大木場山
1463.9m
高山
1255m
2023.11.4(土)
雪 単独 国道406号猿飛橋東より 行動時間:3H1M
@路肩余地6:17→(1M)→A林道入口6:18→(6M)→B林道分岐6:24→(5M)→C尾根取付き6:29→(46M)→D大木場山7:15〜19→(38M)→E鉄塔7:57→(7M)→F高山8:04〜07 →(33M)→G1310m伐採地東鞍部8:40→(9M)→H林道に乗る8:49→(15M)→I1185m取付き尾根に戻る9:04→(14M)→J国道406号路肩9:18
@国道406号の余地から | A林道入口 | 泥濘しドロドロしたダート林道。 | B地形図に読める分岐。直進。 |
C1185mで林道が尾根を乗越す場所。ここから尾根に取り付く。 | 尾根上は道幅があり、クローラ道の様子。1195m付近。 | 林道幅までではない作業道。 | 途中の分岐を、斜上してゆく山手側の道を選ぶ。1240m付近。 |
1290m付近から道形は下降しだす。僅かに進むと、再び斜上する枝道が現れる。 | 1320m付近。乗用車では厳しい勾配が続く。 | 1330m付近で北に分かれる道に入る。写真右から登ってきた。 | 1340m付近。尾根に乗ると北側に林道が走っていた。 |
林道には堀切のような高低差が付けられ車両が通過できないようになっていた。 | 1360m付近で南に分かれる林道幅に入る。 | 1380m付近にも深い堀切形状あり。 | 1450m峰 |
尾根上に倒木が続く。獣道のような道形が尾根の南側に存在する。 | 大木場山が近くなると笹の植生となる。膝丈。 | D大木場山到着 | D二等点 |
D伝って来た東側 | Dヤキソバパンと | D林班の赤ペンキ | 1375m付近から尾根の西側に伐採地が見られる。 |
尾根と伐採地の様子 | 大きなカモシカが道案内をしてくれていた。 | 1280m付近。下草は無く伝い易い尾根。 | 目標座が見えてくると、冬季のマーキングが高い位置に連続して見られた。 |
道形が現れる。 | E送電線鉄塔下通過 | 高山直下 | F高山到着。西側。 |
F北東側 | F小金石山だろう | G帰路は伐採地付近の1315mより東に下る。 | H1255m付近で林道に降り立つ。 |
I1185mの取付き点まで戻る。 | シナノゴールドで水分補給。 | 林道の分岐点に置かれた林業用の重機。 | 国道に出る。 |
J余地に戻る。 |
前週に続き信州真田の山を選ぶ。旧長村の古地図には山名が記された場所が多く、今年4月に小金石山まで伝った尾根の、その以北に「高山」と「大木場山」があり狙ってみることにした。2座を結び上手く周回路が出来ないかと、西麓と東麓で検討したが見いだせず。結局北か南かになったのだが、南は既に歩いているので、未踏の北側でアプローチすることにした。
4:15に家を出る。久しぶりに強い寒気に入った日で、東御市から真田町に入る頃には雪が舞いだしていた。国道406号のストリートビューを事前に見てから来ているが、画像に映る工事看板が今でも現地に掲示してあり、猿飛橋南東からの林道で作業が続いているようだった。今回使う林道であり、ゲートされていないので車で入って行ってみる。
雪の乗った林道は、かなり泥濘状態で轍も大きく二度三度と底を擦った。地形図に読める分岐点に到達すると、直進側は重機で塞がれ、右折側はさらに深い轍になっていた。途中の路肩には重機が置いてあったので、やはり現在進行形の場所と思い、リスク回避で国道まで戻り、少し下った場所にある余地に停める。
強い降りではないが、依然雪が降り続いていた。6:17出発。国道を跨いで林道に入って行く。先ほど通っているので足許の状態は判っているので、よくよく見定めながら進んで行く。時折ヌチャっとなり、もっと積もっていてくれたらと思ってしまう。進んで行くと左側に小型ブルドーザーが置いてある余地がある。そして林道入口から6分程で分岐の場所となり、轍の濃い方は右折してゆく道の方だった。直進側にはバックフォーが置かれ塞がれていた。その脇を通過してゆく。雪が乗ってはっきりとは分からないが、足の裏に伝わる様子からは石の多い林道で、植生の様子からはほとんど使われていないだろう事が見える。
1180mの林道が尾根を乗越す場所は広く、東側にも緩斜面が続き心地がいい場所であった。さてここから林道を離れ尾根に取りつく。登りだしは急登で、その先も急のまま続くのだが、防火帯なのか拓かれた幅が見える。何だろうと伝い進むと、その先から尾根を外れ南側を進ませる道形が続いていた。到底乗用車が入れる勾配ではなく、これはクローラ道だろうと思えた。道幅も軽四でも厳しい幅であった。
尾根道のようだが、尾根を外して南に切られているので、何処に連れて行ってくれるのかが気になった。それでも順調に高度を上げて行くので伝わない手はなく、敢えて尾根に乗ることもしなかった。取り付きから8分程の場所で、北西に斜上する枝道が現れた。迷わず高度をより上げて行く山手側の道を選ぶ。地形図に見える実線路の他に、この尾根南斜面にはいくつもの道が存在することを知る。意気揚々と高度を稼いでいた道形だが、1290mで西側へは下降しだした。楽をできるのはここまでかと思いつつも、もう少し西に伝うと、再び斜上してゆく枝道が現れた。これで2回目である。
やや急な道を進んで行く。1332高点は既に右に見送り、相変わらず南面で行動していた。尾根が進行方向右にあり、頂部があるのが判る。そろそろ尾根歩きにしようかと思っていると、1330m地点に、今度は北東に鋭角に入る枝道が存在した。直進路も高度を上げて行くので迷ったが、北に進む道に入ってみる。進む先に尾根の頂部が見え予想通りな感じだったのだが、そこに到達して北を見ると、なんと林道が走っていた。と言う事は、1170m地点で分岐する実線路がここまで上がってきていることになる。どこかに分岐が存在するのだろうが、地形的には1170m分岐に近い位置で上に向かう枝道があるだろうと思えた。判っていれば林道歩きできたが、今でも十分作道された場所を伝い楽をさせてもらっていた。薮を漕いでいたならば、ここでの林道との出合はショックだっただろうと思えた。
林道に乗り西進してゆく。ここも緩い地面で、踏み込むと40mmほど沈み伝いづらかった。途中には土手が水平に築かれ、その向こう側には堀切のような溝が深く造られていた。車両が通らないようにとバリケードの役目と、地面がこれだけ緩いのは水の多い地形で排水路が作られているようでもあった。少し進んだ先の1345m付近にもあり、意味合いは後者の方だったのかもしれない。1360m付近に、南に入る枝道がある。伝っていた林道は尾根の北側に存在し、今度は南に戻らねばと思っていたのでちょうどいい。南進して行くと林道幅は終点で、そこから尾根頂部を伝って行く。下草の植生は無くとても伝い易い場所だった。
1440mの肩に高みがあり、そこが山頂っぽく大木場山と勘違いしてしまう。三角点が無いので気づくのだが、ここからの尾根通しは倒木が連続する。その為か尾根を外した南側に道形が存在した。進んで行くと嫌なことにササの植生となった。雨具を履いていればあまり思わないが、履いていないと濡らされるので嫌なのだった。幸い膝丈のササなのでストックで雪を払いながら進んで行く。道形は山頂を通らず西進していたので、おそらくは獣道だろう。尾根に戻り頂部を進んで行く。
大木場山登頂。三方向からの尾根の合流点であり、そこそこ居心地のいい地形であった。展望は無いものの登頂感があると言うか・・・。そして三角点は二等点であり、四等より三等、三等より二等が嬉しかったりする。木々の間から南西を見下ろすと、畑か何かあるかのような平地が広がっているのが見える。拓いたとかの耕作地があるのではなく、ただただ自然地形に雪が乗っているだけだろう。ちょっと早いが本日の最高所であり、ヤキソバパンでの朝食とする。マイナス5℃でも凍らないヤキソバパンは、冬季に持つのに相応しい。依然雪は降り続いていた。次は高山へ。
東進で1440m峰に戻ったら、ここからは南進に変わる。立ち木に書かれた赤ペンキの矢印は、東に曲がれと2箇所に書かれていた。緩斜面の尾根を下って行くと、その尾根の西側が明るくなり伐採地があることが見えた。その中に作道された林道幅も見える。開けた場所を眺めていたら、視界の中で黒く大きなものが動いた。何か居ると思ったら、大きなカモシカで100kgほどありそうな親熊サイズの個体であった。こちらに気づいたようで、振り返り見た後、南進していった。我々はそのトレースを追うように緩やかに高度を下げて行く。こちらの尾根も下草の植生は無い。前週のこともあり、猟をし易い降雪時であり注意が必要であった。ただし露払いが天然記念物であり、強い味方であった。まあ密かにカモシカを撃つ人も居るとは聞く。
1440m峰からずっと境界見出し標の杭や石柱が続いていた。そんな中、1270m付近まで高度を下げると古いマーキングが高い位置に見られ、冬季に伝っている人が居るのが見える。南進してきたが、1240mの肩で進路は南西に変わる。ここは気にしていないと南東に引っ張られそうな地形であった。打たれた杭は「九七」の場所であった。南西に降りて行くと1250m付近から道形が現れる。伝って行くと送電線鉄塔を潜るのだが、鉄塔の東側の道標には、今伝った方角を指して「22番」の巡視路道標が立っていた。最後の登りで、東側から見上げる高山の格好もいい。
高山は南側のみ開けていて、そこに小金石山を望むことが出来る。人工物は境界標柱と杭のみで、西側に続いていた。予定していた2座終了。自分のトレースを追いながら北に戻って行く。送電線鉄塔の東、道形が何処に向かっているのか気にして伝っていたが、有耶無耶になり向かう方向は判らなかった。鉄塔位置からは北に降りて行くのだろう。帰りであるが登り返しで、汗するほどに頑張ると後で寒いので、ゆっくりのんびり戻って行く。
進む先左側が明るくなり、伐採地の横辺りまで到達する。1315m付近の鞍部からは、東麓にある実線路を目指して北東に降りて行く。適当に北進して行けば、往路に伝ったクローラ道のどれかに出合うはずであり不安は無かった。がしかし、なかなか見えてこないので崩壊消滅しているのかと思ったほど。雪が乗ると林道の場所は判断しやすいのだが、上から林道が見下ろし辛い場所だったよう。迷犬は、服に付着した雪が凍り、重くなって脱げてしまっていた。こうなると大型獣と見間違えられそうで、猟期は時にドキドキしてしまう。たかが服、されど服。1255m地点で林道に乗る。
こちらの林道も、大きく荒れてはいないが近年で使われた形跡の無い様子であった。途中には倒木とは言えないほどの細木が覆っている場所があり、車の通行は出来ない状況にはなっていた。それらを避けるように、林道の麓側の際にシカ道が続いていた。144号を行き交う音が上がってきており、奥多摩の山に居るかのようだった。
1180mの尾根取付き点まで戻る。もう迷う場所も難しい場所もなく、シナノゴールドを迷犬と分ちながら戻って行く。重機の脇を経由の匂いを嗅ぎながら通過しハッと思った。分岐の場所には、真新しい大型車両の轍が残されていた。土曜日であり林業関係者は作業日である。雪が降っても入山しているのだった。車を林道に入れずに良かった。国道の看板は、間違いなく現在進行形なので掲げられているのだった。
重量車両が通過したので、林道はよりヌチャヌチャになっていた。現場へ向かう作業者は、雪の上に残されたトレースを訝しがっただろう。林道中央の雪が乗った上を迷犬に歩かせる。気にしているのは飼い主だけで、当の本人は泥だろうが雪だろうが関係ないはず。国道に出て、車の通過に注意しながら渡り余地に戻る。
振り返る。小金石山側では棘が多く、近い場所でありその植生を気にして行ったが、ほぼ無問題であった。雪が覆ってしまっていたからかもしれない。それはそれとして、とても歩き易い尾根だった。荻地区のように、入山者を拒んでいる掲示も無く入山できる。拒む理由は、もしかしたら猟場だからなのかもしれない。そして大木場山側は猟場ではない。2座に二度行くことは無いとは思うが、計画して出向いてよかったと思える場所であった。枝道が多くあるので、意識し過ぎると道迷いになるだろう。描かれない地形図を頼りに歩くのが吉。