこから逸れるように北へと降りてゆく。道形があっても落ち葉で埋まってしまっているのだろう、積雪の中を進んで行くようにザクザクと歩いていた。


 1263.1三角点到着。一応尾根の肩だが山頂と言ってもいいような高みを作っていた。ここは石仕様の四等点で、四辺を4つの石が守っていた。ここからの進路は、当初は破線路を伝って行こうと思っていた。しかしその谷を見下ろしても、それらしき道形が見えなかった。尾根上に無いのだから谷部に無いのは当然かもしれないが、僅かでも見えれば伝おうと思っていたが、見下ろすと全くの自然のままの谷で、最近の豪雨の影響か荒れているようにも見えた。そんなことより、谷の西側の尾根上は道があるかのような伝いやすい場所で、この尾根を伝って降りることとした。


 尾根を伝いながら、当初予定は破線路を伝うコンセプトだったので、破線路と実線路がぶつかる場所まで進んで、南に戻ろうと考えていたが、破線路が踏査できなくなった今は、そこまで北進する必要が無くなった、どこからでも西に降りれば実線路に降り立てる位置にいる。ただし、どこでもいいわけでなく、場所によってはゲジゲジマークが控えており、それら場所は避けねばならなかった。ゲジゲジマークが書かれていなくても、これだけ多い場所であると、他にも潜んでいると思った方がいいのだが、そこは今日はザイルを持っている。実線路までの100mくらいの標高差なら臨機応変に何とかなると思えた。


 1200m付近から西に降りる尾根に乗るべく下って行くが、伝いやすい場所を選んで降りて行ったら、その南側の谷に入ってしまった。降りてゆくと岩登りが楽しめそうな場所が多く、既にゲレンデになっているのではないかと具に周囲の壁を見て人工物のボルトなどが無いか探したが、それらは見られなかった。足場に危険個所は無く、一部凍った場所もあったが、難無く回避できていた。そして進む先に林道が見えてくる。使用している林道かと思ったが、廃林道で、幼木が生え車は通行できない状態であった。


 大門川が152号を潜るすぐ南で車道に出る。脇の沢から土砂が流出したようで、林道の出口(入口)には大きな土嚢が並べられていた。152号を登って行く。本来は後半が下りになるようにしたかったが、今日はしょうがない。それでも車道歩きの四分の一ほどの最後は下り勾配になる。白樺ハイランドへの入り口には仏岩のバス停があるが、瓦葺の立派なバス停にしては寂れた印象であった。もしや私のほかに仏岩に誰か入っているか・・・と思ったが、停めてあるのは私の車のみだった。


 振り返る。尾根上のタイガーロープは北進でも南進でも使えるように敷設してあるが、一か所の岩峰のみ北からだと這い上がれない場所がある。巻いてから上がればいいだけのことであるが・・・。タイガーロープは細く握力が必要な場所もあり、上だけ固定してあり振られる場所もある。敷設した人に感謝しつつ注意して使いたいロープでもある。軽い岩登りの出来る場所であり、ロープを保険と見ながら触らずに登り降りするのも楽しいだろう。




 
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