ロクロノ頭    1292.4m        高平ノ頭    1278m                                                                                                                            
   2019.4.13(土)


 快晴     単独    ゴールド越後湯沢CCより時計回り      行動時間:5H54M


@ゲート(大源太山登山口)4:48→(5M)→Aゴールド越後湯沢CC門4:53→(12M)→B630m上側ゴルフ場コース5:05→(86M)→C1070m尾根に乗る6:31→(20M)→D1190m峰6:51→(28M)→Eロクロノ頭7:19〜22→(72M)→F高平ノ頭8:38〜54→(93M)→Gゴルフ場資材小屋10:27〜29→(6M)→H門帰り10:35→(7M)→I戻る10:42


   
@大源太山登山口の分岐付近でバリケードがされていた。冬季はここでバスの回転場所になるようで、一帯は駐車禁止になっていた。青少年旅行村付近の道路はテカテカで、通行止めを破って進まない方がいい。 Aゴールド越後湯沢カントリークラブの門。門を潜るとすぐに左折する林道があるが、深く雪に覆われ、今回は道なりに進む。 ツルツルテカテカで、ここは通過できなかった。雪に乗り直登。 カートの連絡橋を使わせてもらう。2019年は4月27日がゴルフ場オープン日。
       
雪で開かないようにターンバックルで欄干を固定している。その数10か所以上。潜って進むのが大変。雪があれど門の場所から左折した方が楽。 B630m付近。地形図の実線路辺り。冬季ではどんなコースなのか皆目判らない。管理者のトレースが見える。 650m付近。見える尾根手前の谷地形に向かってゆく。正面の針葉樹の前は、融雪を促すように雪を掘り返す作業がされていた。 740m付近。この辺りまでは何とかツボ足で進んでこられた。
     
760m付近で沈み込み量が多くなり、ワカン装着。 800m付近の尾根からの雪崩跡。右に見ながら進む。 900m付近。のっぺりしているが勾配は強い。 1099m峰が焼けだす。こんな勾配。
       
940m付近。樹林帯から抜け出し無毛地帯。この先が急峻。 940m付近から後。 1000m付近はデブリ帯。 C1070mで尾根に乗る。
       
C1070mから上部尾根の様子。 1120m付近。右にロクロノ頭。 1160m付近。シャクナゲの中を這い上がる。直前にここにカモシカが居た。 D1190mピークから北側の様子。雪庇が続く。
   
1190m峰から1099m峰側。 1190m峰から登ってきた尾根を見下ろす。 1200m付近。 1270m付近。ロクロノ頭直下。
     
Eロクロノ頭登頂。 E北側 E北東側。(巻機山) E東
   
E南 E南西 1280m付近 1280m肩から東
     
1240m付近。うねるうねる。 1230mから先。高平ノ頭は中央右。 1210m付近はブッシュが出やすいリッジ尾根。 1200m付近の雪壁。
       
雪壁を上から見下ろす。下りに使う場合は神経を使う。 1250m峰から東。 東の1250m峰から。 1240m付近からは垂直の雪壁。右から3本目の左側を這い上がる。アイゼンとピッケルが無いと通過は困難。
       
1278峰(高平ノ頭)の南斜面。南面は雪が緩くトラバースがし辛い。 登り上げ振り返る。右側にキックステップの跡が見える。 高平ノ頭への最後。見える全ては獣の足跡。 F高平ノ頭
       
F北 F東 F南東。中央付近が大具里ノ頭。 F南
       
F南西。左にロクロノ頭。 F高平ノ頭deヤキソバパン。 F高平ノ頭から見るロクロ沢の谷(平地)。 Fこの突頂にもいつか登らねばならない。
       
F河内晩柑のシーズンになった。ビタミン補給。 F南斜面を降りてゆく。アイゼンでは股まで潜るほど。距離100mほど下り、ワカン装着して降りてゆく。 1100m付近。谷地形の中を降りてゆく。ここから下はデブリ帯。速足で抜け降りる。 950m付近。枝沢との出合。大きな(高さ1.5mほど)スノーボールが残る。 
       
940m付近。伝い易そうだが、雪が緩く快適ではない。  820m付近で流れが出だす。  730mの出合。ここは右岸側へは行かず左岸側で行動した方がいい。出合のすぐ下流で13mほど崖を下る。  680m付近。渡渉。
       
680m付近。流れの中を少し進む。  670mでゴルフ場からの道が合流する。しかしこの先は道形は流出している。 670mの漁業の案内。流れの中には魚影が見られた。  右岸の道形は流出してしまいそれがために3度ほど渡渉せねばならない。 
       
Gゴルフ場の資材小屋。融雪を速めるために雪を掘り返している。(作業中で動いていた)  往路の連絡橋まで戻る。帰路は下を通過してゆく。 H門まで戻る。この下側も除雪作業中であった。  I戻る。バリケードの場所から20m程北東の場所。




 またまた降雪後の週末となり、それも快晴予報。雪山に対し少しインターバルをとも思っていたが、ここは迷うことなく雪景色を楽しみに動く。土日での伐木を依頼され、この作業が気になったが、当然ながら休日にはまず自分の満足を優先される。

 
 大具里ノ頭に登ったのが2014年の5月。蓬ノ頭との抱き合わせにしたのがこの時であった。この尾根筋を北西側に伝って進むと、さらに「頭」のつく山名の場所が2座あり、これがロクロノ頭と高平ノ頭であった。大ー山がその間にあるが、山名事典にも地形図にも掲載がないので前回も今回も割愛となった。

 
 さてコースを考える。衛星画像で見ると北斜面は茶色い色をしている。岩肌があるように見え男らしい印象がある。これに対し南は緑濃く優しい感じがした。南側が伝い易そう。ただし今は積雪期であり、南は日当たりがよく雪が腐りやすい。そして北風による雪庇は南に発達する。そのあたりを考慮せねばならない。コースはゴールド越後湯沢カントリーより、823高点のある尾根を登り、高平ノ頭の西のピークからの尾根を下る計画とした。大まかにはこのように決め、あとは現地で臨機応変の行動とした。


 登行具の選定は、2座の間にはポコポコと高みがあり、かなりうねっている想像ができた。これによりスノーシューではなくアルミワカンを持つことにした。そして何となく嫌な予想もできるので、ピッケルも携行する。今期の山行では未だ持つことは無かったが、ここに限ってきな臭さを感じるのであった。この臭覚はぴたりと当たる。雪がないような時期なら、ザイルまで持っただろうと思う。


 あと、ゴールド越後湯沢カントリークラブの状況をWEB上で見ると、当然の冬季休業期で、今月の27日から営業とあった。あと2週で営業であれば、かなり急ピッチで除雪作業がされているとも予想できた。私有地を侵害しないよう歩きたいとは思うが、少々は雪が乗っているので目をつぶって欲しいと思う。営業期間内なら不法侵入となるが、営業外時季なら、少々端っこを歩かせていただきたい。

 
 1:10家を出る。ここ2週と同じように月夜野から湯沢まで乗り、大源太川沿いへと進んで行く。旭源地区の東端から大源太山への登山道が分岐しているのだが、そのわずか先15m付近で通行止めのバリケードがされていた。周辺一帯にはコーンが置かれ、そこにバス回転場所につき駐車禁止と貼られていた。大源太山の分岐点にも同じものが見られた。地区内に戻るも、適当な余地がない。バリケードの先に農道余地ができており、とりあえずここが候補地、そのまま青少年旅行村まで降りてみるのだが、融雪の水が路面に凍り、それは恐ろしい状態になっていた。「通行止め」は適正な表示だった。農道余地に突っ込みエンジンを切る。外気温度は3℃を示していた(3:30)。

 
 薄明るくなると、ロクロノ頭と高平ノ頭と思しき連なりが闇夜から浮き上がってきていた。ザックにワカンを結わえ、4:48出発する。一応バリケードの場所まで戻ってのスタートとした。ツルツルテカテカの舗装路の上をゆっくりと降りてゆく。青少年旅行村の駐車スペースは6台分ほどまで除雪出来ていた。その先、ゴルフ用側にはブルドーザーとユンボが置かれ、日中の除雪の様子が見えるようであった。ゲートをくぐり、すぐに左折するつもりでいたが、雪が大量にありそのまま舗装路を登って行く。クラブハウス下で右カーブする場所があるが、スケートリンク状態の斜面で、左の雪の壁を掴みながら進んでみたが、どうしても通過できずに足踏みとなった。しょうがないので雪面に這い上がり、クラブハウスへと直登してゆく。登って行く途中に、芝倉沢を渡る高架橋が目に入った。前回来た時はゴルファーがここをカートが通過していたのを見ている。今は冬季用対策で欄干が開かないようターンバックルが10か所以上施してあった。渡って行くにはそこを都度潜って進まねばならなかった。スクワットをしているかのように10歩ほど進んでは屈伸して潜って行く。けっこう面倒くさい足に辛い通過点であった。

 
 対岸へ行くと雪面にキャタピラーの跡が刻まれ、道形を登って行っていた。それに伝ってゆくと、上側のコースに出る。地形図を確認し、できるだけ敷地の破線内を避けるようにして山手側を東に進んで行く。向かう先に823高点のある尾根筋が待ち構えている。その823高点から南西にそこそこの尾根筋が見えるものと眺めたが、雪に隠されたのか予想したようには筋が見えてこなかった。とならば、尾根の西側の緩斜面をとりあえず行けるところまで登ってしまうことにした。

 
 自然のものなので、残雪は硬い場所もあれば柔らかい場所もある。通常は樹林の中は落雪により固いはずであるが、ここの針葉樹帯の中は逆に柔らかい場所が多かった。谷の本筋を左に見ながら固い雪を選びながら登っていた。しかし750m付近からは沈み込み量が増え、耐えがたくなりワカンを装着して登って行く。800m付近では、右の尾根筋から大きな雪崩が発生していた。やはりこちら側斜面は融雪が進むようだ。あとは週中の新雪がよほど多かったって言う事であろう。雪崩れた場所の雪面の色をよく観察する。

 
 上に行くほどに勾配はどんどん強くなり、ここ最近はスノーシューのヒールサポートを使っているので、ここでもその利器に頼りたくもなった。ただしかし履いているのはアナログなアルミワカンだった。940m付近からは樹木は無くなり、それが為かデブリ痕が一帯に見られた。1000m付近からは、一瞬でも気を抜いたら滑落してしまう斜面に、ワカンごと蹴りこみながらステップを刻みながら登って行く。雪に埋もれたマンサクの枝を掴みながら滑り落ちないよう保持しながら登っていた。周囲を見ても優しい斜面はなく我慢の時間であった。ここを思うと、尾根歩きにしておけばよかったとも思えた。そんな緊張感のある中、ふと後ろを振り返ると、上越国境の山々がモルゲンロートになっていた。斜面に顔を戻し左上を見上げると、1099高点峰も赤く輝きだしていた。

 
 1070mで尾根に乗る。のっぺりとした無垢の雪面が上に続いている。固さもほどほどあり快適。尾根の右側には最初の目的地であるロクロノ頭がこちらを見下ろしている。1100mを越えると周囲に遮る木々が無くなり大展望の尾根となった。見通しがよくなったので分ったことでもあるのだが、進む先の1190mピーク下にカモシカが居るのを発見した。と言っても、私が見つけるよりもさらに早く向こうの方が察知しており、山腹を西へと速足で逃げていくのも見えていた。このカモシカの足跡が残る場所まで上がると、どうもカモシカでも這い上がれなかったようで、引き返している足跡になっていた。奇形のマツがあり、その上の植生はシャクナゲで、ここがどうにも這い上がりづらい。雪が緩く、その下にシャクナゲの空間があるので踏ん張れないのだった。シャクナゲを掴める人間はまだしも、カモシカには酷な斜面だったのだろう。

 
 1190mからはうねるような雪庇が続き、南側から見る雪庇までの高さは4mくらいある場所も見られた。1099高点側を見下ろすと、この1190ピーク南西斜面が切れ落ちていた。1099経由で登ろうとも思っていたが、この日伝った尾根の方が易しいように見えていた。弧を描くような尾根筋を北東へと進んで行く。見事にうねっている雪面に、スノーシューでなく良かったと思うのだった。見える場所ほどに遠い場所が多く、ここもスタート地点から見えていたので遠い場所と予想していた。バリケードから2.5時間ほどで最初の目的地到着であった。

 
 ロクロノ頭到着。凸峰であり遮るものはなく大展望の場所であった。雪の下には三角点があるようだが、無積雪期に見ている人はいるのだろうかと思うのだった。珍しい場所なのでヤキソバパンを掲げたいのだが、まだ腹がすいておらずイレギュラーにも袋のまま撮影する。ここから高平ノ頭まで1.4km。見えるうねりようからは簡単に進ませてもらえないことは見えていた。あと、ちょっと意外だったのは、北斜面は柔和な表情をしていることであった。雪崩痕も皆無。ロクロ沢を伝って降りたくなるような滑らかな谷筋であった。

 
 東に進むと、1280mの肩で二つの高みになっていた。一つ越えすぐにまた一つ越える。空はどの方角を見ても雲一つない状況。どの方角を見ても白い雪山があり、どこを切り取っても美しく見えていた。危険個所はなく中間点の1230m峰に乗り上げる。もう高平ノ頭は指呼の距離となり登頂も時間の問題と思えた。しかしこのルートの核心部はこれからであった。東に降りて行き1210m付近は南北がそぎ落とされたようなリッジで、切れ立っているので雪が落ちているのだろうブッシュが出ていた。まだ雪があって歩き易いのか、無積雪期の方が歩き易いのかは不明であるが、雪があっても無くても分けて進む場所であり、足元は切れ落ちている場所である。

 
 痩せた場所を通過し、そこから5分ほどで標高1200m付近となる。ここは斜度80度ほどの壁であった。雪が緩かったのでワカンのまま蹴りこみ登って行く。垂直距離は9mくらいだったと思う。登りに使ったからいいものの、下りに使ったならばワカンなどでは降りられず前爪のあるアイゼンが必要となるだろう。その前にザイル下降したい場所でもあった。これでもうキケンな場所は終わったと思っていた。1250mピークを越え、さらに東の1250mピークも越える。アップダウンが大きいだけでこの辺りも危険はない。しかし、東側の1250mから高平ノ頭を望むと、その西側直下に雪壁が待ち構えているのが見えた。登れるのか、登るにしてもかなり緊張を強いられるのが見えていた。

 
 1240mで雪壁の下に到着。見上げるとネズコらしき大木が5本並んでいる。どう登ればいいのだろう。山腹を南をトラバースして南東尾根から最後をアプローチしようかとも思ったが、張り出した雪庇の下の斜面はデブリ痕だらけであった。グリップしなさそうであり、深くツボ足をせねばならないようであった。ワカンを脱ぎ12本爪を装着。ストックもピッケルに持ち替えた。ピッケルを持ってきて本当によかった。斜度のある狭い場所で装具のチェンジとなった。片足でしっかり踏んばっていないと流れていきそうな・・・。

 
 最初は灌木を掴みながら這い上がり、右から3本目と4本目の間をすり抜ける。そして雪壁にツーステップで足場を作りながら這い上がって行く。当然ピッケルを突き刺しながらの三点確保。雪が柔らかく何度も足場が流れる。ここも雪崩れやすさがあることが判る。北側に逃げればとも思ったが、斜度はほとんど変わらなかった。ドキドキしながら登り切り振り返る。反時計回りだったら、ここをどうに下ればいいか・・・。バックステップで下るしかないのか・・・。雪の様子が下から判っての登りだからいいが、判らない中での下りだったら・・・といろいろ考えるのだった。そして高平ノ頭までの最後の斜面。たくさんの獣の足跡があった。今ほどの雪壁の上で引き返しているものも見られた。

 
 高平ノ頭登頂。ロクロノ頭同様に、ここも360度の大展望。ここからの北尾根も伝えそうではあるが、西から見た北尾根は直下途中でで急峻地形があった。西側同様に登る場所があるようであった。あとは東側からだが、大具里ノ頭までの連なりは、荒波状態であった。最終目的地に到着しヤキソバパンを掲げる。ザックに腰を下ろし地形図を見ながら下山路を探る。当初予定は、西の1250m峰から南尾根を下る予定であったが、あの雪壁を絶対に下りたくはない。こうなると、トラバースしながら南尾根を目指すか、そのまま谷筋を降りるかとかになる。前者は雪崩を誘引するようで不可。よっていつもながらの谷下りを決め込む。

 
 時計はまだ9時前。降りるにはもったいないが、南斜面は刻々と融けているので悠長なことは言っていられない。アイゼンを履いたまま斜面に足を降ろして行く。ん、全く固さがない。ツボ足もツボ足、足の付け根まで踏み込んでしまい足を上げるのが難儀であった。少しの区間だけだろうと我慢してみたが、状況は変わらずでアイゼンからワカンにスイッチすると格段に歩き易くなった。ここの勾配ではスノーシューではキケンで、ワカンが適当であった。狭く周囲からの雪崩の集まる谷で、足早に大きなストライドで降りてゆく。

 
 950mの枝沢の出合いの場所には、高さ1.5mほどになるスノーボールが残っていた。どこかからか落ちてきたようであるが、その筋は新雪が隠してしまったようであった。この谷は主に東側からの雪崩が多く、地形図を見ての通り東側の方が等高線が詰まっているからのようであった。波打つ雪面を、ここでも固い場所を選びながら降りてゆく。820m付近で初めて流れが顔を出しており、狭い谷の中を右岸側と左岸側を織り交ぜながら降りてゆく。

 
 730m付近で大きな出合となる。流れも相応にあり何せ地形が積雪により複雑な高低差を造っていた。右岸側を伝うと渡渉せなばならなく、その先の下流側に進むのが難しい。ここは左岸側を進み、出合下が高巻きだと地形の繋がりがなく、しょうがないので川面近くまで降りるように崖を灌木に掴まりながら下る。そう危なくはないが、足が滑れば流れにドボンであった。ここからの下流はスノーブリッジはいくつかあるものの使えるようなものが乏しく、流れの中の飛び石を使って左岸東岸を適当に進んで行く。流れはそう多くはないので、もうこの辺りなら水没してもいいとの判断でもあった。芝倉沢に出れば地理を把握しているので、一度歩いて知っている強みもあるのだった。

 
 降りてきた枝沢と芝倉沢の出合となる。見覚えのあるゴルフ場からの道と、ここには「漁業の案内」と書かれた釣り客向けの詳細が掲げられている。こんな場所で釣れるのかと沢の中を見ると、確かに魚影はあった。既に4月に入っているが、3月までだったらイワナやヤマメの漁期と書いてある。人の気配がある場所まで降りてきたが、安心するのはまだ早く、この先の林道は崩落して全く道形がない場所が続く。ほぼ前回同様に渡渉を繰り返し現在の林道終点の場所まで辿り着く。

 
 林道を降りてゆくとディーゼルエンジンの音が聞こえてきて、鼻腔にもその臭いが感じられるようになってきた。ゴルフ場の管理小屋の前ではコマツのユンボが大きなバケットを着けて雪を掘り返していた。この作業をした場合としない場合、どのくらい違うのだろう。ゴルフ場は広く、その工数が多いのが気になる。強制融雪に見合う収益があると思いたいが、どんな経営状態なのだろう。なにせ除雪ってすごいお金がかかるものって思っている。小屋の場所でワカンを外しツボ足で戻って行く。ここにはキャタピラーの跡が残り、融雪もかなり進んでいた。

 
 樹林を抜け出すと、目の前に往路の連絡橋が見えてくる。その下を潜るように通過し、道なりに進み芝倉沢を渡ると門の場所に出る。降りてゆくと青少年旅行村ではここでも除雪作業が進行中で、作業員は怪訝そうな顔で私を見ていた。作業員や作業車が入っているので上のバリケードは開いているのか、レジャーカーが降りてきては、これ以上進めない様子を把握し駐車場から戻って行っていた。登り返して行く。バリケードの場所には1台停まっていたが、作業員の車のようであった。日中も駐車余地に悩む場所となっていた。なお、大源太山の入口には、注意を無視して置かれている車両があった。そう言う私もバリケードの中に入って駐車していたのですが・・・。

 
 振り返る。2座に対し残雪期での反時計回りはかなり大変であろう。雪が落ちてしまえば藪漕ぎをすればいいが、冬季は危険が伴う。そんなことを知らずに時計回りで行動し、結果オーライであった。残雪期の歩行具としては、ワカンに限ると言っていい場所にも思えた。麓側斜面はスノーシューに適するが、尾根筋は辛くなる。そして6本でも8本でもなく、10本以上の爪は持ちたい。今回、降った後で柔らかかったから良かったとも言えるが、雪壁が固く締まっていたら、それはそれで恐怖であった。運がよく自然に味方された感じであった。




 

 
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