丸山
2329.9m 高見石 2280m
中山 2496m
2021.7.3(土)
雨のち晴れ 単独 行動時間:4H4M
@麦草峠駐車場4:40→(44M)→A丸山5:24〜27→(12M)→B高見石5:39〜42→(49M)→C中山展望台6:31〜35→(2M)→D中山6:37〜58→(40M)→E高見石帰り7:38〜44→(21M)→F丸山帰り8:05→(39M
)→G駐車場8:44
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@麦草峠駐車場から。この日の朝は、この3台のみだった。 | Aヒュッテ前から | 流れのある登山道を進む。 | ジャバジャバと進んで行く。 |
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ここでもまだ流れが消えず。 | 丸山直下でやっと普通の登山道に。 | A丸山三角点 | A三等点 |
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A三角点ポイントの標高 | A東の、頂上標柱の場所の標高 | A頂上標柱 | B高見石小屋。この日は「本日休業」と出ていた。 |
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B雨で岩が濡れ、迷犬は足を滑らせ岩穴に落ちた。危険に思い往路時は撤退。 | 中山へのルートは、さらに状況が悪かった。 | 池とか沼とか表現したいほど。水深は150mmほどあり、泥濘地でさらに沈み込んだ。 | C中山展望台 |
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C展望台から天狗岳 | C雨上がりにしては南アルプスがよく見えていた。 | C北アルプスも然り | D中山山頂 |
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D中山山頂から東側 | D硫黄岳側 | Dハムチーズ揚げパンと | 展望台から蓼科山側 |
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E高見石小屋帰り | E最高所に再度チャレンジしたが、まだ岩が濡れていて・・・。 | 分岐点 | F丸山再び |
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鹿よけフェンスを開閉し | 麦草ヒュッテに戻る。 | G晴れてきたためか、ハイカーが到着し出発してゆく。大パーティーのマイクロバスも後から到着していた。 |
宿題としていた麦草峠以南。6月19日の記録にも書いた通り、白駒池周辺はペット禁止となっている。その「周辺」が、どの範囲なのかが全く判らない。判らないものに対しては想像するしかなく、もしくは現地に入って気づかされたり注意されたりで知ることになる。可能な限り情報を得ようと試みるが、「周辺」の距離感覚が掴めなかった。高見石も周辺なのか周辺ではないのか、それによっても行動が違ってくる。ここは勝手な判断で、高見石はいいとした。そうでないと、以南は丸山しか犬連れで登れないことになるから。
梅雨の最中、朝降った後は曇り予報の土曜日。だいぶ週中に降ったので相応の覚悟はする。雨を溜めやすいのが八ヶ岳で、それを物語っているのが奇麗な苔類の多さだろう。天気があまりよくない方が入山者は少なく、そのタイミングを狙ったのは言うまでもない。中山まで行くことにしたが、途中の高見石の岩場が大型犬に伝えるのかどうかも気になっていた。
4時20分家を出る。出がけにテルモスに水を汲もうとしたら、シンク内に置いておいたワイングラスを割ってしまった。さらにカーナビのAndroid
Autoが立ち上がらなかった。多難ではないが、前途少難だった。向かう先が麦草峠だったからいいが、別の知らないところだったら運転負荷が増えていただろう。さらに難が無いようにと、ワイパーを動かしながらゆっくりと向かってゆく。
清水町交差点で141号を離れメルヘン街道の299号へと入って行く。峠までの経路で、一台の車にも出会わなかった。そして麦草峠の駐車場には3台が停まるのみ。この日の予報であれば、もう少し多いと予想して来たが、大雨での各地の災害発生も影響したのかもしれない。経路のラジオでは、熱海の土砂災害の様子を連続して伝えていた。
駐車場で車中泊をしていた三台のうち一台は、老齢な夫妻で、旦那らしき人は奥さんらしき女性に付き添われるようにしてトイレに入って行った。なぜにこんな観察をするかと言うと、もしも車上荒らしされた時にと、得られる情報は得るようにとよく観察するようにしている。当然停まっている車のナンバーや車種が判るようにカメラに収めておく。ここまでする人も稀だろうけど、何があるか判らないのがこの世の中、自分の判断でわが身を守る。一番いいのは家に居て何もしない事。それじゃつまらないので、出るからにはリスクを減らすために出来ることはしておく。
4:40出発。諦めきれずAndroidAutoを立ち上げようとしていたら、15分も無駄に費やしてしまった。結果ナビは立ち上がらず。木道を伝い鹿よけフェンスを開閉して麦草ヒュッテに。以前はここにペット立入禁止の看板が在った様だが、今はそれは見られない。南進するにはもう一度鹿よけフェンスがある。ここでは間違いなく、ペットがどうこうって言うよりシカ対策の方が大問題だろう。可哀そうではあるが、駆除しない事にはシカが増えて行く一方だろう。美しい八ヶ岳の緑も、そのうちに食害で酷いことになるのかもしれない。甲武信小屋では、「シカ避けに犬にもっと歩いてもらいたい」と言っていた。ここで生計を立てている人らも、シカがそれで減るのであれば賛同だろう。まあ考えた方は様々。鹿が増える中では、ヒルを運んでくるのも時間の問題かもしれない。八ヶ岳にヒル、考えたくもない。
登山道は沢のようであった。先を進む迷犬が時折立ち止まりこちらを振り返る。「ここが登山道でいいの?」とか「道間違えたんじゃない?」とか言いたいような表情だった。ただし人の伝った匂いは感じているはずであり、振り返りつつも先に進んで行った。大河原峠から天祥寺原への道に比べれば水量は少ないが、登山靴では伝いたくはない状態となっていた。ジャブジャブと進んで行く。
最初の方だけかと思っていたが、登山道の流れはしばらく続き、丸山の直下でやっと流れの無い足場となった。周囲のシラビソや苔は、素晴らしく緑の発色がいい。足許の流れがと水に対し苦情を言っているが、美しくしているのもまた水(雨)。外気温は16℃で、すぐに雨具の外も中も濡れてゆく。
丸山登頂。ちょうど10年ぶりで、前回は下界が暑すぎて避暑で訪れている。前週の入笠山では、無残な三角点を見ているので、ここの無傷の三等点が美しく見える。この三角点の場所には、地形図表記の標高がいたずら書きされていたが、頂上標柱側では、それより300mm高く書かれた標識が残されていた。まず1座、次は高見石でスタッフが居たらペットに関わる行動可能範囲を聞いてみようと思っていた。下って行く。
10分ほどで高見石小屋に着く。小屋内から音はしていたのでスタッフがいるようだが、入口には「本日休業」と出ていた。聞こうと思っていたことが聞けない。それはさておきと高見石頂上を目指す。小屋脇から這い上がって行くのだが、最初右に膨らんだ先で左に戻るところで、迷犬が足を滑らせ岩穴に落ちてしまった。自力では這い出せずに32kgを引っ張り上げる。雨で岩が濡れているので、グリップしてくれないようだった。だからって乾いていたら登れるのかってことになるが、体重のある大型犬にはここの岩を伝うのは厳しいと思えた。最高所までの標高差は3mくらいなので、迷犬にとっての高見石はここで山頂とした。
高見石から中山へと向かう。登山道の状況はさらに悪くなり登山道の場所が沼地になっている場所も現れる。他人事のように、登山靴の人はここの通過をどうするのだろうと思えた。私は長靴履きだったが、深いところではさらに地形が緩く沈み、長靴でも危うい場所もあった。そこを一人と一匹がジャブジャブと進んで行く。曇り予報であったが、雲の合間に青い空が見えるようになってきていた。良い方に予報が外れているよう。
中山展望台に着くと、植生に遮られている東側を除いて、他の方角は遠望が楽しめた。南に南アルプスの連なりがあり、西に北アルプスが長く広く繋がっていた。北には浅間の山塊が雲海に浮かんでいた。特に北アルプス側は晴れ渡っており山々の輪郭がくっきりとしていた。展望を楽しんだら、東のシラビソ帯に突っ込んで行き、中山山頂到達。さらに東に進むと東側が開けているので、展望台と併せて360度が楽しめた。予定の3座終了。天狗岳も目と鼻の先にあるが、今日はここまで。予想外の日差しも降り注いでいた。いい天気!!
往路を戻り再び高見石に。切り株のベンチに腰を下ろしていると、女性二人のパーティーが到着した。休業看板を見てしきりに「揚げパンが食べたい」と発していた。名物を楽しみにしていたのだろう。もうハイシーズンに入るのに休みってのもおかしい。中ではパンを揚げていて、出来たら営業ってことなのかも。まだ7時半であった。日差しが出てきたので、もう一度高見石にチャレンジする。迷犬もついさっき滑ったことを忘れたかのように進んで行く。同じ場所まで登れたが、落ちた場所の先への足場が選べなかった。中型犬以下なら抱えられるだろうが、当家の迷犬にはここの岩に対する八艘飛びは無理だった。まあ2回チャレンジしたので諦めはつく。
小屋のスタッフの姿が見られず結局聞きたいことが聞けなかった。白駒池西の分岐では迷犬が北進したがったので進路を迷ったが、やはり止めておいた。丸山側へと登って行くと男女のパーティーが降りてきて、濡れた迷犬を嫌がらずに撫でてくれたりもした。地元の女性と中京圏から来た男性で、私の出発準備も見ていたと言う。そして当初はキレット小屋まで縦走予定だったが、天候悪化で中止したとのことだった。5分ほど立ち話のあと動き出す。
丸山からの下り、わずかな時間差だが登山道を流れる水量は減っていた。短時間でここまで変わるのかと知ることになる。ソロの男性が続けて二人すれ違い、天気が良くなったので続くのかと思ったが以後登ってくる人は無く麦草ヒュッテに戻る。ここでも鹿よけフェンスを開閉時に、すれ違った夫妻らしき方々に迷犬は撫でてもらっていた。犬が居なかったら、何もなかったように無言ですれ違っただろう。犬が取り持つ登山者同士のふれあい。
駐車場に戻ると20台ほど数えられた。着替えていると中型バスくらいのマイクロバスが到着し、ぞろぞろと15名ほどが降り立ち登山の準備を始めた。2年前だったら何も思わないが、このパンデミックの最中だと異様な集団に見えてしまった。逆に、そんな思いが消えたら、この騒ぎも収束ってことかもしれない。マスクが登山の必需品になった今。マスクを持っていないと山小屋に入れない今。あとで笑い話に出来るだろうか。ずっと必需品にならない事を願う。